938 現実→理想の姉のいる日常 sage 2008/06/25(水) 19:37:58 ID:XBW3mZx5
ここに一人の男が居た。男はある掲示板に“何で俺には姉が居なかったんだ”と書き込み続けた。
そして、5度目のセリフを終え、“じゃ、俺寝るわノシ”と書き込み、男はPCの電源を切った。
その晩…男は不意に目が覚めた。すると…窓枠の上に、黒髪に白い肌の女の子が立っていた。
「お前だれよ?女子高生部屋に招いた記憶は…」男は最後まで言えなかった。
「汝の欲する者、与えよう…」神々しい氣を放っている少女はこう言って光と化した。
次に男が目覚めた時、男は高校生になっていた。そして二つの記憶を持っていた。
「朝だよ、起きて。」下から声が聞こえて来たが、若かった。
「お袋の声…にしては若すぎるな。ウッ…」頭痛と共にもう一つの記憶が浮かび上がった。
名氏亜音(あね)…名氏浩志の姉。一歳年上。家事をこなし、出張中の母の代わりに家を任される。
「
姉さん、おはよう。今日の弁当のおかずは何?」記憶通りに振る舞う男…浩志。
「豚のショウガ焼きとミートボールよ。あと、麦茶入れておいたから。」
…高校2年6組での授業が終わり、昼休み。屋上に出た浩志。早速弁当を見た。
丁寧に“ヒロ君大好き”と海苔で描かれたご飯が現れた。
939 現実→理想の姉の居る日常 sage 2008/06/25(水) 19:53:47 ID:XBW3mZx5
浩志はミートボールに箸を付けた。血の香りがしたような気がしたがここの記憶が“普通”と認識していた為、食べた。
そして、妙な味の麦茶を飲んだ気がした。
浩志にとっては懐かしい級友達と久々に授業を受けた。
浩志は何も考えず、初恋の人だった委員長を口説いてみた。
結果は大成功だった。もし、このスレの内容が頭の片隅にでも残っていたらこんな事はしなかっただろう。
その後帰宅し亜音の居る世界を満喫した、浩志。
しかし、あの頃出来なかったバラ色学園生活は二週間で幕を閉じた。
そう、委員長が何者かに殺されたのだ。
このスレの事を思い出した浩志は亜音を問いただす事にした。
出されたココアを飲んだ浩志が最後に見たのは狂喜の色に染まった亜音の顔だった。
完
最終更新:2008年06月29日 21:43