508 続々々・
キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/12(金) 10:10:42 ID:Wd6t3jGK
「ふはハ葉歯!よくぞここまで来たな!勇者アカリ!」
「魔王ヒロユキ!今日こそ貴様を倒して、俺の家庭に平穏を取り戻してやる!」
「よくぞ言った!俺は一度『ちゃん』付けで呼ばれただけで死ぬぞ!」
「こっちこそ!家の姉妹全員が俺を狙っているような気がしたが、そんなことは無かったぜ!」
「さあ!この俺を倒してみろ!」
「行くぞ!『ヒロユキちゃん』!」
「ぐはぁっ!バ、バカな!この俺がぁっ!!」
「勝った!これでお小遣いが日給250円から255円になった!」
「ぐふっ…見事だセーラー勇者アカリ…褒めてやろう…」
「安らかに眠れ。男色家魔王ヒロユキ」
「勇者よ…最後の頼みがある…」
「言ってみろ」
「俺と結婚してくれ!」
「俺は男だ!」
「無問題!俺は女だ!」
「『俺女』かよ!」
「さあ、俺と結婚しろ!そうすれば月給10000円をくれてやる」
「な、ナンダッテー!?」
「日給換算で333円だ!今なら俺と言うお嫁さんもついてくるぞ!!見よ!この見事なおっぱいを!」
「なんてことだ!紅葉姉の3倍はある!」
「Gカップは伊達じゃない!!」
「ヒロユキ…」
「アカリ…」
「どわぁっ!!」
あまりにも変態的な夢に飛び起きる。周りを見回してみると、我が家のリビングだ。
どうやら夕食後、ソファで横になっているうちに寝入ってしまったらしい。
「はぁっ!はぁっ!な、なんちゅう夢だ…」
何で俺が勇者になってんだよ!?何で俺が魔王のプロポーズなんて受けてんだよ!?何で俺がセーラー服なんて着てんだよ!?なんで東鳩ネタ(しかも1)なんだよ!?
「…なんてカオス…「あら?起きた?」へ?」
声のした方に顔を向けてみると、吹雪姉がテーブル(ガラス製)に肘を立てて、座り込み、俺を見ていた。
ってか、テーブルの上に吹雪姉の巨乳が『で~ん!』と乗っている。重そう…
「吹雪姉?」
「うん。貴方のお姉ちゃんよ?」
そう言って微笑を浮かべる吹雪姉。音々が庇護欲をかきたてる笑顔なのに対し、吹雪姉のそれは母性に満ちている。思わず甘えたくなるような、泣きつきたくなるような、そんな笑顔だ。
「灯火ちゃん?どうかしたの?」
「はっ!?」
気が付くと、吹雪姉の顔が俺の顔の10センチ位前にあった。
509 続々々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/12(金) 10:11:02 ID:Wd6t3jGK
「って近い近いっ!」
「あ」
「ぐふっ!」
背中に軽い痛みが走るとともに、景色が回転して天井が視界に移る。
どうやら慌てて離れようとしたために、ソファーからずり落ちてしまったらしい
「だ、大丈夫?灯火ちゃん」
「ああ、平気平気」
上体を起こして床に座り込む。時計を見ると、午後8時過ぎだった。
「あれ?皆は?」
「真捺ちゃん、霧葉ちゃん、音々ちゃんは部屋に居るわ。紅葉ちゃんは、ロードワークに、桜花ちゃんは…」
「桜花姉は?」
「ソ・コ♪」
「は?」
吹雪姉が指したのはソファ。いや、ソファの裏側を指しているのか?
「…あ」
「ぐへへへ…あっきゅ~ん…」
そこには、腹丸出し、ぱんつ丸見え、よだれ垂れ流しの桜花姉が寝ていた。
「…吹雪姉」
「なぁに?」
「こいつはこんなところで何やってんだ?」
「灯火ちゃんを見てたみたい」
「俺?」
「うん。正確には、灯火ちゃんの寝顔を、ね」
「なるほど」
大方、ソファの背側から覗き込んでいるうちに、眠ってしまって倒れこんだというところだろう。
しっかし…
「よいではないか…よいではないかぁ…」
どんな夢見てるんだ?こいつは…
「なぁ吹雪姉」
「なぁに?」
「こいつの脳天に蹴りかましてもいいかな?」
「…で、できれば止めてあげて欲しいんだけど…」
「うへへ…嫌よ嫌よも…好きのうち…」
…殴りてぇ…
「…そ、そうだ!お風呂!お風呂に入ってきたらどう!?」
510 続々々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/12(金) 10:11:24 ID:Wd6t3jGK
俺が右手を、小指から順に握り込んでいくのが見えたのか、若干焦った声で風呂を薦める吹雪姉。
「風呂か…」
確かに寝汗でびっしょりだ。カオスな夢も見たから余計に。
「わかった。そうさせてもらうよ」
「うん。あ、そうだ!ねぇ灯火ちゃん。お背中流してあげようか?」
「へ!?」
「なんだったら、私のおっぱいで洗ってあげてもいいわよ?」
「遠慮します」
「えー」
「そういうのは彼氏にでもしてやれよ」
「いじわる。私に彼氏なんて居ないの知ってるくせに」
「弟として愛してくれるのは嬉しいけどさ、そろそろ自分の幸せを考えてもいいんじゃないか?吹雪姉モテるんだし」
「謹んで遠慮します」
「即答かよ。じゃあ何時になったら結婚する気になるんだ?」
「う~ん、2年後かな」
「へぇ。いい人居るんだ」
「うん。今、私の目の前で笑ってくれてるよ?」
「だから俺は弟だっての。つまり、当分結婚する気はないと?」
「えへっ♪」
片目を瞑り少しだけ舌を出した顔を浮かべて、俺から離れていく吹雪姉。
「…吹雪姉?」
「どうしたの?お風呂、入っちゃないさいよ」
「あ、ああ…」
「安心して。覗いたり割り込んだりしないから。約束するわ」
「そ、そうか。じゃあ先に入るな」
「うん。あ、一番風呂だから温度注意してね!」
「了解」
「うへへへへ…あっくんの子種…ゲットだぜ…」
…マジで殴りてぇ…
「ぅぁ~…」
体を洗った後、湯舟に浸かる。
風呂はいいねぇ…風呂はリリンの(ry
「な~んか変なんだよなぁ…」
吹雪姉だ。昔から、からかい半分で俺に迫ることはあったが、最近はその回数が多いような気がする。
誘惑の仕方も、段々露骨になってきている気がするし…
「俺に気があるのは知ってるけどさ…」
511 続々々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/12(金) 10:11:43 ID:Wd6t3jGK
吹雪姉が、いや、俺の兄弟全員が、俺に好意を持っているのは知っている。どこぞのエロゲ主人公でもあるまいし、あそこまであからさまな態度を見せられれば、いい加減気付くと言うものだ。
まぁ、音々に対しては、兄に向けているものなのか、男に向けているものなのかは、正直判別が付かないが。
「とは言え」
それらを受け入れる気は更々ない。あくまで俺は弟兼兄であり、彼女らが自分に相応しい伴侶を見つけるまでの、あるいは、伴侶と結ばれるまでの、ボディーガードのようなものなのだ。
「でも吹雪姉だしなぁ…」
吹雪姉は、藍園家一の常識人だ。口ではああ言っているが、弟なんぞ誘惑したって、一文の得にもならないことは、本人が一番良く解っているだろう。
と、いうことはだ。
「やっぱりストレス発散のためなんだろうな」
社会人って大変そうだしなぁ…
「はぁ…」
「さっきからどうしたんだ?」
「ああ、吹雪姉って、どうして彼氏作らないんだろうって。俺より上のイケメンなんて、それこそ掃いて捨てるほど居るだろうに」
「まぁ、確かにあんたは、ルックスで言えば並みの並、ってところだよね」
「うるさいな。それに吹雪姉ほどの美人なら、妻子持ちの男でも奪い取れると思うんだけどなぁ…」
「『寝取り』って奴だね。まぁ、実際そんなことをしようものなら、例え姉貴でも軽蔑するね、あたしは」
「ものの例えだよ紅葉姉。ホント、何で彼氏作らないんだろう?」
「灯火がいるからに決まってるじゃんか」
「いや、だって俺弟だよ?実弟だよ?」
「わかってないなぁ灯火。吹雪姉は、灯火が灯火だから好きなんだよ。もちろんあたしもね♪」
「俺が俺だからってどういう意味…ってええっ!?」
「…今頃気付いたのかい」
さっきからナチュラルに会話していたから気付かなかったが、いつの間にか紅葉姉が風呂に入ってきていた。
「何で入ってくんだよ紅葉姉!」
「そりゃ風呂に入りたかったからに決まってんだろ。汗も流したいしな」
「あんたには羞恥心ってもんがないのかよ?」
「弟相手に恥ずかしがってどうする。所詮は家族だろう?気にすんな」
「世の中には、『親しき仲にも礼儀あり』って言葉がだなぁ…」
「マッサージの時は下着姿だろう?下着も裸も変わんないって」
あまりと言えばあんまりな台詞に、俺はついタブーを冒してしまった。
「あんた本当に女かよ」
「………」
それまで流れていた会話がピタリと止み、代わりに紅葉姉から、凄まじいまでの瘴気が溢れ出す。
「あっ…しまっ…」
「あ゛あ゛っ!?あたしが男だってのか?悪かったな!!どうせあたしはペチャパイだよ!Aに限りなく近いBカップだよ!ズボラでガサツだよ!男より女にもてるよ!男より女に告白された回数の方が多いよチクショー!!」
「ぐあああっ!!く、首!首がぁっ!!」
逆向きのチョークスリーパーをかけられる。
512 続々々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/12(金) 10:12:07 ID:Wd6t3jGK
紅葉姉の胸が小さくてよかった。吹雪姉並だったら、間違いなく窒息死させられていただろう。って、冷静に考えている場合じゃない!
「ヤバイヤバイ!折れる!折れるって紅葉姉!」
「桜花のバカヤロー!なんであたしより発育いいんだー!?」
「知るか!!」
騒ぎを聞きつけて吹雪姉がすっ飛んでくるまで、俺は紅葉姉の胸を堪能することになってしまった。
すごく…小さいです…
「あ~痛ててて…」
「灯火ちゃん大丈夫?病院行く?」
「いや、そこまでは…」
「悪い灯火。加減を間違えたみたいだ…」
「気にするな…痛ッ!
…まだ首がおかしい…」
「全くもう!紅葉!何やってるのよ!」
「わ、悪い姉貴…灯火があんまりな事言うもんだから、つい頭に血が…」
「灯火ちゃんのせいにしないの!」
「ひぇっ!」
紅葉姉に虐待(肉体的な)を受けているところを、吹雪姉に救出された後、紅葉姉は吹雪姉の説教を受けていた。
「大体、灯火ちゃんがお風呂に入っている時に割り込むなんて!」
「だ、だって、早く汗を流したかったんだよ!」
「10分や20分くらい我慢できるでしょう!大方それを口実に、灯火ちゃんと混浴したかっただけじゃないの!?」
「ぐっ!そ、それはその…」
め、珍しいな…吹雪姉が言葉のマシンガン(結構キツイ)をかますだなんて…
いつもは、大抵の事は「あらあら、うふふ」で笑顔で流すのに…
っつーか、
「吹雪姉、俺部屋に戻ってもいいかな?」
これ以上ここにいると、何時こっちにとばっちりが来るかわかったもんじゃない。
「いいたわ。ついでに桜花ちゃんを部屋まで運んでおいてね」
「了解」
「そ、それはあたしがや「どこへ行くつもりなのかしら?」あ、姉貴?笑顔が怖いぞ?」
俺は桜花姉をお姫様抱っこして、リビングを後にした。
屠殺場に連行される、子牛のような目をした紅葉姉を、あえて無視したままで…
「ょっと…これでいいかな」
513 続々々・キモ姉妹の胸騒動 sage 2009/06/12(金) 10:12:20 ID:Wd6t3jGK
桜花姉をベッドに寝かせる。
「んぁ~?」
「げっ!桜花姉…」
「あ~れ~?あかりちゃ~ん?」
声のした方に目を向けてみると、桜花姉が寝ぼけ眼で俺を眺めていた。
「あ~、悪い、起こしちまったか?」
「んぅ~?ど~したのかな~?おね~ちゃんをよばいにきたのかな~?」
「い、いや、違っ…」
「んふふふ~。しょ~がないな~」
「うぶっ!?」
いきなり頭を抱え込まれる。ノーブラだから、薄いTシャツ越しに胸の感触がモロに…!
「ほ~ら。おねぇちゃんのおっぱいでちゅよ~?」
「桜花姉!ちょっ、やめっ!」
「にゅふふふ~♪うれしいくせに~♪」
「桜花姉!離してくれ!頼む!」
「ん~。ど~しよ~かな~」
俺の頭を抱え込んだまま、俺の髪に頬をこすりつける桜花姉。
「じゃ~あ~、ちゅ~してくれたら、はなしてあげる~」
「なっ!?」
「あ~?いやなかおしたな~?じゃ~あ~、こ~だぁ~♪」
「うぼっ!!」
前よりも強い力で抱え込まれる。ちょっ!息!息が!!
「むぐぐぐぐぅ~!」
「あん♪あばれちゃだめだよぉ~♪」
動きを封じるかのように、さらに強い力で抱え込まれる。
っていうか、寝ぼけている人間(それも女性)のどこにこんな力が!?
しばらく攻防を続けていると、不意に腕の力が緩んだ。
「ぶはぁっ!!…はぁっ!…はぁっ!…」
し、死ぬかと思った…
「はぁっ!…はぁっ!…おい殺人未遂犯!ってあれ?」
「すぅ…すぅ…」
ね、寝てやがる…
「…はあああぁぁぁぁぁ…」
なんか、どっと疲れた。
最終更新:2009年06月14日 22:08