772 埋めネタ「ねことわんことたわむれて」 (1/2) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/06/19(金) 17:41:01 ID:7WFiXvhU
「にゃ~ん♪」(スリスリ……)
「わんわん♪」(スリスリ……)
俺は今、猫の鳴き真似をする生物と、犬の鳴き真似をする生物に、擦り寄られている。
そんな俺(たち)の状況を見たら、どんな奴らだって、同じ言葉を紡ぐだろう。
すなわち、『猫耳の少女と犬耳の少女を侍らせるなんて、なんて変態な男なんだ』と。
「なに困った顔してんのよ? 私が元気にしてあげるから、じっとしてなさい?」(ペロペロ)
そう言って、嬉しそうに俺の左頬を舐めてくるのは、17歳になる俺の
姉さん。
頭に猫耳を装着し、先程は猫に似た可愛い奇声を上げていた。正直見てて痛い。
「こんな可愛い愛玩動物2匹に囲まれて、不満があるの? ワガママ過ぎだよ?」(ハムハム)
そう言って、嬉しそうに俺の右耳を甘噛みしてくるのは、15歳になる俺の妹。
頭に犬耳を装着し、先程は犬に似たか弱い奇声を上げていた。やはり痛すぎる。
「困ってるのはおまえらにで、ワガママなのはおまえらだろう!
なんでおまえらは俺に絡むんだ。しかもそんな痛い格好して!
俺にそんな趣味はないし、そもそも俺に擦り寄んじゃねえよ!
俺たちは血の繋がったきょうだいだ。俺にはそんな気はねえ!」
一息にまくしたてる。正直もう我慢の限界だ。
俺が物心ついたころから、何故か姉さんも妹も俺にべったりだった。
おかげで俺には、親友と呼べる人間が少ない。女友達なんて皆無だ。
まるで、この2人が俺たちきょうだいだけの世界を、作ろうとしているように。
どう考えても、この2人が俺に家族以上の感情を抱いているのは、間違いない。
「……その気がないのは理解してるわ。だからこうやって誘惑してるのよ?」(むにむに)
「……にいたん、小動物とか好きだから、こんな格好して誘惑してるのよ?」(ぺたぺた)
「だから小動物は好きだけど、それは動物だから好きなだけだ!
俺に獣耳属性はないし、おまえらの誘惑なんか効かねえんだ!
つうかおまえら、さっきからナマチチ押しつけんじゃねえよ!」
叫んでばかりでいい加減つかれてきたけれど、ここで引いたら俺の負けだ。
こいつらの前でつい最近、小動物好きをカミングアウトした結果がコレだ。
こいつら2人にくっつかれたままで、動物番組なんか見なきゃよかったよ。
それ以降のこいつらの行動は、とてもわかりやすかった。
家の中での露出が激しかったのは、もともとだったから別に気にしなかった。
けれど日が経つにつれ、徐々に衣服に毛皮っぽいものが混じるようになった。
そして露出はそのままに、髪型を変えたり、行動が動物っぽくなっていき――
とうとう今日、姉さんは猫耳と尻尾を、妹は犬耳と尻尾をつける暴挙に出た。
「ふぅん……、じゃあなんでキミは、こんなに興奮してるのかしら?」
「興味がないなら、なんでにいたんは私たちに興奮しちゃうのかな?」
「だからおまえらがそうやってナマチチを――って何やってんだよ!?
おまえらいつの間に服脱いだ!? 全裸になってくっつくなオイ!?」
油断しているとコレだ。こいつらすぐに服を脱いで、俺に抱きつくんだ。
しかも今回は、ニーソとか獣耳とか付けっ放しの、マニアックな格好だ。
いかん。絶対にこれ以上、俺のマニアックな性癖を悟られたらいけない。
実は俺が尻尾フェチで、半脱ぎとかあとニーソに弱いってことだけは!?
「にゃんにゃん♪ もう我慢できそうにないくらい、みなぎってるわね?
私のニーソ姿とおしりの尻尾に、そんなに興奮しちゃったの?」
「わふんわふん♪ やっぱりにいたんは、どっか変態っぽいとこあるね?
こんな布切れや毛玉に、ドキドキして欲情しちゃうなんてね?」
「BA☆RE☆TE☆RU~!?」
773 埋めネタ「ねことわんことたわむれて」 (2/2) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/06/19(金) 17:45:12 ID:7WFiXvhU
いかん、どこかの闇ゲーム改めカードバトル漫画みたいな発音になった。
というかこいつら、なんで俺の性癖を、そこまで詳細に把握してんだ!?
「キミを愛する私たちにとって、キミの性癖は手に取るようにわかるもの」
「わん! まあ正確には、にいたんのパソコンや隠し本を調べたけどね?」
「人権侵害っ! 個人情報保護無視っ? 理不尽だぁ~っ!?」
叫んでも誰にも聞こえない。ここは家だけど、周りに人気のない過疎村だ。
そして両親はここ1ヵ月ほど都心部に出張して、2人一緒に働いているし。
ホントなんで、こんな馬鹿な場所に引っ越したんだ、あの仲良し両親は!?
こんなところに住んでるから、こいつらがこんな変態に育っただろうが!?
なにをもってして『3人とももういい大人』なんて判断を下したんだよ!?
あんたたちの娘どもは、きょうだいに欲情するような変態なんだぞオイ!?
「ああ、もうなんだかまどろっこしいな~……」
「そうだね、これ以上はもう我慢できない……」
ぶつぶついいながら、俺の姿をその瞳に映す猫姉さんと犬妹。
その両頬は、薄紅もとい桃色に染まって、表情を美しく見せている。
その呼吸は、飢えた肉食獣のように荒く、欲情した吐息が漏れている。
「これより私は、猫を捨てて――虎になりますっ!
それじゃ、キミのことを、た~べちゃうぞ~! がお~っ♪」
「それじゃ私は、犬を捨てて――狼になりますっ!
なら私もにいたんのこと、た~べちゃうぞ~! あお~ん♪」
そうして、ついに本性を表して襲いかかってくる、我が愚姉妹ども。
ってこら、爪で服を引きちぎるな!? 剥がれたらどうすんだ!?
「だから、おまえらはそんな態度をとるけど、俺は受け入れねえってんだ!
それにおまえら、こんなんあの両親にばれたら、どうなるか解ってるか?
世間から白い目で見られるし、離れ離れにされたら辛くて悲しいだろう!?
だから、俺たち普通のきょうだいでいられたら、それでいいじゃないか!?」
「ありゃ、そういやキミには、ずっと内緒にしてたんだっけ?」
「私たちのパパとママも、確か血の繋がった姉弟のはずだよ?」
「ウソだろオイ――って、しまった油断しすぎた!?」
衝撃の事実を知らされた動揺と混乱で、俺は両手足の力が抜けてしまった。
その一瞬をついて、この変態動物姉妹はついに、俺の身体に到達してきた。
ああもう、最低だ。いくらなんでも、この結末は酷い。
ずっと『ちーねえ』『しゅーくん』と呼び合うバカップル夫婦だと思ってたけど。
ここまで非道いオチがつくなんて、近親相姦夫婦って、なんて歪んだ存在だろう。
「それでは、遠慮のヒトカケラも残すことなく……」
「それでは、抵抗のヒトカケラも余すことなく……」
「「全力で、あなたを美味しく、主に性的な意味で、いっただきま~すっ!?」」
「ぎっ、ぎゃあああぁあああああぁぁぁぁぁぁぁあっ!?」
――こうして、俺の貞操と道徳心は、この変態動物姉妹に美味しく召し上がられましたとさ。
― Even a small animal is a beast. ―
最終更新:2009年06月22日 20:17