姉を怒らせると?

43 姉を怒らせると? sage 2008/04/20(日) 19:50:54 ID:+ZRNhlyH
チュンチュン チュンチュン
ピンポーン
「姉さーん、ただいま!今帰ったよ」
「…おかえりなさい。確かTS○TAYAに行くって言ってたわよね。
 どうして朝帰りなのかしら?」
「ああ、駅に行く途中に茜ちゃんと会ってさ。
 高校の時に付き合ってた茜、覚えてるよね?
 久しぶりに会ったから懐かしいねーってちょっと話してたんだ」
「それで?」
「最初はさ、最近何してるの、とか他愛もないこと話してたんだけど、
 茜のやつが『私たち、別に互いが嫌いで別れたわけじゃないから
 まだやり直せるわよね』とか言うもんだから困ったなー
 モテル男はつらいよ。寅さんの気持ちがよーくわかった」
「…そう」
「でさ、話が変な方向に進んだから『さっき言ったこと、考えておいてね』
 って言われて別れたんだ。
 その後、TS○TAYA行ってDVD借りて来ました。おわり」
「おわり、じゃないでしょう。DVDは何借りたの?
 そもそもあなた、映画とかアニメとか全く見ないわよね」
「ちょっとじゃなくすごくHな…いや、姉さん。家族とはいえそういうこと
 聞くのはデリカシーなさすぎなんじゃないのかな。
 …というかAV借りてなんで俺がこんなコソコソしなきゃいけないの?おかしくね?」
「…」
「…失礼しました。で借りようとしたらレジの娘がなんと以保子さん!
 姉さんと同級生の以保子さんがバイトしてるとはね。驚いたよ。
 『耕介くんってこういうのがいいんだ。お姉さんが今度してあげよっか』
 とか言われてチョー焦った。後ろに他の客がいたからあまり話しできなかったけどね。
 でもいいなぁ。以保子さんの胸であんなことやこんなこと…ぐへへ」
「………………へぇ」


44 姉を怒らせると? sage 2008/04/20(日) 19:51:19 ID:+ZRNhlyH
「ゴメンゴメン。決して姉さんの胸が小さいとかAAカップとか言ってるわけじゃないから。
 話が逸れたから戻すよ。
 DVD借りて他に用もないから帰ろうとしたら加愛(かさね)ちゃんから電話かかってきてさ」
「…加愛って誰かしら」
「ああ、姉さんには話してなかったね。大学のサークルの後輩。
 これがまた可愛くて可愛くて。ハーフでブロンドのロングでカールって言うの?
 ちょっと毛を巻いてるやつ。すっごい綺麗な髪してんの。
 サークルでも俺にべったりだし、なんでこんな娘が俺に懐いてるかわかんないね!」
「電話だけならたいして時間かからないわよね」
「いや、『今から私の家に来ませんか?今日家族は出かけていて他に誰もいないんです』
 って言われたから、ここで行かないのは男じゃねえな、と思って」
「…そレデ?」
「加愛ちゃんの家行ったら、『おかえりなさい、あ・な・た(はぁと
 ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・し?』
 …もうね。結婚してもいいと思った。むしろ結婚したい。合体したい。
 また話が逸れたな。夕飯ご馳走になったんだ。俺がうまい、今までこんなに
 美味しいメシは食ったことない、毎日食べれたら幸せだ、って言うと
 『朝夕は無理ですけど、明日から昼はお弁当作ってきましょうか?』
 …もうね。最高。いい娘だ。もちろん即OK出しましたよ」
(オネエチャン、コウスケノソダテカタ、マチガエタミタイ)
「だから明日から弁当いらないから」
(イマナンテイッタノカシラ)
「今なンテ言ッたノかシラ」
「だから、明日から姉さんは弁当作らなくていいよって」
(ガマンガマン、イママデニモ、コウイウコトアッタジャナイ)
「…夕飯ご馳走ニナッたダケデ朝帰リスル必要はナイワヨネ」
「加愛ちゃんの家に泊まったんだよ。ってそれしか考えられないでしょ?」


45 姉を怒らせると? sage 2008/04/20(日) 19:51:42 ID:+ZRNhlyH
(アア、コノコウスケハ、ニセモノナノネ)
「オネエチャン、チョットトイレイッテクルワネ」
「あいよ」
(ニセモノノコウスケヲコロスニハナニガイイカシラ)
(ソウイエバデバボウチョウガアッタワネ)
(アレナラニクガサバキヤスイハズ)

「オマタセ」
「って話はもう終わり。一泊して帰ってきました。
 あと加愛ちゃんと突き合う、いや間違えた。付き合うことになったんで。
 そのうち姉さんにも紹介するよ。
 いやー、それにしてもね、俺も大人の階段一歩登っちゃたかなって。
 ね?昨日までの俺とちょっと違って見えない?
 なんというか一皮剥けたというか。ハハハ、他意はないですよ?
 浮かれすぎかなとは自分でも思うけど、いろいろあったからしょうがないよね!」

(ホンモノノ、コウスケハコンナコトイワナイ)
(ニセモノハ、コロサナキャ)

「姉さん?」

(チャントシヌヨウ、ケイドウミャクネラワナイト)

「どうしたの姉さん」

(シンデ)

「…シンデコウスケ!!」


46 姉を怒らせると? sage 2008/04/20(日) 19:52:06 ID:+ZRNhlyH
(アレ…手ゴタエガナイ…)




「残念でした。姉さんが前からおかしいのは分かってたからね、
 いろいろ調べて対策とらせてもらったよ。
 一番役に立ったのは某掲示板の『キモ姉&キモウト小説を書こう!』だな。
 女性関係にうるさい姉or妹はヤバイ、片言でしゃべり出したら気をつけろ、
 包丁で刺すのが奴らの得意技だ等、本当にそのまん」

「シネ!シニナサイ!」

「HAHAHA☆当たらないよ!
 だいたい小学生並の体格の姉さんが包丁ふりまわしても、
 たいして怖くないんだが…」

「ムキーッ シネ! シネ! シネ!」

「そうやって手をぶんぶん振り回して暴れても、頭押さえられたら俺に手届かないでしょ。
 本当に姉さんはかわいいなぁ…」

「キーッ コロス! ゼッタイコロス!」

「涙目の姉さんもいいなぁ…
 俺はその気はないけどロリコンの気持ちが分かった気がするよ。
 よしよし、よくできまちたねー。でももっとがんばりまちょうねー」




「こ、耕介のばか―――っ!!うわぁぁん!!」


「やれやれ。また泣かせちまったな。まったく姉さんの思い込みの激しさにも困ったもんだぜ」


                                    (ほのぼのEND)

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最終更新:2008年04月21日 16:22
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