原作:zi-no
著者:XUN
秘封倶楽部の忘年会で終電に蓮子と乗った時の話なんだけどさ。
二人とも駅の終点で降りるから少しぐらい寝ても大丈夫だろうと思って電車の中で寝る事にしたんだよ。しばらくして目が覚めると、お互いの呼吸の音が聞こえるぐらいの距離で蓮子の顔が近くにあって思わず驚いて声出してしまったんだ。そしたら顔真っ赤にして「ごめん」と言いながら反対側の誰もいない席に座って俯いてしまった。
今、蓮子が何やろうとしたか分からない程俺も鈍感ではない。だから蓮子の行為を台無しにしかたら埋め合わせをしなければならない。そう心に決めると、蓮子の隣に座り「俺からじゃ駄目か?」ってそっと耳に囁いた。「……いいの?」口では不安そうに訊ねてきた蓮子にああ。と頷いて答えると、俺がこの後の行為をしやすい様に顔を少し上げて蓮子は黙って目を閉じた。俺は黙って蓮子の背中に手を回し、それは突然だった。いつも自分に唇を貪られ、その快楽に身を任せる少女が自分の首に手を回し、唇を押し付けてくる。少女の髪から仄かに香る優しい匂いが、瑞々しく柔らかい唇が、どこかぎこちない動作で唇を押し付けてくる少女の行為が、青年の思考を麻痺させていく。
しばらくすると唇が離されたが、すぐにまた唇を重ねられる。何度も繰り返され、何度も貪られ、その度に脳が蕩けるような錯覚に襲われ、快楽が精神を支配していく。そんな青年ができる事といえば、少女の背中に手を回すだけ。二人しかいない部屋に唇を貪り、貪られる音が、二人の熱い吐息の音だけが響く。
唇が離され、青年の首が少女の腕から解放されたのは随分後になってからだった。その頃には青年の口元は、口内の底から湧く液体で塗れていた。彼女は既に口元から顎の裏、喉の近くまで。もうどちらの物かなど分かりはしない。
殆ど回復していない思考を総動員し、青年は理由を尋ねる。すると、「いつも奪われるだけだったから、奪ってみたかったの」と言って笑い「やり過ぎちゃった?」と尋ねてきた。
そんな少女、宇佐美蓮子に突如黒い感情が湧いてくる。同じように、今すぐ自分を貪ったその唇を、体を蹂躙したくなる。「ああ、やり過ぎだ。だから」口が勝手に動いた。「お返しをしたい」体が蓮子を壁際に追い詰めていた。逃げれないように腰を掴み、手首を握る。そして蓮子の先ほどの行為で濡れている唇を唇に己れの指を突っ込み、口内の奥深くまで潜り込ませた。「うくっ」可愛く吐き気なんか催している蓮子は見ていて愛らしい。突っ込んだままの指を今度は蓮子の舌の上をなぞるようにして愛でる。その後蓮子の唾液がたっぷりついた己れの指を彼女の口から取り出し、そのまましゃぶった。「くちゃくちゃ・・・」甘い。蓮子の味がする。しばらく蓮子の唾液を味わったが、もう唾液は全部飲んでしまったので別の液を味わうことにしよう。
蓮子の様子がおかしい。スカートをその小さな手で掴み、ふるふるとなにか物言いたげな顔をこちらを上目遣いで見てくる。そんな目で見つめられると俺までおかしくなりそうじゃないか。と、その時蓮子がいきなりポケットからパイロットペンを取り出し俺の腹部を思いっきり刺した。しばらく状況が理解できず、刺されているのにも関わらずしばらく固まっていた。我に返り、ゆっくりとゆっくりと下方を見るとそのには紅いジュースが溜まっていた。「うわぁおいしそう」蓮子はそういうと俺の腹部から抽出されたビンテージ物の飲み物をおいしそうに啜り始めた。「じゅるっじゅるっ」ああ・・俺はなんて幸せなんだろう。今蓮子の中に俺が結合されていく。そのとき、俺は突然眩暈に襲われてその場に倒れた。
蓮子が「えへへー」と無邪気な笑顔をこちらに向けている。そして彼女は満腹になって遊びたくなったのか俺に馬乗りしてきた。もうなにも感じない。段々と視界が暗くなっていく。もう彼女の顔も見えない。最後に聞こえたのは蓮子の「遊ぼー」という可愛らしい声だった・・・
あとがき
どう考えても俺は狂人です。本当にありがとうございました。:XUN
どうみても途中から俺が受信してない(マクロに書いてない)カオスな電波が混じってバッドエンドです。本当にありがとうございました。:zi-no
最終更新:2008年10月14日 22:57