38スレ715

715 名前: ◆kpb1UHuGog [sage] 投稿日:2011/10/01(土) 19:03:10.50 ID:inROpziP
「なるほど、早漏はモテないのか」
 彼女を求めて17年。それはたった一言の書き込みであったが、惹きつけられる何かを感じた。
人間の交際や恋愛も本を正せば性に始まり子孫を残す行為、つまりはセックスに行き着くわけだ。
 女を満足させることのできない男には魅力がないと、女は本能で感じ取っていたというのか。ならば俺がやるべきことは一つだ、即ち「遅漏になる」のである。願望である妹のような可愛らしい彼女ができることを祈って検索をかける。
「早漏 改善」
 これで俺も念願の彼女が――
「アキラ、アンタ早漏だったの?」
「は?」
 ベッドの上でノートパソコンをいじる俺の右隣から柔らかい花の匂いと共に聞き慣れた声が驚きつつも呆れた調子で言った。
「な、なつめ姉っ!?」
 声を裏返らせながら反射的にパソコンを畳むが、音読までされている時点でそれは既に遅かった。
「ナンデイルンデスカ、オ姉様」
「お風呂出たからそれを知らせに来たんだけど……へぇ、早漏ね~」
 俺の一つ上のなつめ姉は実の姉である。整った顔立ちとモデルのようなスタイルを武器に学園の男子生徒を次から次へと落とす「男殺し」である。
 そんななつめ姉は俺を見ながら口を歪めて嘲笑うと、そのまま続けて。
「彼女もいないのに早漏を気にするなんて、いろいろ飛ばしすぎじゃない?」
「う、うるさいな。姉さんには絶対に分からない悩みなんだよ。『早漏はモテない』と言われたら治したくなるだろうが!」
 そこまで言い切って後悔することになる。何を俺は一部始終説明しているのだろうか。そもそも「男殺し」であるなつめ姉に俺の苦悩を話したところで共感などこれっぽっちも得られないだろう。自分がよりいっそう惨めに感じてそれ以上は何も言えなかった。
 しかしなつめ姉はそんな俺を気遣ってか肩に手を乗せると。
「……アキラ、本当に早漏を治したい?」
 俺がその言葉の意味を理解するより早く頬に手のひらが添えられ、肩を引っ張られてなつめ姉の方へ振り向く。
「なつめ姉、なんだ――」
 そして乱暴に唇を押し付けられるとそのまま押した倒され、なつめ姉は俺の上へ馬乗りになった。現状を受け入れられない俺は抵抗もできないまま、なつめ姉は息を荒げて俺の頬を両手で挟み。
「お姉ちゃんは早漏でも気にしないよ。でもアキラが早漏を治したいなら、お姉ちゃんが手伝ってあげる」
 頬を上気させ、目を滲ませながら妖艶な笑みでそう告げると、俺に再び口付けをした。

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最終更新:2011年10月21日 22:43
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