393 名前:
風紀姉 ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/24(土) 19:52:52.08 ID:DsKXi2Ei
お久しぶりです、初ねぇこと初音です。
今日は待ちに待ったクリスマスです。
恋人と一緒に過ごす日。恋人が居ない人は?
勿論家族と過ごすのです。
「しょうくん、どこ行くの?」
玄関に向かうしょうくんに話しかけます。
「え?友達と遊びに行くんだよ」
「ダメよ。もう7時回ってるんだから」
「大丈夫たよ…それと、友達の家に泊まるかも知れないから」
「ダメ。なんて名前の友達なの?向こうの親御さんは許可貰ってるの?それにもう料理作っちゃったんだから一緒に食べましょ」
「明日食べるよ、それじゃあね!」
「あっ、待ちなさい!」
私を無視するように玄関を飛び出すしょうくん。
一大事です…クリスマスに友達と出掛ける?これは一大事ですよ。
私も慌てて靴を履くと、すぐに家を飛び出しました。
友達と遊びに行くとなれば駅に向かうはず。
自転車に乗り駅に向かいましょう。
居ました、しょうくんです。
改札口を抜けて電車に乗ろうとしてます。
慌てて適当に切符を購入すると、私もすぐに電車に乗り込みました。
一人で電車に乗るしょうくん…大丈夫でしょうか?
乗り過ごしとかしないでしょうか?
心配です…。
394 名前:風紀姉 ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/24(土) 19:53:57.33 ID:DsKXi2Ei
「?誰だろ…」
しょうくんに話しかける人が見えます…女ですよ女。
しょうくんの隣に座ると、笑顔で話始めました。
「……」
もしかして……しょうくんを騙して変な所に連れていくつもりじゃ…。
これは女のこめかみをカツーンっとしてやらないとダメかもしれません。
ただ、もしかしたらしょうくんの友達と言う可能性もあるかも知れないので様子をみましょう。十分ほど電車に揺られある駅に到着すると、二人とも降りていきました。
私も降りましょう…。
改札口を抜け、外に出ると数人の男女がしょうくんに話しかけたました。
これはリンチする気かもしれません。
これはしょうくん以外の男女全員のこめかみを尖ったモノでカツーンっとしてやらないとダメかもしれませんね。
細い路上にでも入ろうものならレンガでガンっですよ。
「……入りませんね」
細い路上を素通りして仲良く歩いていきます。
もしかしたら、友達という可能性も出てきました。
「ここは…カラオケ?」
数十分歩いた所でネオンが眩しい建物に入っていきました。
カラオケで何をするのだろう……もしかして…。
私も走って中に入ります。
395 名前:風紀姉 ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/24(土) 19:54:51.18 ID:DsKXi2Ei
「さっきの男女入り乱れた軍団どこ入りましたか?」
「は?なんですか?」
「だからさっき此処に入ってきた男女七人居たでしょ?何処に入りましたか?」
「あの…そういった事は…」
「あの中に居る男の子の保護者です。乱暴されるかも知れないので早く教えてください。警察呼びますか?」
「わ、わかりました…一番奥の部屋です」
頭の悪い人間は本当に腹が立ちます。
長い通路を歩き、一番奥に向かいましょう。
――はは―なんだ―っ―
中から騒がしい音と声が鳴り響いています。しょうくんの声も聞こえます…歌っているのでしょうか?
歌いたいなら私と一緒に来ればいいのに…
携帯を開いて時間を確認します。
8時…。
――ガチャっ
「しょうくん、帰りましょう」
「え………な、初ねぇ!!?」
マイクを握ったまま私の顔を見て一瞬固まりました…でもすぐに私と分かると、立ち上がり私の名前を呼びました。
「なんでこんな所に居るんだよ!?」
「なんで?しょうくん迎えにきたのよ」
部屋の中へ入ると、しょうくんの腕を掴んで部屋から出ようとしたのですが、振り払われました。
「友達と遊ぶって言っただろ!頼むから帰ってくれよ!」
396 名前:風紀姉 ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/24(土) 19:55:38.94 ID:DsKXi2Ei
「えぇ、帰るわ…一緒にね」
再度手を掴むと、強引にしょうくんを部屋の外へ連れ出しました。
「もうしょうくんを遊びに誘わないでください。迷惑です」
それだけ言い放つと、一人一人の顔を睨み付け建物から二人で出ていきました。
「なんであんなこと言うんだよ!教室に来た時もそうだ!アレで周りから変な目でみられるようになったんだからな!!!」
掴んだ手を引き離そうと暴れるしょうくん。
「しょうくん!もう帰るの!お姉ちゃんの言うこと聞けないの!?」
しょうくんを引き寄せると、腕を引き上げて怒鳴った。
一瞬身体をビクつかせましたが、反抗的な目をやめようとしません。
やはり悪い人間と付き合うとしょうくんにも悪影響ですね…。
「しょうくん、お姉ちゃんはしょうくんが心配なのよ?世の中には悪い人間がいっぱいいるの。しょうくんはまだ分からないと思うけど」
「……離れてよ」
目を反らすと、また私の手を振りほどこうとします。
はぁ…これは重症ですね…完全にヤンキーです。
ちょっとキツイ説教が必要みたいです。
「しょうくんズボンを脱ぎなさい」
「は?」
「ズボンとパンツを脱ぐの、早くしなさい」
「い、いやだよ!周りに人が居るのに!」
397 名前:風紀姉 ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/24(土) 19:56:58.58 ID:DsKXi2Ei
確かに…周りには人がいっぱいいます。
だからなんですか?言うこと聞かない弟を叱って何が悪いのですか。
「脱ぐの嫌?それじゃそのままでいいわ」
しょうくんを力一杯引き倒すと右手をパーにして思いっきり平手でしょうくんのお尻を叩きます。
「いぎっ!?」
ズバンッと破裂音のような音が響き渡ります。
「いだっ!だっ!やめ!」
一回…二回…三回…四回。
叩く度に激しい音が響き、しょうくんの口から悲鳴が漏れます。
「ご、ごめんなさぁい!」
十回目に到達する時、やっとしょうくんの口から謝罪の言葉が漏れました。
大粒の涙がぽろぽろと流れ落ち、地面を濡らします。
「ちゃんと謝れるじゃない。ほらっ帰るわよ。家に帰ったら二人でパーティーするんだから」
しょうくんの腕を掴んだまま家に向かいます。
と言うことで、今回はこれで終わりです。
クリスマスは恋人と過ごすものです…。
じゃあ、恋人が居ない場合は?
勿論愛しの家族と過ごすのです。
だから他人の貴方達に、私達のクリスマス・イヴを見せる事はできません。
皆さんも他人ではなく大切な家族といっしょに過ごしてください。
それでは…しょうくん専用風紀委員、初ねぇこと初音でした。
最終更新:2011年12月27日 22:54