貴方専用の等価交換

150 貴方専用の等価交換(1/5) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/04/02(木) 23:55:52 ID:UiOTtFBm

「あ~、腹減ったあぁぁぁぁ……」
 4畳半のアパートの一室に、空腹で1人転がる俺がいた。
「困った……、マジで金がない」
 俺は貧乏学生をやっている、一人暮らしのしがない男子学生だ。
 実家から2県ほど離れた、2流大学に通うためのアパート暮らし。
 他の家族は、実家に両親と妹が、隣県に会社員の姉が寮を借りて暮らしている。

「親父たちに、仕送りの前借りは……無理だろうなあ」
 最近親父の会社でも、今流行の不況による活動自粛が続いていると聞いた。
 結果、給料もギリギリらしく、毎月ローン返済でカツカツだと言っていた。
 金を貸してくれ、なんて頼んだ日にゃあ、まず間違いなく殴られるだろうな。

「あーもう、なーんで、あんなCD1枚にあそこまで高値がつくかなあ」
 自分で購入しといてなんだが、3日前の競売について、1人愚痴ってみる。
 欲しかった絶版のCDをネトオクで落札したら、かなりの高額になったのだ。
 最後まで競り合ってきたヤツのせいで、落札価格が初期価格の5倍に膨れ上がった。
 それがいくらかって? 俺の生活費が、残り3,000円になるくらいだよ、チクショー。

 ああ、このままじゃホントに死ぬ。バイトの給料日は半月後だ。
 なのに明後日は光熱費の支払いがある。それよりなにより腹減った。
 なんてひたすら嘆くしかなかった俺に、救世主が姿を現した。

「やっほう、マイブラザー! 元気に……してそうじゃないけど、どしたん?」
 このテンションが高いのは、俺の姉貴。ウチの近所の社員寮で生活している。
 どうでもいいけど、今年で2○歳なんだから、少しは落ち着けよな。
「ほっほう、なにやら失礼なことを考えているようだね。放置して帰ろっか?」
「い、いえいえ滅相もありません。御姉様は相変わらず麗しゅう御座いますわね」
 自分でも何言っているのかサッパリだが、この希望の星を逃してたまるもんか。


「――ほうほう。つまりアンタは、そのCD1枚のために、現在死の淵に立っている、と」
「そこまで非道い状況――ですね、ハイ。つーかマジに腹減りました」
 一通り状況説明を終えての姉の反応。やっぱ小馬鹿にされている。ダチとおんなじ反応だ。

「んで、もしかしてアンタは、アタシになんらかの期待をしているのではないのかい?」
「ああそうだよ。とりあえず……スモークチーズはあるかい?」
「あるよ」 ゴソゴソ、ズィッ
「にょろ~……ホントに持ってたああああああぁぁぁぁぁぁ!
 てゆーかでけぇ! 姉貴ィ、有難く頂戴しますぅ!」
 冗談で言ったんだけど、マジであるんなら助かった。実は3日ぶりの食事なんだ。

「あはは、ホントに食ってる。うまいか? なんてね」
「なんとでも、ゲフッ、言ってくれ。本当に死を覚悟してたんだからな」
「ホント、しょうがないわね、アンタってヤツは。昔から考えなしなんだから」
 悪かったな。いま通っている大学だって、微妙についてけてないっつーの。

「ふふ、かわいいヤツだねアンタは。ようしわかった。
 アンタの姉ちゃんが、そんな不肖の弟に、少しばかりお金を工面したげようじゃないか」
「な、なんだってーーーーーーーー!?」
 素直に驚いた。こと金銭に関してはお堅い姉貴が、俺に融資してくれるだと?
 何か裏がある……? まさか俺に、恐ろしい任務を課そうとしているのか?

「なんか失礼なこと考えてるわね。別に見返りは求めてるけどさ」
 求めてやがるのかい。
「大したことはないよ。ちゃんと金額に見合った内容、等価交換だってば」
「等価交換、ねぇ……」
 なんにせよ助かった。多分借りる金額は、すぐに返せる額じゃないしな。


151 貴方専用の等価交換(2/5) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/04/02(木) 23:58:47 ID:UiOTtFBm

「――というわけで、諸々合わせて125,000円だな。大丈夫か? 無理なら別に」
「ふふん、甘いわねマイブラザー。社会人の貯金、なめんなよ。
 ……ホントのところはさ、アタシも買いたかったものがあったのさ……。
 でもね、目の前で他の人に買われてしまって、買えなかったのよ」

 そうだったのか。だったら、さっきの買い物話は結構無神経だったのかも。
「だから、憂さ晴らしも兼ねて、浮いた金でアンタと遊ぼうと思ってたんだよね。
 でもちょうど良かった。金欠のアンタを助けることができそうだしね」
「そっかあ……、でもサンキュ、姉貴。おかげで助かった。
 今月はこれで暮らしていける。やっぱ持つべきは優しい姉貴だよな」
「あぅ……あ、ありが、と……」
 おおう、姉貴が照れてる。久しぶりに、顔が赤くなってるのを見たぞ。
 なんというか、素の顔が可愛いから、見てるこっちが照れるぜ。

「あー、そんでさ姉貴。例の等価交換って、なんなんだ?
 ホントに感謝してるからさ、少しくらいならムチャ言ってくれていいよ」
 俺がそう言うと、なにやら姉貴は真剣な眼をして、俺を見つめてきた。
 な、何が始まるというんだ? いったい何をすればいいんだ俺は?
「にひひ、別に怯えなくてもいいよん、マイブラザー。
 だから、ぜ~ったいに、抵抗しないでね?」

 そう言って、姉貴は俺の正面に立った。女の子独特の甘い香り。そして――

 次の瞬間、俺は姉貴に、キスされていた。
 当然の如く唇同士。姉貴の白い肌、長めの睫毛、さらさらの黒髪の感触が――

「―――――!??!!? んななな何してんだよアネキぃぃぃぃぃ!!??」
 やばいと思って、抱きついてくる姉貴をむりやりひっぺがした。
 唇が離れる直前、わずかだが舌の入ってきた感触があった。
 あれはそのままだと、ディープキス、だった?
 それより、目の前で乱れた髪を整える姉貴が、やたら妖しく見える。
 さっきのキスで糸を引いた唾液を、可愛らしい舌で舐めとり――

「う、うわ……なんか、スッゲーやらしいよ姉貴ぃ……」
 って、おちつけ俺! 姉貴に欲情してる場合かっ!
「にへへぇ、弟のクチビル、奪っちゃった。美味しかったよ」
「そうじゃなくて! なんであんなコトしやがっt」
 言い終わる前に、姉貴は俺の唇を、人差し指で押さえて、言った。
「等価交換、って言ったじゃないの、マイブラザー。
 ホントならあの流れで、アンタとエッチするつもりだったんだよ?」
 悪びれた様子もなく言い放つ姉貴。等価交換って、これじゃあ――

「そんなの……金で性を買っているようなもんじゃないか!
 なんでだよ!? なんでそんなこと言うんだよ!?
 姉貴……いったい姉貴に、何があったんだよ?
 悩みでもあるなら、俺も聞くから、言ってくれよ!?」

 ホントにどうしたんだ姉貴は? いつもの快活なくせに照れ屋な姉貴じゃない?
「ま、まさか会社とかで、上司や同僚から苛められているから、暴走したのか?
 それとも、ナンパしてきたオトコにこっぴどくヤリ捨てられて、自暴自棄とかか?」

「失礼ね弟。なんでこのアタシが、あんな俗物にイジメられなきゃならんのよ?
 なんでこのアタシが、アンタ以外の男なんぞに、貞操を許さにゃならんのよ?
 ていうか、やっぱり気づいてなかったのねアンタ。ほんとニブチン。
 雰囲気壊れるからヤだったけど、仕方ないから、今ここで言うわ。
 ――アタシは、姉ちゃんは、アンタのことを愛しているのよ、弟」


152 貴方専用の等価交換(3/5) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/04/03(金) 00:02:37 ID:kqSmnS5M

「――――――はい? 何を」
「にひひ、不本意だけど、告白終わり。さあ弟、等価交換の時間だよ。
 さっさとアンタの童貞を渡しなさい。アタシも処女をあげるんだから」
 姉貴が何を言っているのかわからない。ワカラナイ。俺が、スキ?

「姉貴……あのさ」
「言い訳は結構だっての。等価交換だって、ずっと言ってるのに。
 それから確認を一つ。お金を払うのはアタシだっての、忘れないで。
 つまりアンタを、アタシが買ったのよ。コレに文句は言わせない」

 姉貴がわからない。なんでこんなマネをする?
「あら弟、アンタまさか、アタシがいつもこんな破廉恥なマネしてると思ってる?
 違うわよ、アンタだからこうしたの。アンタ以外には、するわけがない。
 よく聞きなさい。アタシはアンタ専用なの。アンタはアタシ専用なの。
 だから、おとなしくアタシとエッチしなさい。どぅーゆーあんだすたん?」

 そう言って、今度は片腕を使い、俺の両腕を器用に封じ込める姉貴。
 同時に残った片腕で、俺のズボンとトランクスに手をかけ、力を込める。

 マズい。このままだと、確実に姉貴に喰われる
 そんなとき、俺にまた、救いの天使が現れた――


「久しぶ――2人とも、なにやってんのさ。鍵も掛けずに」
「あ、い、妹か……! 助けてくれ!」
「あーもー、来ちゃったのかいもーとー。残念だわー」

 俺たちの可愛い妹が、実家からわざわざ遊びに来てくれた。
 よかった。なんでかわからないけど、コレで姉貴に勝てる!
「とりあえず話を聞くから、2人とも落ち着いて座んなよ、正座で」


「兄貴が悪い。等価交換は絶対にして真理でしょうが。従えなきゃ死ね」
 説明を終えた直後に、妹から放たれた言葉は、辛辣の一言に尽きた。
 なんで!? 俺いま、姉貴に性的に喰われかけたって、言ったよね?

「やっぱりいもーともそう思うよね! 融資の代わりになんか差し出ないと、ダメだって」
 よっしゃ味方が増えた、と言わんばかりに捲くし立てる姉貴。
「その通りだね。あたしも賛成だ。だから兄貴、助かりたければ、あたしに等価を差し出せ」
 ひでぇ。この件に関しては、妹は俺の味方をしてくれないのか……。
 というかヤな予感がする。姉貴のときと同じだ。次のセリフが予想できるんだゼ。

「姉貴から助けて欲しければ、かわりに兄貴のドウテイ、あたしにちょうだい。
 異論は認めない。イヤなら姉貴に性的に喰われるんだね。わりとマジで」

 うわ、マジで言いやがったコイツ! この世には神も仏もいないのか……!
「どっちm「「どっちもイヤだなんて、認めないよ」」……なんでもない」
 逃げようがない。このままじゃ、どっちかとセックス――近親相姦ですかぁ?


153 貴方専用の等価交換(4/5) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/04/03(金) 00:10:11 ID:kqSmnS5M

「というかラチがあかないから、妹、アンタ手伝いなさい。等価は何がいい?」
「あたしは……うん、あたしは兄貴のドウテイ……テイソウがもらえたらいいや」
「オーケー。2人で愛しのマイブラザーを、男にしてやりますか」
「交渉成立。兄貴、ご愁傷さま。あたしもあんた専用ってことで。
 ……ああ、順番間違ってた。あたしも、兄貴を愛しているから」
 あれ? 俺の意思をムシして、姉妹包囲網が完成しやがった……?
 まずい、逃げ――あ、足が痺れて、うまく動かせねぇ……!?

「正座させて説教して正解だった。では、いただきます」
「持つべきは頭の良いいもーとだ。では、いただきます」

 ただでさえ狭い室内、痺れた足で逃げる俺を、両端から鷲掴みにした姉妹。
 まるで最初から示し合わせたかのように、手早く俺の衣服が剥ぎ取られる。
「や、やめろ、やめるんだマイシスターズうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?」


 近所迷惑を顧みず、必死に叫ぶ俺。
 けれどすっかり失念していた。最近は世間ってヤツもとっても無常だ。
 たとえば昨日の話だが、大声で野球中継を応援しても、誰も苦情を言ってこなかった。
 だから、今回の騒ぎでも、誰も助けに来てくれないだろうなぁ……。

「なにを黄昏ているか知らんけど、降参してくれたのかな?」
「だったら遠慮はしない。いただきます、兄貴」
 アカン、まじでどうしようもない。
 すでに俺の身体は一糸纏わぬ、全裸の状態にされている。
 そして姉貴と妹が交代で、自分の服を脱いでいる。

 姉貴の身体は、大きな胸と細い腰、そして形の良い尻という、すばらしいバディ。
 妹の身体は、小ぶりながら形の良いバストと、程よい肉付きの、スレンダーなバディ。
 そして2人とも、きめ細かな白い肌と、万人受けする均衡の取れた端正な顔。
 俺は……ダチに言われたんだが、とりあえず理想的な筋肉のついた身体らしい。

 さて、そんな男女3人が、アパートの部屋という密室に詰め込まれている。
 エロゲやエロ本なら、この先の展開はただ1つ。くんずほぐれつだ。
 だがしかし、俺達は血の繋がった、きょうだいなんだ。
 実は養子だったという隠し設定がない限りは、そのはずだ。

「ああ、愛しの弟のペニス……おいしそうだ」
「ああ、兄貴の身体、もう我慢できないよ」
「ああ、俺の葛藤とか、無視なのねオマエら」
 ああもう頼むから勃起したペニスを2人で握んな。舐めんな。
 2人してそんな淫らな顔をしてくるな。うわマジで出る。

 うあああ……、ついに射精させられてしまった。
「「うふふ、いいよね? じゃあいただきます♪」」
 こうして俺の視界は、2人の淫乱美人の身体で埋め尽くされてしまった。


154 貴方専用の等価交換(5/5) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/04/03(金) 00:13:04 ID:kqSmnS5M

――そして、数時間後。

「あは。痛かったけど、キモチよかった……弟の身体はサイコーね♪」
「そだね。あたしも今日ここに来て、ホントによかったと思ってる♪」
「しくしくしくしくしくしくしくしくしく…………」

 結局俺は、この2人に童貞を捧げましたとさ。
 まあ、この2人も揃って処女だったりしたので、なんだか複雑な気分だ。
 俺達みんな初めてで、揃って大人になりました、とか……。
 いくらなんでも、虚しすぎるだろJK。

「♪ああ、汚れぇちまったぁ、二十歳の悲しみにぃ……」
「兄貴……なんか変な歌だな。いろいろ歌詞が混じってないか?」
「あはは、ショック受けてるー。やっぱカワイーわ、マイブラザー」
 おのれコイツラ。近親相姦にちっとも禁忌とか恐怖心とか持ってねえよな。

「ああもう。だいたいさぁ妹、オマエは何しにココに来たんだよ?」
 コイツが来なければ、たぶん姉貴だけなら、なんとか逃げられただろうに。
「え? ああ、あたしはちょいと、兄貴が落札したCDを直接持って来ただけ」

「おい、ちょっと待て。あのCDの出品者、オマエだったのか!?」
「うん。あのCDは、兄貴がここに越してから、あたしが中古屋で見つけたヤツ。
 兄貴の音楽の趣味、あまり知らなかったから、いらないと思って出品してさ。
 入金確認後に住所見たら、兄貴んとこだったんで、遊ぶついでに持ってきた」

 え~何ソレ? 最初っから、妹に相談しとけば、あんなひもじい思いは――
「あ~弟妹よ。それの競売ん時に弟と競ってたもう片方のヤツ、多分アタシだ」
「おい、ちょっと待て。あの競り合いとバカ高い落札価格、姉貴のせいか!?」

「いや~あのCDをさ、アタシが買って、弟にプレゼントするつもりだったのさ。
 まさか、あの競争相手が弟だったとは――世間は狭いね~、あっはっはっ」
 ツッコむ俺に向けて、あっけらかんと言い放つ姉貴。ええい笑うな。

 え~と? 俺は競売で妹からCD買って、金払って……姉貴は買いそびれて……。
 そんで、金を使わなかった姉貴が来て、金のない俺は、姉貴に金を無心して……。

「つまり、俺が最初から妹に相談して、そのCDを直接もらってたら、
 2人が俺んとこに来ることも、俺が逆レイプされることなかったのかよ……」
 なんちゅうおバカな『きょうだいプレー』だ。もうツッコむ気力もねぇよ。


「まあ、不幸な事故だったわけだ。あたしには幸運だったけど。
 兄貴、CDはあげる。後で入金してくれた金も返す。んで――」
「弟、さっきの125,000円、せっかくだしアンタに譲ってあげる。
 なんだかんだで楽しかったし、お小遣いにしたる。んで――」
 ははは、ここまで来たらバカでも解る。姉貴と妹が、俺にナニを望んでやがるのか。

「さあ兄貴、次の等価交換な。オヤジにばらされたくなかったら、あたしらと一生付き合って」
「さあ弟、次の等価交換ね。オフクロにばらされたくなかったら、アタシらと一生付き合って」


――ああそうか。この世には神も仏も天使もなく、平等を騙る悪魔しかいなかったんだなぁ……


                                       ― What do you trade with? ―

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最終更新:2009年04月05日 21:21
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