カオスワールド 第1話

573 名前:カオスワールド[sage] 投稿日:2011/05/15(日) 00:42:08.11 ID:Tg3xpUsa

………これで、お兄ちゃんを………






むかしむかしのお話。


ある大陸に、強大な国がありました。
その国は次々戦争を起こし、大陸全土は愚か、海の向こうにある大陸の国々にまで侵略を広げました。

気付いた頃にはその国は世界の頂点にまで達してしまいました。


また、その国にある二人の兄妹がいました。

両親は戦争に巻き込まれ亡くなってしまい、兄妹は小さな村で裕福とはかけ離れた生活でしたが、仲良く幸せに暮らしてました。


そんな二人に悲劇が起こりました。

兄妹の暮らしている村の近くで、反乱軍と国の軍隊の抗争が始まりました。
兄妹だけでなく、村の人々は身を震わせながら自分たちの家の隅で、抗争が終わるのを待ち続けました。

陽が傾き、月の光が目立ち始めた頃、抗争による騒音が静まりました。
兄妹の兄が様子を見ると言い、それに猛反対する妹をあやし、兄は村の外の様子を窺いに行きました。


妹は兄が帰って来るのが遅いと思い、勇気を出して家の外から出てみました。

兄妹の住んでる家は村の奥にあり、場所が村で一番の高地だったため、村全体を一望することができました。

だから外に出た妹は驚愕し、絶望しました。

家から出た妹がまず最初に見た風景は、大好きだった兄と大好きだった村の人々と暮らしてた村の落ち着いた風景ではなく、あちこちから煙と炎が見える地獄だった。

妹は初めてこの高地を呪いました。
しかし、妹はそんなことより村の人たち、愛しき兄を心配し、村の中央まで駆けて行きました。

寂れた村の中でそれでも活気が一番あった中央は今では炎の海となっていました。

それだけでなく、自分に優しくしてくれた村の人たちの死体が辺り一面に倒れていました。

それでも、吐き気と涙を我慢しながら大好きな兄、たった一人の肉親である兄を探しました。

妹は村の出入口とも言える場所で、あるペンダントを見つけました。

血だらけで誰もが触りたくないと思うペンダントを妹は手に持ち確認してしまいました。

………自分と兄の写真が入ってることを………それが世界に二つしかないことを………それが兄の物であることを。

妹は泣き叫びました。
体内の水分を使い果たしてしまうぐらい涙を流し続けました。


574 名前:カオスワールド[sage] 投稿日:2011/05/15(日) 00:46:55.07 ID:Tg3xpUsa


それから妹の姿を見た者はいませんでした。





閑話休題





ありとあらゆる国を征服し、世界の頂点に立った強大な国の天下も長くは続きませんでした。

突如現れた異形な化け物により、強大な国はあっという間に滅ぼされ、世界の悲劇が始まりました。


化け物たちの強さは異常で、強いやつだと十万の軍隊を一瞬にして塵にしてしまう化け物もいました。

そして、異形な化け物との戦いに敗れた兵士たちの話によると、異形な化け物たちの中心に華麗な女の子が気味の悪い、悲しい笑顔で立っていたとか………


世界は化け物たちの出現により、混沌化し、人間は新たに魔法という対抗術を身に付けました。


それにより、世界は化け物改め魔物たちと、人間と、魔法により突然変異の起きた人種たちのいる舞台に変わりました。



また、魔物たちの長がいると思われる城から、夜な夜なか弱い女の子の声が聞こえるとか……


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最終更新:2011年05月21日 16:11
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