続々・キモ姉妹の胸騒動

498 続々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/11(木) 11:37:48 ID:zQ86zcbx


「と、言う訳なんだよ」
「「「どう言う訳だ」」」

いきなり意味不明な台詞を吐く友人に、俺達は一斉に突っ込みを入れる。

「うん、的確な突込みをありがとう。これで『へぇ、そうなんだ』と納得されたらどうしようかと思ってたよ」

素っ頓狂なネタで会話の先端を切ったのは、俺の友人A、もとい、御馳・明(みはせ・あきら)。

「だったらそういう前フリは止めろよな」

明に突っ込みを入れるのは、友人Yこと亜双・雄(あそう・ゆう)。

「いや、だって俺達若いし?」
「はいはい、若さ故の過ち乙。で?」

絶妙のタイミングで話の軌道を戻すのは、明の幼馴染、瀬尾・利(せお・とおる)。

「うい。いや、実はさ…」

学校の休み時間。俺達4人は、利の席に集まって、話をしていた。
何の目的もない、時間を潰すためだけの会話。この時間だけは、家の厄介な兄弟のことを忘れて、のんびりバカ話に耽ることが出来る。
あ゛~…癒される。

「失礼します」
「お?明、来たぞ」
「薫ちゃん?」
「どうも」

会話の途中、下級生がやって来た。この子は明の妹、一年生の御馳・薫(みはせ・かおり)さん。
休み時間には、必ず俺達の教室にやってきて、何をするでもなく、明の膝の上に座っている。
ちなみに俺の双子の妹は、窓際の席でクラスの女子達に集られている。何をしているのかは知らん。

「で、話を戻すけど、灯火、お前お姉さんが居るんだっけ?」
「ああ。3人ほどな」
「いいよなぁ~お前ら。兄弟がいるって羨ましいよ」
「まぁ、利は一人っ子だからな。でも居たら居たで苦労も多いぞ?例えばウチなんて…はぁ」
「雄、お前の気持ちはよぉ~~~っく解る!家にも沙織先輩と同じ、変態的な言動をする姉妹がいてさ…」
「ああ、桜花さんと霧葉ちゃんだっけ?そう考えると、俺も恵まれてるのかもな。ウチは一人だけどお前は二人か…同情するよ、全く」
「解ってくれるか?友よ!」
「もちろんだ!友よ!」
「どっか逝っちゃってる二人は置いておいて、利、兄貴分の俺と、妹分の薫が居るんじゃ不満か?」
「だって薫ちゃん、明にべったりじゃないか。ねぇ薫ちゃん」



499 続々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/11(木) 11:38:06 ID:zQ86zcbx
「……………ソンナことはありませんヨ?」<あさっての方向を向きながら
「(間が)長っ!まぁ、明にべったりじゃない薫ちゃんは、薫ちゃんじゃないからね。思う存分甘えていて下さい」
「では遠慮なく(即答)」<スリスリ
「こ、こら!薫!」
「ってか利、何でこんな会話にツッコミ入れないんだよ?」
「どうして?」
「どうしてって、明らかに人間としての何かを踏み外してるような気がするぞ。常識的に考えて」
「アレ」
「んぁ?」
「お兄ちゃん♪」(スリスリ)
「ハァ…」(諦め)
「なるほど」
「なるほどね」
「そう言うこと」

つまり、利にとって、薫さんが女兄弟の行動の判断基準な訳か。やるな!御馳・薫!



キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン…

「礼!」
「「「「ありがとうございました!」」」」

今日最後の号令が終わり、放課後になる。

「さ~て、帰るか」

明は薫さんに、雄は生徒会長である姉に引きずられていき、残っているのは俺と利だけだ。

「アレ?灯火、もう帰るの」
「ああ、やることないしな。利は掃除当番か。ご苦労さん」
「そう思うなら手伝「おい愚兄。帰るぞ」わなくていいや。気をつけて」
「…ああ…」
「何をしている。さっさと準備しろ鈍間」
「「………」」
「ヒソヒソ(ねぇ灯火、真捺さん、毒舌の属性も身に着けたの?)」
「ヒソヒソ(どうやらそうらしい)」
「ヒソヒソ(どんどん増えていくね。萌え属性)」
「ヒソヒソ(お前はあいつに萌えられるのか?)」
「ヒソヒソ(ごめん、無理っス)」
「聞こえているぞ。駄・兄貴と友人その3」
「「うげっ!!」」



すまん、利。





500 続々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/11(木) 11:38:20 ID:zQ86zcbx

「はぁ…」
「何ため息をついているのだ?そんなことをしていると、幸福が逃げるぞ、不幸兄」
「…だからお前は、一体俺に何の恨みが「貴様が私の」あーあーあ!きーこーえーなーい!」
「チッ」

真捺が俺にどんな恨みを持っているのか聴いてみたい気もするが、なんだか、物凄く鬱になりそうな予感がしたので、慌てて耳を塞ぐ。

「さて、まずは音々の迎えからだな」
「………」
「どうした真捺?」
「いや、なんでもない。相変わらずのロリコンだと思っただけだ。か、勘違いするな!『同じ妹なんだから私のことも可愛がって欲しいな~』なんて考えてないんだからな!」
「はいはい、ツンデレツンデレ」

俺達の高等部から歩くこと10分。音々と霧葉が通っている中等部にたどり着いた。

「さて、二人はどこに…っ!この感じ!霧葉か!?」
「おっにぃちゃ~ん!「あらよっと」うにゃん!」
「きゃっ!」

中等部の校門に近付くこと20メートル。突如襲ってきた感覚に従って身を翻すと、壁の上から霧葉が落ちてきた。
ってか真捺。随分可愛らしい悲鳴だな。

「あたたた…もうっ!どうして避けるのよ!」
「お前の素っ頓狂な行動パターンは既に把握済みだ」
「ぷ~!」
「どうでもいいから、早く私の上から降りろ!貧乳妹!」
「ふ~んだ!霧葉は年相応だもん!」
「だが今は私よりも小さいだろう!身長的にもサイズ的にも!」
「今にボンッ・キュッ・ボンッのないすばでぃになるもん!お姉ちゃんなんかすぐ追い越しちゃうんだから!」
「姉に勝る妹はいない!!」
「お前ら、公衆の面前でなんちゅう会話を「お兄様?」ん?」

突如響いてきた声に振り返ると、そこには青いネクタイをした、ブレザー姿のお姫様がいた。

「ああ音々。お帰り」
「少々早い気がしますが…ただいま戻りました、お兄様」(ぺこり)
「きょうもお勉めご苦労さん」
「はいっ♪ありがとうございます、お兄様♪」

笑顔で返される。ああ…お前は本当に俺のオアシスだ…
しかし、そんな(心の)オアシスに、土足で踏み込むKYが2名。

「ちょっとお兄ちゃん!霧葉には!?霧葉に『お帰り』はないの!?
「オカエリナサイ。キリハサン」
「片言!?」
「お前はまだマシだ。私など、生まれてこの方、この人間のクズに『お帰り』と言われたことなどないぞ」



501 続々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/11(木) 11:39:38 ID:zQ86zcbx
「じゃあ俺が、『おかりなさ~い♪真捺ちゃん☆』と言ったらどうする」
「コンクリ詰めにしてマリアナ海溝に沈めてやる」
「マリアナ!?」
「くすくす」
「あれ~?霧葉?」

学校の前で兄弟漫才を繰り広げていると、校門から見慣れない女生徒達が出てきた。

「珍しいね?霧葉が男の人に甘えるなんて」
「しかも年上!?隣の高等部!?」
「年上の彼氏か~。憧れるな~」
「あ、でも彼女持ちっぽいよ?」
「ひょっとして…略奪愛!?」
「または彼女公認!?きゃ~っ!不潔~!」

俺の姿を見るなり囃し立てる女子中学生達。
っつか『略奪愛』って…なに赤くなってんだよ真捺。

「え~っと。霧葉、お前の知り合いか?」
「…一応」
「ふ~ん。あ、俺は霧葉の兄貴で、「「「ええ~~~っ!?」」」灯火と書いてあか…聞いてねぇな」

真実を告げると、心底驚いた声を上げると同時に円陣を組む女子中学生ズ。

「ど、ど、ど、ど、どう思う!?」
「近親!?近親なの!?」
「…日々兄への禁じられた愛を募らせる妹…でもその兄は彼女持ち…」
「だけど兄への愛を抑えられない妹は、ある夜、兄の布団にもぐりこむのね…」
「『お兄ちゃん、抱いて?私、もう我慢できないの。たった一度だけでいいから…』」
「そしてその禁断の結合を、偶々遊びに来た彼女に見られてしまい、血みどろの修羅場に…」
「「「も、萌えるわ!!」」」

突如始まった女子中学生達の妄想連携。え~と、女の子ってこんなに異次元の存在だったっけ?っつうか、

「あの~、聞こえてんですけど」

丸聞こえだ。

「おい霧葉、なんとかしてく…」
「そ、そんなお兄ちゃん…そんなに激しくしたら、霧葉壊れちゃうよぉ…はぅん!おっぱいらめぇ!」

…うん。霧葉に期待した俺が愚かだった。真捺、助け…

「わ、私が兄の…いや、灯火の彼女…か、彼女ということは、あ~んなことやこ~んなことをするわけで…いやいや、私としても願ったりかなったりというか、貴様の仔を宿すのも吝かではないが…
か、勘違いするなよ灯火!あくまで貴様が望んだからであって、私から求めたわけではないんだからな!それに、こんな中途半端な胸では貴様を喜ばせることなど…
え?俺が吹雪姉上みたいな巨乳に育ててやる?ば、バカモノ!こんな時に他の女の名前を出すな!」

…妄想がダダ漏れだぞマイシスターズ。ハッ?!



502 続々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/11(木) 11:41:37 ID:zQ86zcbx

なにやら黒いオーラを感じて振り向いてみると…そこには、お姫様から女悪魔に進化した、音々様がご降臨されていた(怯)

「………」
「…えっと…音々さん?」
「………」
「あの…もしもし…?」
「………」

うつむき加減のせいで、目元が前髪で隠れている。それが余計に怖い…

「ね、音々さ「お兄様♪」は、はひぃっ!」

顔を上げた時、音々の表情は満面の笑みだった。
でもなぜだろう?その笑顔が、絶対零度のエガヲに見えるのは気のせいか…?
…気のせいじゃありませんでした。orz

「ねぇ♪お兄様♪(にっこり)」
「はひっ!な、なんでしょう…?」
「…最低…」(真顔)
「ぐはぁっ!!」

真捺に言われるよりも、吹雪姉に言われるよりも、何よりも音々に言われるのが一番イタい…
欝だ…死のう…orz

「なんてね♪冗談ですよ。お兄さ…あれ?」

へんじ が ない
ただ の ぬけがら の ようだ ▼












「どん底まで落ち込んだお兄様は、音々がおいしくいただきました♪(接吻的な意味で)」

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最終更新:2009年06月14日 22:07
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