212 転生恋生 第十四幕(1/6) ◆.mKflUwGZk sage New! 2009/09/03(木) 23:19:36 ID:Ao5ZJ3kn
猿島の家を出て帰宅する頃には日が暮れていた。玄関のチャイムを鳴らした俺を出迎えたのは、エプロン姿の姉貴だった。夕食の支度をしてくれていたらしい。
「お帰りなさい、あなた」
靴を脱ぐ間もなく抱きつかれた時点で、姉貴の次の台詞は予想ができた。
「ご飯にする? お風呂にする? それともワ・タ・シ?」
どっと疲れが出た。
「飯」
ひどく腹が減っていたが、これ以上会話を続けると食欲がなくなってしまいそうだ。
「じゃあ、すぐに用意するわね」
姉貴は特にがっかりした様子もなく、すぐに台所へ戻った。
食卓につくと、ステーキに山かけマグロ丼にうなぎの蒲焼など、精のつく品々が並んでいた。見ただけで腹一杯になりそうだ。
作ってくれるのはありがたいが、下心駄々洩れなこのメニューはどうよ? つーか、家計に響くんじゃないか? マグロって今は高いぞ。
だが、姉貴は俺の懸念を意に介さない。
「育ち盛りなんだから、栄養つけて丈夫な体を作ることを考えなさい。医療費より高くつくものはないんだから」
まあ、正論には違いない。とにかく食べるとするか。
昨日に続いてふたりきりの夕食は、姉貴が一方的に喋りまくり、俺が黙って食うという形で進んだ。
マイナス調味料ともいうべき姉貴の言葉さえ意識下から締め出せば、料理はうまい。本人にその気があれば、理想的な嫁になれるだろう。俺が太鼓判を押す。
だから誰かもらってください。略奪婚でもかまいません。
「ごちそうさま。うまかったよ」
姉貴はその一言だけで満足だという笑顔を浮かべた。すかさず俺は布石を打つ。
「今日は昼飯がパンだけだから寂しかったな。悪いけど、明日は弁当を作ってくれない? 明日さえ乗り切れば、明後日から連休だし、お袋も戻ってくるし」
「いいよ。腕によりをかけて作ってあげる」
これで姉貴も明日は早起きしなければならないから、一晩中俺に添い寝するということはないだろう。
昨日同様、先に食べ終えた俺は歯を磨き、風呂に入ることにした。
が、今日は姉貴が乱入してこない。
はっきり拒絶したことで諦めたんだろうか。かすかな期待を抱いて気分よく入浴していた俺だったが、すぐに裏切られた。いや、想定どおりというべきか。
俺が体を洗っている最中に浴室の扉が開き、姉貴が入ってきた。
「お待たせ~」
相変わらず鼻息が荒い。早くも出来上がっている(=発情している)らしい。
「私、今日はたろーちゃんの趣味に合わせてきたの」
俺の趣味?
「たろーちゃんは、チラリズムが好きなのよね? あんまり露出しすぎるとかえって引いちゃうってわかったから、今日は水着を用意したの」
ほう。確かに、よく見ると水着を着ているな。
「どう? 興奮する?」
姉貴は期待を込めた眼差しを向けているが、俺は冷め切っている。
だいたい、乳首と股間をわずかに隠す三角形を紐でつないだようなその布きれが水着だという感覚が理解できない。99%裸だろう、それは。
たぶん、背中から見たら裸と区別がつかないぞ。
213 転生恋生 第十四幕(2/6) ◆.mKflUwGZk sage New! 2009/09/03(木) 23:21:53 ID:Ao5ZJ3kn
「全然興奮しない」
きっぱり切り捨てて、俺は体に湯をかけて石鹸の泡を洗い流し、湯船に入った。
姉貴は肩を落としたが、無駄に敢闘精神を持ち合わせているので、そう簡単には引き下がらないだろう。いつもみたいに俺のナニにむしゃぶりついてくるんだろうな。
唾液まみれになるから洗い直さないといけない。二度手間じゃないか。面倒くさいな。
「たろーちゃん……、直接的な刺激がダメなら、間接的刺激をやってみるわね」
直接も間接もない。姉貴による刺激が無効なだけだ。
「諦めちゃダメ! その年でEDなんて、人生真っ暗よ。私がなんとしても治してあげるから!」
人聞きの悪いことを言うんじゃない。実の姉に勃つ方が異常なんだよ。
だが俺の抗議を意に介さず、姉貴は俺の目の前で足を開くと、左手で自分の胸を揉みしだきながら、股間に右手を伸ばして何やらいじり始めた。
「んふっ……んんっ……はんっ!」
……信じられねぇ。俺の目の前でオナニーを始めやがった。
「あはぁんっ……!」
大きな喘ぎ声をあげているが、キモいとしか言いようがない。水着のパンツをずらして指を突っ込んで、そこから水音を聴かせてくる。
「見て……っ! あんっ!」
見たくねぇよ。
「たろーちゃんに見られてするの……最高っ! 感じちゃうっっ!」
俺はもう見てないぞ。背を向けて湯に浸かっている。
「はぅぅっっ……! もう、すぐにイッちゃいそうっ……! 早く……たろーちゃん、来て……私の中に入ってきてよぉっっ!」
誰が行くか、ボケ。百回死ね。
「あうぅぅ……イク、イクイクっ、イッちゃうーーっっ!!!」
絶叫が浴室に響いた。……そういえば、浴室って音が響きやすい構造なんだよな。鼓膜に悪いぞ。
これ以上同じ空間にいたくないから、出ることにした。足を大開きにして腰を痙攣させている姉貴を放って、俺は浴室を出て、体を拭いて服を着た。
姉貴は追ってこなかった。どうやら、本気で失神していたらしい。
翌朝、ひとりで目覚めた俺は快適な気分で身支度を整え、キッチンに行った。
姉貴は昨晩俺の部屋に来なかったが、あからさまに不機嫌な顔をしていた。さすがに昨夜の浴室でのことが気まずかったらしい。
俺の身に置き換えてみると、好きな女の子の前で自慰行為に耽って射精した挙句、そのまま捨て置かれたわけだ。
……死にたくなるな。
「はい、お弁当」
姉気にしては珍しく、無言で俺とふたりきりの朝食を終え、押しつけるように弁当箱を渡してきた。一応作ってはくれたのか。
ひょっとすると今日はひとりで登校できるかと思ったが、姉貴は無言のまま俺に寄り添ってきたから、やっぱりいつもと同じ、ふたりでの登校になった。
電車の中で、怒ったような顔で俺の腕を抱き締める姉貴は怖かった。空気を読まない痴漢が姉貴に手を出してきたら、姉貴の手で人体が生命活動を保てる限界まで破壊されただろう。
幸い、そんなこともなく無事に登校して、俺は連休前最終日の学校生活をスタートさせることができた。
214 転生恋生 第十四幕(3/6) ◆.mKflUwGZk sage New! 2009/09/03(木) 23:23:07 ID:Ao5ZJ3kn
真っ先に俺は体育科準備室に行く。体育教師の部屋だが、俺の目当ては草葉先生だ。うまい具合に、草葉先生ひとりだけだった。
「先生、猿島に昨日のアンケートをやってもらいました」
「あら、ご苦労さん。彼女、元気だった?」
「熱が高そうでした。今日も休むそうです」
俺からアンケートの入った封筒を受け取った草葉先生は、その場で開封しようとはせず、引出しの中にしまった。
「やっぱり、女子に行かせるべきでしたよ。猿島に文句を言われました」
「今更言ってもしょうがないでしょ」
「というより、あのアンケート自体がおかしいですよ。あんな恥ずかしい質問、税金使ってやることですか」
「健全な青少年の育成のためよ」
「でも、先生のときはあんなアンケートなかったんじゃないですか。不公平です」
「じゃあ、先生に質問してみる?」
……は?
「……マジですか?」
「質問する度胸があるならね」
からかっていやがるな。それなら堂々とセクハラしてやる。
「なら質問します。先生の性行為は週何回ですか?」
先生は既婚者だから、相手がいないなんて逃げ口上は認めない。答えられるものなら答えてみやがれ。
「なんだかんだいって社会人は昼間の仕事で疲れるから、夜は案外何もしないで寝ちゃうのよね。だから週1回土曜日くらい」
……あっさり答えやがった。
「もちろん、連休中はバンバンやるわよ。旅行先もいつもと違う雰囲気で気分が高まるから、燃えるわね」
これが大人の余裕ってやつか。訊いたこっちが恥ずかしくなってきた。自分の顔がどんどん赤くなっていくのがわかる。
俺がうろたえているのを草葉先生は面白そうに眺めている。
「質問はもう終わり?」
「あ……、結構です。失礼しました」
俺は逃げるように部屋を出た。完敗だった。
「センパーイ! ごはん食べよ!」
昼休みになると司が教室にやってきた。今日はいつもより早いが、どっちみち俺はもう逃げる気がなくなっていたので、気にならなかった。
クラスメートも司が俺と一緒に弁当を食う相手であることは認識しているから、特に騒いだりしない。
猿島の反応が気になるところだが、昨日予告した通り今日は欠席だった。
俺は司を連れて校舎裏の空き地に行った。俺が司から逃げるのを諦めるようになってからは、ここがふたりの指定席になっている。
「ご主人様、今日は弁当あるの?」
「ああ、今日は姉貴が作ってくれた」
215 転生恋生 第十四幕(4/6) ◆.mKflUwGZk sage New! 2009/09/03(木) 23:23:58 ID:Ao5ZJ3kn
「なーんだ」
何故か司はがっかりしたようだった。俺は構わず自分の弁当箱を開けた。
「……あのアマ」
弁当箱の中にあったのは白米と梅干だけだった。といっても戦中派が懐かしむような日の丸弁当じゃない。
梅干を並べてハートマークを作ってある。微妙に手が込んでいやがるな。
しかたない。梅干をおかずにご飯を食べるか。
「あれ? ひょっとしておかずがないの?」
司が嬉しそうに覗き込んできた。おまえは俺の不幸が楽しいのか?
「ボク、今日は多めにおかずを作ってもらってきたんだ。昨日、ご主人様が弁当持ってなかったから」
そう言って、司は豚肉の天ぷらを分けてくれた。これはありがたい。
とりあえず司について3つのことがわかった。
1つ目、意外と気配りができる。
2つ目、自分で弁当を作ることはできない。
3つ目、とにかく肉が好き。
司は食事中は黙って食うことに専念するので、俺も喋らなかった。弁当を食い終わると、お喋りタイムになる。
「ご主人様、お姉さんがいたんだ?」
「あれ? 言っていなかったか?」
「初めて聞いたよ」
考えてみれば、俺は普段姉貴のことを極力意識から追い出そうとしているからな。話題にしなくて当然か。
「ねえ、どんな人?」
「うーん……」
姉貴のことを知らない人間に本当のことを言っていいものかどうか。毎回悩まされる。
「弟の俺としては出来が良い姉ってだけだな。でも世間的には美人で勉強も運動もできるって評価だ」
「ふーん。よくできたお姉さんだね」
「まーな。……司には兄弟はいるのか?」
「いないよ。ボク、一人っ子だから」
「それなら、めちゃくちゃかわいがられてるだろ?」
年齢よりも幼く見えるからな。特に父親にかわいがられるタイプだと思う。
「うちはわりと放任主義だよ。やりたいことやれって感じ」
確かに、箱入りには見えないな。
それから他愛もない話をするうちに昼休みが終わる。1年生と2年生は校舎が別だから、帰る時は別々だ。
「じゃあね、ご主人様!」
司は俺の頬を舐めてから立ち去る。舐めるのはやめろと言っているが、司は「愛情表現」と言い張ってやめようとしない。
俺もいつの間にか慣れてしまった。けど食事の後だから油っぽいんだよなぁ。
216 転生恋生 第十四幕(5/6) ◆.mKflUwGZk sage New! 2009/09/03(木) 23:25:29 ID:Ao5ZJ3kn
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美化委員の当番が回ってきたので、俺は放課後の掃除の時間に焼却炉の管理をしなければならなかった。連休の前後だから、通常とは異なり2週間務めないといけない。
とはいっても、焼却炉の操作は危険なので用務員の役目だ。美化委員の仕事は焼却炉周辺の清掃に過ぎない。
既に右足も治っていたから、特に支障はなかったが、とにかく面倒くさい。各クラスのゴミが焼却炉に集められるわけだが、どうしてもこぼれてしまうゴミがある。それをいちいち拾って捨て直さなければならないのだ。
生ゴミがこぼれていたときは本当に憂鬱な気分にさせられるが、相方の委員が「汚い仕事は男がするもの」と決めつけるやつなので、全部俺に押しつけてくる。黙ってみているだけで、まるで役に立たない。
せめてちりとりを構えるくらいのことはしてくれてもいいだろう。
「ここは俺がやっておくから、帰っていいぞ」
腹に据えかねてそう言ったら、本当に帰ってしまった。仕方がないので俺ひとりで掃除をするはめになったが、精神衛生上はその方がいい。
掃除が終わり、俺は教室へ戻ろうとした。校舎の角を曲がろうとしたところで、目の前から風が吹きつけてきた。
思わず砂埃から目をかばったが、風に乗ってか、向こう側から話し声が聴こえてきた。
「……だから、そろそろ次のステップに進みたいんだけど」
司の声だ。次のステップって、何だ?
「ここは学校やで。一応人の目も気にせんと、たろくんに迷惑かけたらあかんて」
これは雉野先輩の声だ。……って、俺の話か?
こっそり校舎の角から覗いてみると、雉野先輩と司が向き合って話していた。司は見慣れないタンクトップとショートパンツ姿だ。
あのふたりは知り合いだったのか? 接点がなさそうだけどな。
何故か、俺はこっそり聞き耳を立てたくなった。念の為校舎の陰に完全に身を隠し、耳に神経を集中する。
「ご主人様も男の子なんだから、ヤりたいお年頃でしょ? 雉さんはそんなに大きいおっぱい持ってるんだから、もっと攻めなよ」
なんという失礼なことを……。こいつには先輩に敬意を払う気持ちがないのか? 敬語も使っていないし。
……今更か。考えてみれば、俺にもやたら馴れ馴れしくて、敬語なんか使っていないしな。
「やってるわ。でも、加減が大事なんや。学校でコトに及んだらあかんやろ?」
「ご主人様は真面目だから、既成事実作ったら本気になってくれるよ」
「そらそうやけど、お腹が膨らんでもうて、お互い学校に来れんようになったら、シャレにならんて」
なんだか怖い話をしているんじゃないか? しかし、司は意味がわかって言っているのか?
雉野先輩に本気で色仕掛けをされたら、欲望のままに突っ走ってしまいそうだ。姉貴が怒り狂うな。司だったら、俺も反応しないと思うけど。
……でも、なんで司は雉野先輩を俺にけしかけているんだ? あいつ自身は俺とどうこうする気はないのか?
それともふたりがかりで……? どうも話が見えてこないな。
「そういえば、お猿さんは何をやっているのさ」
「あたしにもようわからん。なーんか、回りくどいことを考えてるみたいやね」
猿? ふたりの共通の知り合いかな?
「ボク、正直に言うとあいつのこと嫌い」
司は吐き捨てるように言った。天真爛漫な司がネガティブな感情を表に出すところを初めて見た。
「ストレートにアプローチすればいいのに……。ああいうのを猿芝居って言うんじゃないの?」
「誰がうまいこと言えというたんや」
そのとき、急に背後から突風が吹いた。その途端、話し声が止んだ。
耳をすませても、もう話し声は聴こえてこない。ふたりともどこかへ行っちゃったのか?
217 転生恋生 第十四幕(6/6) ◆.mKflUwGZk sage New! 2009/09/03(木) 23:28:52 ID:Ao5ZJ3kn
「ご主人様っ!」
いきなり建物の陰から司が飛び出してきたので、俺は本気で驚いた。司は俺に抱きついてくる。
「えへへ……」
俺の胸に額をこすりつける。揺れるポニーテールが犬の尻尾みたいだ。
「おまえ、どうして俺がいるってわかったんだ?」
「ご主人様の匂いがしたから。さっきまではボクの方が風上にいたからわからなかったけど」
本当に犬みたいな嗅覚だな。
「雉野先輩がいただろ? 何を話してたんだ?」
「女の子トークだよ」
そりゃまあ、そうだろうが、明らかに俺を話題にしていただろう。
「ご主人様が思い出さないうちは、話してもわかんないよ」
思い出す? 何をって……あ!
そう言えば、司も千年前がどうのとか口にする電波女だった。最近気にならなくなっていたから、半分忘れていた。
あれ……? 千年前?
「……雉野先輩とは知り合いなのか」
「うん! 昔からの仲間だよ」
昔から……? まさか千年前? 司の電波を先輩も受信しているのか……?
いや、ひょっとして姉貴の話ともつながりが……?
だけど年齢的に司が姉貴とひとりの男を取り合った3人組のひとりとは考えにくいし……。
ダメだ、筋道立てて考えようとしても頭が混乱する。
本人に問い質そうにも、雉野先輩は既に立ち去っていた。
「ねえ、ご主人様。ボクのユニフォーム姿、初めて見るでしょ? 似合う?」
そう言って司は俺から離れ、モデルのようにくるりと一回転して見せた。
裾の短いタンクトップで、お腹が露になっている。上半身は曲線に乏しい幼児体型なのに、ヘソを見ていると
なんとなく気恥ずかしくなる。
下はショートパンツだが、尻は肉付きが良くて布地がぱんぱんに張っていて、すらりと伸びた足は太腿もふくらはぎもしっかり筋肉がついている。
短距離走が得意というだけあって、下半身は鍛えられているみたいだ。不覚にも尻から太腿にかけてのラインにそそられてしまう。
……俺って太腿フェチだったのか。
「ねえ、似合う?」
「あ、ああ……。似合うんじゃないか」
司に急かされて、俺はほめてみた。
「セクシーに見える?」
「セクシーは無理があるだろ。せいぜいキュートってところだな」
実際、俺は本気で司を可愛いと思った。それでも司には十分だったらしい。
「うれしい!」
司は俺の首に両腕を回してぶら下がってきた。いくら体重が軽いといっても、さすがに首へ負荷がかかる。
「おいおい、いきなり何するんだよ」
体を前へ傾けた体勢になる俺に、司は頬ずりしてきた。いい匂いがした。やっぱり女の子だな。
「ねえ、今度の日曜日にボクが出場する競技会があるんだ。応援に来てよ」
「おまえ、まだ入学したばかりだろ? もう選手になったのか?」
「ボク、短距離走は得意だから」
それにしても凄い。昨日と今日弁当を分けてもらったことだし、応援に行くくらいはやってもいいだろう。
何より、俺自身が元気にトラックを駆ける司の姿を見てみたい。
電波な話のことは、俺の中でどうでもよくなっていた。いや、あえて頭の中から追い出そうとしたのかもしれない。
目の前にいる司が俺の受け入れられないような女の子になってしまうのが怖いから。
最終更新:2009年09月05日 22:41