716 浩戦線異常アリ sage 2008/05/14(水) 00:27:19 ID:Ju8avIxj
「あっ、凛ねえ。今日、敷島さん家に連れて来るから。」
俺、山本浩は自宅に電話を掛けた。
そして委員会が終わり、敷島さんと二人で帰る。
「ここが山本君の家か~大きいね。」
敷島さんの家は大きいが、三分の二は道場だから居住部は小さいのだそうだ。
俺がドアを開けた時、家の中は真っ暗だった。
あれ?確か凛ねえも蘭もいるはずなんだが。
「ただいま~紹介したい人がいるんだ。」
その瞬間、電気スタンドが一斉に付きこちらを照らし出した。
「うわっまぶしっ…何の冗談なんだ!」
その時後ろから敷島さんが入って来た。
「おじゃましま~す」
居間への廊下には、こしひかり陣地が形成されていた。まさか二人共こんな事の為に買いだめしてたのか?
「これが俺の
姉さんと妹。こんなんだけど仲良くしてやってくれ。」
俺はそう言った後二人に向かって片づけるように言おうとした。
「廊下に米袋積んで何して…」
「帰って!そして家の浩(浩兄)に近づかないで!!!!!!」
二人は完璧に合わせていた。
717 浩戦線異常アリ sage 2008/05/14(水) 01:03:23 ID:Ju8avIxj
二人は米軍制式アサルトライフルM-16A1を構えている。
市販品の三倍の出力を誇る、凛カスタムは5m離れたアルミ缶を貫通させる程の威力だ。
慌てて俺は二人を止める。
「二人共!エアガンを人に向けたら危ないだろ!」
蘭が笑顔でこう言った。
「浩兄、射線上に立たないで、誤射しちゃうから。」
凛ねえもやはり笑顔でこう言った。
「アイツは敵であって人の区分には入らないわ。」
ダメだ!こうなったら敷島さんを逃がさなきゃ!
「敷島さん!走ってここか…」
「お二人はいい加減浩君離れをするべきかと。」
って、何、火に油注いでるんですかアナタは!
「お姉ちゃん、こいつフルオート射撃で蜂の巣にしてみたくなっちゃった。」
「奇遇ね、私もそう思ったわ、でも今はダメ。浩も巻き添えになる。」
敷島さんは通学鞄を投げつけた。
二人が鞄に気を取られている隙に二人で逃げた。
彼女の道場まで後少しと言った時、突然彼女が倒れた。
敷島さんは死んだ。
後頭部に三つの穴が空いていた。
多分、凛カスタムの狙撃銃で撃たれたに違いなかった。
俺は初恋の人を失ったのだ。
新聞によると、亜鉛の弾だったらしい。
二人を守る為、家の事は何も喋らなかった。
718 浩戦線異常アリ sage 2008/05/14(水) 01:17:06 ID:Ju8avIxj
敷島さんと俺は一躍時の人となった。
俺は少年Hとして憶測飛び交う中暮らして来た。
その時支えになってくれたのはやはり二人だった。
結局、事件は近くの銃器マニアの仕業と言う事になった。
本人が名乗り出たのと、奴の愛用していた猟銃の弾が決め手となった。
だが、何か上手いこといってるような?
彼女の死から一年が経ったその日、俺達三人はついに肉体関係を結んでしまった。
罪の意識はもう、無かった。
完
最終更新:2008年05月18日 18:47