掘るのはアウトな

311 掘るのはアウトな (1/4) ◆Hx2CWeG5HI sage 2009/06/03(水) 19:20:39 ID:MGxSOqGL
兄サイド―――

兄サイドって書かれるのは初めてだな。
メインの登場人物の中で○○サイドって書かれたのは一番最後じゃないか。登場したのは一番最初なのに。
そんなメタネタはともかく。
休日はいいねぇ休日は。
人間が生み出した文化の極みだよ。
つい先日まで休みっぱなしだった気がするが、やっぱり休みはいい。
何も考えずに怠惰の極みを目指せるのがいい。
ベットの上でぐてーっと伸びる。ああ、気持ちいい。生きてるって素晴らしい。
このまま人生終わってもいい。
だが、俺の平穏は闖入者によって木っ端微塵に破壊される。
「おにーーーーちゃあああああああああああん!!!遊んでええええええええええええ!!!」
扉を蹴破り、俺の腹にヘッドダイビングをぶちかまされる。
ぐえぇっと自分の口から出たとは思えないやたら低い音が部屋に響く。
「ねえええぇえ!!!お兄ちゃん遊んでよおお!!!かまってええええ!!!」
わかった、わかったからどいてくれ…
じゃないと俺は死ぬ。
「うん?もう、お兄ちゃんは柔ね…」
柔っていうかお前の攻撃が強力すぎるんだよ。また扉も壊しやがって…
今度お前にヘッドダイビングしてやろうか。
「そんなことしたらお兄ちゃんの貞操が散っちゃうよ」
…お前の場合冗談に聞こえないから怖いな。
で、遊ぶって何するんだ。
「うーん…じゃあゲームしよ!スマブラしよ!!」
スマブラ、か。別に構わんが二人だと少し寂しくないか?
「それもそうねぇ…じゃあそれは今度友達よんだときにしよっか」
お前、友達いたのか!?お兄ちゃん初耳だぞ!
まさかお前のような変態に友達がいるなんて…そいつもきっと変態に違いない!
「お兄ちゃん、友達の悪口は言うものじゃないよ」
む、そうだな。失言だったな。すまん…
「まあ、お兄ちゃんの想像はかねがね外れてないからいいけど…」
…変態なのか。
「まあ、それはさておき…じゃあこれしよ!」
ほう、ACE3か。

ACE3――知らない人のために一行で説明。スパロボがアクションになったようなゲーム。ちなみにタイトルの正式名称が長い。

お前これできるのか?少なくとも普通の女の子がやるようなゲームじゃないぞ。
「お兄ちゃんは私をそんじょそこらの女の子と一緒だと思うの?」
…愚問だったな。
じゃあ早速やるか。

313 掘るのはアウトな (2/4) ◆Hx2CWeG5HI sage 2009/06/03(水) 19:21:03 ID:MGxSOqGL
クソッ!このままじゃ拙い!
俺が操る漆黒の機体、ブラックサレナは妹が操作するネタキャラのはずのゴッドガンダムに苦戦を強いられていた。
俺の機体は速度と装甲の厚さがウリだ。
しかし妹は俺の突進や牽制のハンドカノンを全て鼻歌交じりに避け、すれ違いざまにバルカンを当て確実に削ってくる
どうする…?
というか…
「バアァァァアァルカン!!!バアァァァアアアアアアアァルカン!!!バアアアアアアアアアアアアアアァァァアァルッカァァァァン!!!」
うるせええええええええええええええええええええ!!!少し自重しやがれこの馬鹿が!!!!
「Gを使うときは熱く叫ぶのが礼儀でしょ!!?バアァァァアアアアアァルカァアアアアアアアアアン!!」
ぐうう、もう耐久三割切るか!?
クソッ!強制パージ!!!
耐久値が三割を切った瞬間、俺の機体ブラックサレナは漆黒の装甲全てを脱ぎ捨てピンクの素体が露になる。
「よっしゃあ!お兄ちゃんを脱がせたぜ!!」
お前が言うとどうしてか卑猥に聞こえるな。
「ぬふふふふ…漆黒の鎧を脱ぎ捨てるとピンクの素肌が露になる…まさにお兄ちゃんのおちんちんみたい!!!」
貴様あああああああああああああ!!!ブラックサレナをそんなものに例えるなあああああああああああ!!!万死に値するぞ糞があああああ!!
「なによもう、そんなにむきになっちゃって…別にお兄ちゃん包茎とか言ってるわけじゃないでしょ」
うるせええええええええええええ!!!包茎ちゃうわ、仮性じゃぼけがああああああああああ!!!
「まあどっちでもいいけど。ふふふ、トドメは盛大にしてあげるわ!!!」
言うや否やムービーが始まる。
「俺の右手が真っ赤に燃えるぅ!!!兄を潰せと轟き叫ぶうぅうぅぅぁあああああああああああああ!!!」
ま、まさか…
「ひいっさああああああああああつ!!!ばあああああああああああくねつ…」
まずい!!ぼーっとしてたら操作が遅れた!!!
「ゴォッドオオオッ!!!フィンガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
妹よ、強くなったな…
兄、暁に死す…


「もう、お兄ちゃん弱すぎ!!なんでゴッドフィンガー当たるの!?普通当たらないよ!!!」
うん、今思えば何で当たったんだろうな。普通に技名叫び終えた後でも避けられたよね。
「このゲームはここまで!次はこれよ!!!」
次は…エスコンか。しかもPSPのか。

エスコン――知らない人のために一行で説明。戦闘機を操作するリアリティ溢れるフライトシューティング。

しかしこれまた普通の女の子がしないようなゲームをチョイスしたな…
「しょうがないでしょ。作者こんなのしか持ってないんだから」
メタなこと言うな…って冒頭でメタネタ言った俺が言えることじゃねーな。
とにかく、やるか。


314 掘るのはアウトな (3/4) ◆Hx2CWeG5HI sage 2009/06/03(水) 19:21:38 ID:MGxSOqGL
何故だ。何故こんなことになった。
俺のほうが性能がいい機体を選んだはずだ。
なのに何故妹は俺の背後を取っているんだ!?
「お兄ちゃんのお尻の貞操、頂きます…ウヒヒ」
ミッソオゥッ!!
妹が発射したミサイルは見事に俺のケツを爆散してくれた。

「ウヒョーー!!!」
何故だ!?これで五度目だぞ!!
「お兄ちゃん弱すぎー!もうミサイルなしのハンデつけようか?」
それは大変屈辱だ。だがこれ以上穴を掘られるのはもっと屈辱だ。
ハンデ、お願いします。
「素直でよろしい♪」
ハンデをつけてリベンジマッチを挑んだ。

「そんなにお尻を向けて…いやらしい子だねぇ…ハァハァ」
だからなんでだよ!?そもそもお前が選んだ機体は爆撃機だ!空戦には向いていないはずだぞ!!
「しょうがねぇなぁ…いっちょぶちかましてあげますか♪」
俺が操る戦闘機はケツマンコに機関砲を散々ぶちこまれアナルはすっかり拡張して、違う、昇天してしまった…
「尻から種汁垂らして…はしたなぁい…♪」
もう、黙ってくれ…

「お兄ちゃんさっきから弱すぎ」
お前がキモイぐらい強いんだよ。少しは自重しろ。
「まあそれはそれでやりたい放題で楽しいんだけど」
お前はSか。
「負けっぱなしのお兄ちゃんに命令します。私を抱っこしなさい」
うむ、随分控えめなおねだりだな。
それぐらいなら構わんぞ。ほれ、こっち来い。
「うひょおおおおお!!!」
だからお前は少し発言を自重しろと…
妹は俺に飛びつき、頬が燃え出すんじゃないかと心配するような勢いで俺の胸に頬を擦る。
「あああぁぁああ!!やっぱ生はたまんねぇなあ!!俺、もー最高!!たまんねー!!」
はいはい…
ゆっくりと妹の背中へと腕を回す。
妹は頬をこすりつけるのをやめ、ぎゅっと抱く力を強めた。
「あぁ…ホント、お兄ちゃんはいいよ。大好き。愛してる。一線越えたいよ」
全くお前と言うやつは…えっちなことはダメだと前にも言っただろう。
「でもさぁ…やっぱりしたいよ。好きな人とえっちぃことしたいよ。そう思うのは女の子として普通のことじゃないの?」
妹…
「…まあお兄ちゃんがダメっていうなら我慢するけど…今はね」
今は、か…
その時を待つよりに他にいい男を見つけたほうが遙かに早く、そして幸せになれると思うぞ。
「…馬鹿」
妹はするりと腕の中から抜け、そのまま部屋から出て行った。
顔を俯けていたので表情は窺えなかったが、泣いているような気がした。
やれやれ、これじゃあ兄失格だな…


315 掘るのはアウトな (4/4) ◆Hx2CWeG5HI sage 2009/06/03(水) 19:22:18 ID:MGxSOqGL
妹サイド―――

…だめね。
ふざけて言ってもだめ。真面目に言ってもだめ。
なんで気持ち伝わらないんだろ…
なんで気持ち受け取ってくれないんだろ…
お兄ちゃんの馬鹿…大馬鹿!
仕方ない、次の手を打つか…
私はパソコンを起動し、メールソフトを立ち上げた。

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最終更新:2009年06月07日 22:06
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