カオスワールド 第2話

628 名前:カオスワールド[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 02:59:49.48 ID:XyaBTeI9

「ざ~んね~んしょ~う!!!」


数多の死者が横たわっている戦場の地で、場違いなふざけた声が聴こえる。

「公国ミノウの大将軍も所詮はこんなもんか。」
「………っ。」

場違いな男は、唯一の生き残りであり、先程まで闘っていた男を見下しながら、また告げた。

「死ぬのは怖いか?
痛みは苦しいか?
俺が憎いか?
自分が憎いか?
この世界が憎いか?」
「……早く殺せよ……」
「ほう…死ぬのは怖くないのか?」
「戦場で死ねるなら本望だ…」
「ハハハハハハハハッ!」

突然笑い出す男。

「ならば、お前にはまだ屈辱的な生き方してもらう!」

男が右手を挙げると、天から禍々しい黒い空間が現れた。

「……何のつもりだ…」
「お前には、半永久的に俺の駒になってもらうよ。」

空間から無数の手が、横たわっている男を掴み、あっという間に大将軍と呼ばれる男は禍々しい黒い空間の中に引きずり込まれた。
そして、空間は最初からなかったかのように消えてしまった。


血生臭い戦地で一人ポツンと立つ男。
先程までのテンションは何処かに行ってしまい、その場で座り込む。

「…全てはハリマのために…か……」

この戦地でまた数千の尊い命が消えた…


631 名前:カオスワールド[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 03:05:07.62 ID:XyaBTeI9
帝国ハリマ

今から600年前に世界を統一した超大国。
まだ魔法も存在せず、魔物やエルフなども存在しない時代に、人間が世界の歴史を造り上げていた最盛期に一番輝いた国が帝国ハリマでした。
しかし、所詮魔法も使えない人の集まり。突如現れた異形な化け物たち、今でいう魔物たちに惨敗し世界統一から、わずか5年で滅ぼされました。

魔物の出現により、人間は絶滅の危機まで追われましたが、魔物たちに対しての唯一の対抗法、魔法の獲得により絶滅の危機は免れました。
それから600年の年月が経ち、世界は混沌としています。

『カオスワールド』

これが今の世界の現状です。

~~~~~

「燈(あかり)、依頼だぞ。」

久しぶりに歴史の書を読んでた最中に兄である、一(かず)兄さんから依頼の要請を伝えられた。

「Cランク以上の!?」
「Fランク依頼だ。」

ここで少し余談。
私こと燈、兄の一兄さんはギルドという何でも屋をやっています。
昨年開業したばかりなので、まだまだ赤字続き営業だけど頑張っています。
一兄さんは魔法にあまり恵まれず、仕事は大体雑務担当。
身体能力も並以下なので、まさに凡人。
私は逆に恵まれ、そんじょそこらの方たちよりは断然に勝る身体能力と魔法を持っています。
しかし、そんな力を持っていても依頼が低すぎるせいで全然活かしきれず。

私の両親についてですが、これは一兄さんが私に内緒にしているため生きているか死んでいるかもわかりません。

両親の顔も知らない私。だから物心がついた頃から一兄さんだけが頼りでした。だから私は一兄さん大好きです。

「今回も依頼内容は司(つかさ)さん家の猫探しだ。」
「またですか……」

今日も依頼頑張ります……

~~~~~

依頼の猫探しも終わり、事務所兼我が家に戻る私と一兄さん。

「今日はいつも以上に疲れたな…」
「一兄さんが体力ないだけですよ。」
「酷い!」

家に着くと、今週は一兄さんが食事当番のため、台所へ。
私は体を洗うため、洗面所へ。

「まだまだ大きくならないな…」

風呂に浸りながら、自分の胸を揉んでみる。
愛しの一兄さんは巨乳好きのため、私は胸を大きくするために毎日毎日牛乳を飲み、たまにこうして揉んでいる。


632 名前:カオスワールド[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 03:06:20.94 ID:XyaBTeI9

本当は一兄さんに揉んでもらいたいが、流石に頼めないので、虚しく自分でやっています。
後、一兄さんには巨乳になった胸を揉んでほしいという、Hな希望もあります。

風呂から上がり、食卓には一兄さんの料理が並べられているので、二人で食事に。

「今日はシチューだ!!」
「たくさん食べろよ。」

夕食は私の好きなシチューが出ました。
流石一兄さん!大好きです!


私がシチューに夢中になってる時、ふと一兄さんが最近の出来事を語り始めました。

「そーいえば、公国ミノウの轟(とどろき)隊が全滅したってな。」
「轟ってミノウの大将軍ですよね!?」
「だから、オワリに救援要請をしてきたんだよ、ミノウが。」

公国ミノウは私達のいる共国オワリとの同盟国です。
そして公国の轟と言えば、魔物の中でも最上級のドラゴンを一人で倒した、人間界の中では英雄の中の英雄です。
他にも多くの戦歴の持ち主です。

「そんな強い魔物が現れたのですか……」
「多分な……

それで、だ!」

少し間が空き、再び話す一兄さん。

「公国ミノウへの救援部隊としての依頼がきたんだよ!」
「それって!?」
「いつものFランクじゃなく、ギルド開業以来のAランク依頼だ!」


そして今日の夕食はいつも以上に盛り上がりました。

もちろん、後で苦情は来ましたよ。


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最終更新:2011年06月03日 22:40
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