対猫護衛官はるな

11 : 対猫護衛官はるな 2008/04/10(木) 04:18:22 ID:/IekOTLU

●●●大和の航海日記(ただの日記)●●●
八月十日。春ねえが帰って来た。
0930 ドアが開き姉は俺に飛び掛かって来た。後ろに倒れてしまった。
1145姉に擦り寄られている時に、携帯が鳴る。灘汐さんからだ。
姉の目付きが変わった!「…ぼう猫がっ!」なんて言ってる。ぼう猫ってなんだ?
1200親父達が帰って来る。
俺は昼食を取った後、富美香に会いに行った。
姉が“護衛官”として着いて来た!何かハンドバックから金属音が聞こえて来るのは何故?

13 : 対猫護衛官はるな 2008/04/14(月) 18:26:07 ID:7cw3Q3OE



「大和く~ん、お姉ちゃんを置いて行かないでよ~。」
「久々に帰って来たんだから、親父達と話しゃ良いだろ!」
灘汐富美香、俺のクラスの委員長だ。最近、何故か買い物に付き合わされる。
俺は“いつもの場所”こと高嶋屋前に向かう。最大戦速で。
春ねえはまるで空対空ミサイルの様に追って来る。チャフとかフレアとかが効く分、まだミサイルの方がマシだ。
気づいたらもう、高嶋屋のビルが見えている。
後ろを確認する・・・・・DDG177のキャップが見える。拿捕されてしまったようだ。
八時の方向一メートルに姉はいた。
白いワンピースを着た富美香に会った。
「その人は誰?秋ヶ瀬君」



14 : 対猫護衛官はるな 2008/04/14(月) 18:48:57 ID:7cw3Q3OE

あれから三時間。姉は富美香の服選びに協力している様だ。
ただ、俺が気になるのは、「…つぎに入れる服は決まった?」とか何とか、最初の文字が聞き取れないのだ。
何故か仲良さそげに見えるが、隙あらば刺す、といった感じだ。
「大和~お姉ちゃん、疲れちゃったな~家にかえろ~」
そりゃ帰省してぶっ通しでそのテンションならな。
「春ねえ、富美香送ってくから先に帰っててくれ。」
「私は良いよ、秋ヶ瀬君、春菜姉さんも今日はどうもありがとうございました。」
俺達が帰った時、既に五時を回っていた。


15 : 対猫護衛官はるな 2008/04/14(月) 19:17:25 ID:7cw3Q3OE

姉は海自初の女性護衛艦勤務者だった。
TVでも取り上げられた事がある。男女均等雇用時代の始まりとか何とか言っていた。
その内女性艦長が出てくるかも知れない。二代目女性首相のおかげだ。
姉は食卓で艦の話をしている。
普通の家庭なら、「あなたは家でも水兵さん、いい加減にしてっ!」となりそうだが、家は軍オタ夫婦+軍オタの編成だから、普通の事として受け入れられている。
「聞いてるの!大和!春菜がまた昇進するのよ!」母さんもこれだ。
「オレがはるしおに乗ってた時にな…」親父もこんなんだ。
そんな感じで夕食が終わり、入浴を終え、布団に入った。
そう、部屋の隅にあった段ボールに気づかずに…

17 : 対猫護衛官はるな 2008/04/15(火) 00:42:46 ID:P8sJ3Naw

大和就寝から30分後。
大和の執務室(部屋)の段ボール箱が浮き上がり、足が生えた。
息を殺し、大和のベットに潜り込む人影…春菜だ。
春菜は大和のベットに潜入したのだ!某スネー●並に!
翌朝、当然彼は驚く事になる。
なにせ、起きたら真横に下着のみの姉が張り付いているのだから・・・・・
「ちょっww春ねえ何してんですか?アンタは~!」
「あっ大和おふぁよ~もう少し寝かせて~」
「おふぁよ~じゃない!!何で春ねえがここに居るんだ!!」
「昨日帰って来たじゃない。」
「じゃない!何で俺のベットにそんな格好で寝てるんだ!!」
「大和くんが大好きだからじゃダメ?」
「答えになってねえよ!」
以下30分間位続く。  


18 : 対猫護衛官はるな 2008/04/15(火) 00:53:42 ID:P8sJ3Naw

朝のやり取りが終わった頃、親父がランニングから帰って来て朝食となる。
親父達二人は、自衛隊時代からの習慣を引きずっている。
月・火・金は親父が作り、水・木・土は母さんが、日曜日は俺が朝飯を作る。
非番の日はランニングや筋トレをやっている。
もうすぐ五十なのに二人ともまだ若々しい。
俺は朝食を喰いながら、朝の事を思い出していた。


19 : 対猫護衛官はるな 2008/04/15(火) 06:50:49 ID:P8sJ3Naw

俺の携帯が、軍曹ソングを奏でながら震えた。
電話の相手は友人の不破靖(ふわやすし)だった。
「ヤスか、どうした?」
「大和、新しく出来た図書館行こうぜ。」
ヤスは生徒会長をやっている眼鏡君で、俺とは小学校からの付き合いだ。
俺は電話を切ると、母さんに一言「ヤスの付き合いで行ってくるわ。」と言うと、家を出た。
俺は、海兵隊ズボンとチョッキを着て、集合場所の公園に向かった。
後ろから監視している奴の事なんて、この時の俺は全く想定していなかった…。


20 : 対猫護衛官はるな 2008/04/15(火) 19:55:35 ID:P8sJ3Naw


「ホーチーミンイズサノブァビッチ!」俺は軍曹ソングを口ずさみつつ、“第二公園”に到着した。
Yシャツとスラックスのヤスが居た。
「おはよ、んじゃ行くか。」
ヤスに付いて行く。前方に、三億円のハコモノが見えた。
館内は真新しく、独特の匂いがする。
俺は歴史書コーナーに行き、ヤスは医学書コーナーに行った。
”特攻兵器 ~いかに彼らは散ったか~”を手に取る。
人間魚雷回天、特攻艇震洋、特別攻撃機桜花・梅花・橘花などについて書かれている。
その時、二つ向こうの棚の隙間から視線を感じた。
俺は学習室の方へ向かう。
途中で、視線を感じた建築コーナーを確認したが、誰も居ない。
似たような事が四回起こった。
「なあ、ヤス。なんか視線をやけに感じるんだが?」
「多分、お前に惚れてる女がいんだぜ、きっと。」
「まさかな。ありえ…」有り得る!姉貴だ!奴ならやる!
アイツ何故か近接戦闘スキル持ってるからな!
そうして、視線を感じた新図書館探索は終わった。
もう昼だ。ファミレスにでも入るか。
ヤスは帰った。仕方無いので一人で入る事にした。 
「二名様ですね。お席の方にご案内…」二人?何で?
振り返ると・・・姉が居た。


21 : 対猫護衛官はるな 2008/04/15(火) 21:20:27 ID:P8sJ3Naw

「何で春ねえがここに居るのさ。」いくら家とここが近いと言っても、滅多に鉢合わせ無い。
繁華街は西だし、デパートは駅前にある。
ここは田畑と住宅地が2:5の割合で広がっており、県道が通っているだけの土地だ。
妙齢の女性がわざわざ来る様な場所では無い。
この辺は二年前に出来たばかりの区域だ。知り合いが居るとも思えない。
「偶然だよぅ!大和がお店の前で寂しそうに悩んでたから一緒に入ってあげたのに~」
クロだ。三秒程しか考えて無かったのに、すぐ駆けつけると言う事は、つまり
“俺を監視”していたと言う事になる。
とりあえず、ドリアを頼む。姉はベーコンピザを頼んでいる。
30分後、店を出た。もちろん割り勘で。
「春ねえ、俺は帰る。買い物あるんなら繁華街の方が安いぞ。」俺はそう言って、自宅への緩やかな坂道を下っていった。
姉貴の笑みが一瞬変わった様な……?    


22 : 対猫護衛官はるな 2008/04/16(水) 03:45:28 ID:Ux+g0pBQ

姉は材料数点と薬局の袋、黒い紙袋を買って帰ってきた。
今晩のご飯は姉特製焼き魚・味噌汁だ。
俺は一気に味噌汁を飲み干し、焼き魚を食い、白米を喰う。
30分後、両親は寝室へと消えていった。そして最初の異変が起こった。
やけに身体が熱くなって来た。こんな感覚は久々だ。中二の時ある女子をオカズに“した”時以来だ。
40分が経った時、股間がギンギンに勃っていた。姉は満面の笑みで、こちらを窺っている。
「息荒いけど大丈夫?お姉ちゃんお風呂に入るね~」チラチラ俺の魚雷を見つつ風呂場に消えて行く姉。
俺はごみ箱を調べてみた。中からスリープと書かれた袋と紙製の薄い桃色の個包を発見した。
まさか、媚薬と睡眠薬が混入されていたとは!俺は速攻で自室に戻り鍵を締め、悶々として寝た。
姉の帰艦まで後二日
翌朝、俺はいつも通りに朝食を取った・・・・・ハズだった。

23 : 対猫護衛官はるな 2008/04/21(月) 18:20:23 ID:Nv94Hi+I

「大和、気が付いた?ここはどーこだ?」
姉貴の声が聞こえて来た。
…くっそ、最低の目覚めだ。
どうやら俺はイスか何かにくくり付けられているようだ。
「姉貴、これは何の冗談なんだ?いい加減にしろよ!」
俺が怒ったら、呼び方が自然に変わる。
額に金属が当たる。半年前のニュースを不意に思い出した。
“護衛艦搭載小火器二点紛失”
まさか犯人が姉だったとは!
「…もう、あの泥棒猫には逢わせないんだから。」
姉貴は狂ってしまったのだろうか?だとすれば、下手に刺激を与える訳にはいかない。
…下手したら、頭がザクロになる。
しばらく時間が過ぎた。目隠しをされているので、他の四感が頼りだ。
手は何かに濡れている。冷たい。そして下半身の風通しがよい気がする。
香水か何かの甘い?臭いがする。
先程から、工事の音らしき物が聞こえて来る。
俺は今、どうなっているんだろうか?   


24 : 対猫護衛官はるな 2008/04/21(月) 18:41:33 ID:Nv94Hi+I

数時間?ぶりに光を与えられた目は一瞬白み、俺に視覚を与えてくれた。
そこは、横須賀のアパートの、居間だった。…なぜ、ココに居る?
「大和。今日からはココがあなたの家よ。お姉ちゃんとずっと一緒だよ。」
真後ろから姉貴の声が聞こえる。それも全裸で。
普段なら性的興奮を覚えるのだろうが、今の状況では嫌悪と気味悪さしか感じない。
その時、ラジオニュースが流れてきた。
“…市で殺人事件がありました。被害者は灘汐富美香さん16歳で何者かに拳銃で射殺…”
は?今何て?しゃさつ?
俺は呆然とした。
「もう、泥棒猫は退治しちゃった。大和、お姉ちゃんの事、好き?」
姉貴は笑顔でそう言った。



25 : 対猫護衛官はるな 2008/04/21(月) 18:51:56 ID:Nv94Hi+I

あの時から15年が経った。
俺は今日も姉と交わり続けている。
あの後、姉に無理矢理抱かれている内に、肉の味を覚え、姉無しでは生きられ無い様にされてしまったのだ。
それからと言う物、拘束具無しでの自由行動が許可された。
ラジオから灘汐の事件の時効を伝えるニュースが流れてきた。
俺は今、本当に幸せなんだろうか……… 
     完

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最終更新:2009年04月05日 21:29
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