三つの鎖 11 後編

260 三つの鎖 11 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/01/09(土) 00:34:15 ID:9BSA5hkY
 僕は耕平と食堂でお昼を食べた後、校庭のベンチに座ってのんびり話していた。
 「彼女とはうまくいってるん?」
 突然の質問。脳裏に春子の姿が浮かんだ。脳裏に浮かんだその姿を追い出し夏美ちゃんの姿を浮かべる。
 「どうだろう。会う事が少ないから」
 「幸一。お前から誘う事ってあるんか」
 …無い。
 「おまえなー、そらアカンで」
 「すまない」
 「いや、俺に謝ってもしゃあないやろ」
 耕平は呆れたように言った。確かにその通りだ。
 「今日の放課後にでも誘ったり。夏美ちゃん遠慮しそうな子やから、迷惑かと思って控え目にしか誘ってこうへんで」
 正直、誘う気にはなれない。昨日春子と寝た翌日に夏美ちゃんと顔を合わせる勇気は無かった。
 「そうするよ」
 ただ、耕平のいう事自体はもっともだと思った。耕平は経験が豊富だからアドバイスは的確だ。
 「あとな、夏美ちゃんとはもう寝たん?」
 ただ、ストレートすぎる事もある。
 「その様子やとあるみたいやな」
 「ああ。一回だけ」
 「それ以降で夏美ちゃんが誘ってきたことはあるん?」
 脳裏に屋上での夏美ちゃんが浮かぶ。
 「一回それっぽいのがある」
 「それ以降は?」
 「無い」
 耕平はため息をついて天を仰いだ。
 「夏美ちゃんも苦労するでホンマ」
 耕平は僕にビニール袋を渡した。
 「やるわ」
 僕は中身を確認した。コンドームだ。
 「耕平」
 「あのな、何で幸一から誘わへんの」
 僕は少し腹を立てていた。まるで尋問に聞こえたからだ。だが、僕が何も言わなくても耕平が言う忠告は必要な事がほとんどだ。だから僕は正直に答えた。
 「恥ずかしいというのもあるけど、体だけを求めているようで夏美ちゃんに失礼な気がする。夏美ちゃんは優しいから僕が求めれば応えてくれると思うけど、それに甘えたくはない」
 ていうか僕と夏美ちゃんは付き合ってほんの数日だ。
 「じゃあ何で夏美ちゃんはそれっぽく誘った事があるんやと思う」
 あの時の夏美ちゃん。切なそうに僕を見つめる濡れた視線。春子に重なる。
 「…よく分からないけど、僕に気を使ってくれたんだと思う。遠慮しないでいいと」
 「なんでやねん」
 耕平の突っ込み。
 「ええか。女の子からしたらやで、男ががっついて求めてくるんはまあ嫌に思う事もある」
 「それはそうだろう。そんな事をすれば体だけが目的に思われても仕方がない」
 「せやけどな、全く求めてこないんも苦痛やで。女の子からすればや、魅力が無いんかと悩むねん」
 僕は虚をつかれた。その発想は全く無かった。
 「幸一からすれば夏美ちゃんを大切にしたいと思うんは当然や。せやけど、女の子って大切にしてほしいって思う以上に好きな人には求められたいって思うもんやで」
 「だったら夏美ちゃんがそれ以外にそれっぽく誘ってきたことが無いのは何でだ?」
 「一回誘って幸一は応じへんかったんやろ?それで遠慮してるねん。それに誘って応じんかったら自分に自信をなくすで」
 夏美ちゃんの行動を思い浮かべる。耕平の言う事は筋が通ってる。
 「放課後やなくて今から誘い」
 耕平の言うとおりだ。
 それなのに脳裏に昨日の夜の出来事が浮かぶ。僕は夏美ちゃんを裏切った。その僕が夏美ちゃんにノコノコ会いに行っていいのか。一瞬の葛藤が永遠に感じる。
 それでも、夏美ちゃんに寂しい思いをさせたくない。
 僕は立ち上がった。
 「耕平」
 「なんや」
 「ありがとう」
 本当に感謝している。
 「今から行ってくる」
 「いや、メールでもええやろ」
 「夏美ちゃんの顔を見たい」
 「ええ心がけや。行ってきい」
 僕は走り出した。お昼休みの時間は残り少ない。


261 三つの鎖 11 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/01/09(土) 00:36:58 ID:9BSA5hkY
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 一年生の廊下に見覚えのある小さな背中を見つけた。
 「夏美ちゃん!」
 驚いたように振り向く夏美ちゃん。僕を見て嬉しそうに笑った。
 「お兄さん!」
 小さな手を振って駆け寄ってくる。
 「びっくりしましたよ!」
 「夏美ちゃん。今日の放課後よかったら遊びに行かない」
 夏美ちゃんはびっくりしたように僕を見上げた。こうして見ると夏美ちゃんは本当に小柄だ。
 「え、あ、その、あの」
 口を両手で覆い震える夏美ちゃん。
 「ごめん。突然で。用事があるのかな」
 夏美ちゃんは激しく首を横にふった。
 「ち、違うんです!そ、その、お兄さんから誘ってくれたのが初めてで、嬉しいんです!」
 夏美ちゃんは顔を真っ赤にして震えた。目尻に涙が浮かぶ。
 僕は罪の意識を感じた。夏美ちゃんに寂しい思いをさせていたんだ。それなのに僕は昨日、脅しに屈したといえ春子と寝た。メールにも返信しなかった。僕は渦巻く感情を表に出さないように微笑んだ。胸が痛い。
 「もちろんです。ご一緒させてください」
 嬉しそうに笑う夏美ちゃんを見て顔が熱くなる。ここまで嬉しそうにされると、僕も恥ずかしい。
 「ありがとう。じゃあまた放課後に迎えに行くよ」
 「はい!待っています!」
 「またね」
 「はい!」
 元気よく手を振る夏美ちゃんに後ろ髪をひかれる思いで僕はその場を後にした。
 走りながら考えた。夏美ちゃんと別れたほうがいいのかもしれない。
 僕は夏美ちゃんにはふさわしくない。昨日、春子と体を重ねたのに、夏美ちゃんと笑顔で接する事ができる自分。
 分かっている。感情のまま深刻な表情で接しても余計な心配をかけるだけ。相談できる内容ではない。
 夏美ちゃんの笑顔が脳裏に浮かんで消える。僕は頭に浮かぶ悩みを追い払った。今は放課後の事だけを考えようと思った。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 授業中に手紙が回ってきた。
 『どない?』
 差出人もないけど、誰かは分かる。
 耕平を見ると視線が合った。僕は軽くうなずいた。耕平も軽くうなずいた。僕たちはそれだけで通じ合った。
 しばらくしてまた手紙が回ってきた。
 『もうこっそり撮影することはないです。安心してください』
 頭を殴られたような衝撃。これも差出人が無いけど、誰かは分かる。
 僕は春子を見た。視線が合う。春子は笑ったけど、どこか寂しそうに見えた。
 深呼吸をし、僕はルーズリーフにメッセージを書いた。書いたそれを春子に回す。
 『何で知っている』
 しばらくして返信が帰ってきた。
 『今日夏美ちゃんとお昼を一緒に食べました。寂しいと言ってました。お姉ちゃんはもう隠し撮りする気も必要もありません。これだけはお姉ちゃんを信じてください』
 信じていい根拠は何もない。春子は僕を脅迫している。その状況で信じろなんて不可能だ。
 むしろ信じてはいけない。もしかしたら夏美ちゃんの部屋にビデオカメラが隠されているかもしれない。あるいは他の場所に隠されている可能性もある。
 早急に調べる必要がある。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 帰りのホームルームが終わって、僕は席を立った。
 耕平と目が合う。耕平は手を掲げた。応援してくれるのは感謝するけど、その手の形は止めて欲しい。
 春子と目が合う。にっこり笑う春子。いつも通りの笑顔。
 昨日の事を思い出してしまう。夏美ちゃんを裏切った僕が今から夏美ちゃんに会いに行く。罪悪感に思わず足が止まる。
 「幸一君」
 耳元に小さな囁き。
 「昨日の事は幸一君が気にする必要はないよ。幸一君は脅されて仕方が無くやったのだから」
 気がつけば春子がすぐ傍にいた。優しげに微笑んでいる。
 「行ってらっしゃい。お姉ちゃん応援しているよ」
 分からない。春子は何を考えているのか。
 僕は教室を出た。春子のそばにいるのが恐ろしかった。


262 三つの鎖 11 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/01/09(土) 00:40:25 ID:9BSA5hkY
 最初は歩いていたけど、気がつけば走っていた。夏美ちゃんの事を考えていると、自然と足が速くなった。
 夏美ちゃんの教室をこっそりのぞきこむ。
 人がまばらな教室。梓はいないようだ。夏美ちゃんはどこだろう。
 いた。向こうも僕に気がついて駆け寄ってきた。
 「お兄さん!」
 「ごめん。待ったかな」
 「いえいえ!お兄さんのためなら一万年と二千年でも待ちます!」
 夏美ちゃん何年生きるつもりだろう。
 「あ、いえ、すいません。興奮しちゃって」
 恥ずかしそうに笑う夏美ちゃん。照れた仕草が可愛い。
 「行こうか」
 「はい!」
 僕たちは並んで歩きだした。小柄な夏美ちゃんに歩幅を合わせてゆっくり歩く。
 校門を目指しながら僕らはどこに行くかを話した。
 「夏美ちゃんは行きたい所ある?」
 「うーん。お兄さんと二人きりになれる場所がいいです」
 夏美ちゃんは顔を真っ赤にして言った。
 「二人きりか。うーん」
 これはどうなのだろう。夏美ちゃんなりのアプローチなのだろうか。
 「えっと、お兄さん、そのですね」
 恥ずかしそうにもじもじする夏美ちゃん。
 耕平が脳裏に浮かび拳を向けた。その手は止めて欲しい。
 「夏美ちゃんが良かったら家にお邪魔してもいいかな」
 夏美ちゃんは文字通り飛び上がった。
 「めっちゃ歓迎です!もうお兄さんの家と思ってください!」
 そんなに喜んでくれると、とても恥ずかしい。
 「ありがとう」
 僕は夏美ちゃんに手を差し伸べた。夏美ちゃんは恥ずかしそうに僕の手をつかむ。小さい手は温かくて柔らかい。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 お兄さんが私の部屋に来るのは二回目だ。
 私はすごく緊張していた。来る途中にお兄さんと手をつないだのが嬉しくて恥ずかしい。
 屋上での続きを期待してしまってドキドキする。いけない。今の私は完璧に変態だ。
 「夏美ちゃん」
 「はひっ!」
 噛んだ。私緊張しすぎ。
 「あそこのもの入れは使っているの?」
 お兄さんの視線の先には、壁に据え付けの小さな扉の付いたもの入れ。ってえええー。お兄さん、二人きりですよ?私より物入れに興味があるのですか?
 「いえ、使ってないです。高くて私だと手が届かないんです」
 答えながらも少しへこむ。ハル先輩。お兄さんはやっぱり鈍感です。こうなればハル先輩に教えてもらった方法で誘惑します。
 「申し訳ないけど、中を見せてもらっていいかな」
 ってそんなに気になるんですか!恋人と二人っきりですよ!
 「ご自由にどうぞ」
 そっけなく言ってしまう。うーむ。お兄さんすいません。
 「ありがとう」
 お兄さんは手を伸ばし扉を開けた。お兄さんてすごく身長が高い。私は女子の中でもちょっと低いから羨ましい。
 私はため息をついた。今日お兄さんが誘ってくれて私の家に行きたいと言ってくれた時はすごく嬉しかったのに、今はちょっぴり憂鬱だ。私より私の部屋がいいんだ。
 お兄さんを恨みがましく見上げる。お兄さんは真剣に奥を調べていた。
 「何かあるんですか?」
 「ううん。何もないよ」
 そうだよ。使った記憶がないもん。私はベッドに座ってため息をついた。今日は屋上の続きはなさそうだ。ううう。私ってそんなに女の魅力が無いのかな。
 そりゃハル先輩はほんわかな感じの美人で胸もすごく大きいし、なんていうか大人なナイスバディだし、梓はお人形さんみたいに綺麗で透き通るような肌に艶のある長い髪も素敵だし。
 考えれば考えるほどへこんでしまう。お兄さんから見たら私って女の魅力に乏しいのかな。
 「夏美ちゃん。隣に座っていいかな」
 「どうぞ」
 別にがっついて求めて欲しいわけじゃない。だけど、ここまで何もないのも悲しい。
 隣にお兄さんが座る。ちょっと動けば触れそうな距離。って近いっす!え?え?いつもお兄さんは微妙な距離をとって座るのに。その距離を詰めるのはいつも私なのに。
 お兄さんらしかぬ行動に混乱してしまう。本当にお兄さんなの?
 私はすぐ隣のお兄さんを見上げた。目が合う。お兄さんの瞳はいつも通り澄んで綺麗だ。だけど、なんだかつらそうに見える気がする。気のせいだろうか。


263 三つの鎖 11 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/01/09(土) 00:43:19 ID:9BSA5hkY
 お兄さんは私を抱きよせた。お兄さんの腕の中は温かい。積極的なお兄さんにドキドキする。
 私はお兄さんの胸に顔をうずめた。恥ずかしくてお兄さんの顔を見られない。
 お兄さんの手が私のあごに引っ掛かり、ゆっくりと私の顔を上に向ける。お兄さんの顔が近い。お兄さんの瞳が「いい?」と訴える。
 私は目を閉じた。私の答え。
 唇に柔らかくて温かい感触。お兄さんの唇。
 私たちはしばらくそのままお互いの唇を感じていた。
 お兄さんはゆっくり唇を離す。私は目を開けてお兄さんを見上げた。悲しそうな瞳が印象的だった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 僕は夏美ちゃんを上から覗き込んだ。夏美ちゃんの瞳はいつも通り澄んでいる。
 夏美ちゃんは変わらない。僕は変わった。
 罪悪感が胸を締め付ける。夏美ちゃんの隣にいる資格が僕にあるのだろうか。
 「ひっく、うっく」
 夏美ちゃんが突然しゃくりあげた。目尻から涙がぽろぽろ落ちる。
 「どうしたの」
 浅ましくも深い恐怖が僕を包み込む。まさか僕の裏切りを知っているのだろうか。
 「ぐすっ、すいません、ひくっ、うれひいんです」
 涙を拭いながら夏美ちゃんは僕を見た。うれし泣きの表情。
 「わたひっ、みりょふなひのかと、ぐすっ」
 私魅力ないのかと。
 「うっく、おにひさん、ぐすっ、わたひをもとめへくれなひから」
 お兄さん私を求めてくれないから。
 「だはらうれひいんです、ぐすっ、おにひさんからもとめへふれて」
 だから嬉しいんです。お兄さんから求めてくれて。
 夏美ちゃんは泣きながら伝えてくれた。
 僕は夏美ちゃんの涙をぬぐい、頬にキスした。
 「ごめん」
 本当に僕は馬鹿だ。夏美ちゃんにここまで寂しい思いをさせて。
 僕の胸の中で泣きながら震える夏美ちゃん。夏美ちゃんの背中に腕を回してそっと抱きしめる。震える小さな背中。
 別れると告げたら、夏美ちゃんはどれだけ悲しむだろう。
 僕の背中に夏美ちゃんの腕が回される。震える腕が精一杯抱きしめてくる。
 言えない。言いたくない。夏美ちゃんが悲しむ姿を見たくない。
 僕は静かに決意した。
 夏美ちゃんが悲しませないためなら、僕は耐えよう。胸を締め付ける罪悪感も、何もかもを。
 僕は夏美ちゃんをゆっくり押し倒した。夏美ちゃんの目を見る。顔を赤くしながら夏美ちゃんはうなずいた。
 手を伸ばし、夏美ちゃんの服を一枚一枚脱がしていく。夏美ちゃんの手が伸び、僕の服のボタンを外してくれた。二人とも生まれたままの姿になる。
 顔を真っ赤にして恥ずかしそうにうつむく夏美ちゃんの顎に手を添え、上を向かせる。小さい唇に僕はキスした。
 「んっ……ちゅっ……あむっ……」
 目を閉じ、拙くても一生懸命な動きで応えてくれる夏美ちゃんが愛おしい。
 僕は夏美ちゃんの口腔に舌をいれた。ゆっくり舌を絡ませる。
 「んんっ…じゅるっ…ちゅっ…んっ」
 夏美ちゃんも一生懸命舌を絡ませてくる。僕たちはゆっくりとお互いの舌を舐める。それを何度も繰り返してから、僕は顔をゆっくり離した。夏美ちゃんの唇から糸を引く。
 僕は夏美ちゃんの胸を両手で撫でた。滑らかで柔らかい。くすぐったそうに夏美ちゃんが身をよじる。そのままゆっくり揉む。すぐに汗でしっとりしてきた。
 「あっ……んっ……やっ……ひうっ」
 恥ずかしそうに顔をそむける夏美ちゃんの首筋にキスする。そして強く吸う。
 「きゃうっ!ああっ!」
 びくりと震える夏美ちゃん。僕はそのまま夏美ちゃんの太ももの付け根に手を伸ばす。ふれるとクチュリと水音がした。
 「ひうっ…やあっ…だめです…」
 夏美ちゃんのよわよわしい声を無視して僕は夏美ちゃんの膣の入り口の筋をゆっくりなでた。
 「ひゃっ…いやっ…あっ…ひふっ…んあっ…ひゃうっ」
 体を震わせ熱い吐息を吐く夏美ちゃん。胸を揉む手に顔を近づけ、既に立っている乳首を口にする。
 「ひあっ!?」
 僕は舌で乳首を転がす。さらに膣の入り口に添えた手の動きを少しずつ速める。
 「やっ…だめっ…きゃうっ…んっ…あっ…ひうっ」
 夏美ちゃんは必死に身をよじる。その姿が可愛い。
 僕は夏美ちゃんの膣に指をゆっくり差し込む。
 「ひうっ!?」
 夏美ちゃんの膣の中はすでに十分に濡れている。僕は何度も指を往復させる。そのたびに夏美ちゃんは身をよじり震える。
 「んあっ、ひあっ、ひゃうっ、ひぐっ、やあっ、きゃうっ」


264 三つの鎖 11 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/01/09(土) 00:48:39 ID:9BSA5hkY
 夏美ちゃんは声を震わせ必死に僕にしがみついてくる。夏美ちゃんにとっては精いっぱいの力なのかもしれないけど、あまりに非力。僕は夏美ちゃんの腕を引き離し、頬にキスする。
 僕は夏美ちゃんの膣から指を抜いた。びくりと震える夏美ちゃん。僕の下から切なそうに見上げる。その耳に口を近づけ僕は囁く。
 「夏美ちゃん」
 びくっと夏美ちゃんは震え、僕の下でもぞもぞ動く。四つん這いになり僕にお尻を向ける。夏美ちゃんはこの姿勢が好きなんだろうか。前に意識がもうろうとしていた時も同じ姿勢をとった。
 僕は夏美ちゃんの小ぶりなお尻を少し強めに揉みほぐした。滑らかで柔らかい。
 「んっ…あうっ…ひゃっん…あっ」
 震える夏美ちゃん。丸見えの膣の入り口から愛液が溢れ出す。僕はコンドームを装着した。初めての動作に少し手間取る。
 僕は剛直の先端を膣の入り口の添える。クチュリと水音がした。夏美ちゃんの体がびくっ震える。
 「いくよ」
 夏美ちゃんはかくかくと首を振った。
 僕は両手で夏美ちゃんの腰をつかみ、ゆっくりと腰を押し出した。
 「ああっ…んっ…ひっ…やっ…うあっ」
 身をよじる夏美ちゃん。夏美ちゃんの膣は相変わらず熱くてきつい。お互いの性器がこすりあう感覚が堪らない。ほどなく膣の奥にたどりつく。子宮の入り口を軽くつつく。
 「ひうっ!?」
 夏美ちゃんの白い背中が跳ねる。夏美ちゃんはここが弱いらしい。僕はゆっくりと腰を引く。
 「ひゃ…あっ…いやっ…ああっ…ひうっ」
 じれったいぐらいの速さで剛直を抜く。絡みつく夏美ちゃんの膣が気持いい。僕は夏美ちゃんの膣をゆっくりと何度もかき混ぜた。
 夏美ちゃんが切なそうな声をあげ震える。膣の奥をつつくたびに、キュっと剛直を締め付けるのが気持いい。
 「んっ…おにいさっ…おねがっ…もっとっ…はやくうっ」
 切なそうに懇願する夏美ちゃん。おねだりするかのように小さいお尻がふるふる動く。
 僕は腰の動きを少し速めた。結合部からぐちゅぐちゅといやらしい水音が部屋に響く。剛直はスムーズに夏美ちゃんの膣を往復する。
 「きゃうっ、やっ、ああっ、ひうっ、いいっ、ひあっ、おにいさっ、んあっ」
 悲鳴のような嬌声を上げる夏美ちゃん。白い背中には玉のような汗が浮かぶ。
 激しく責めたいのをこらえて僕は何度も夏美ちゃんの膣をすり上げた。ゴム越しでも心地よい感触。柏手を打つようなぱんっ、ぱんっという音が部屋に響く。
 「ひぐっ、おにいひゃっ、きゃうっ、なしゅみっ、らめっ、もうらめっ、ひゃうっ」
 呂律の回らない舌で必死に訴える夏美ちゃん。僕は少しだけ腰の動きを速めた。夏美ちゃんの喘ぎが少し大きくなる。
 「ああっ、ひぎっ、おにいひゃっ、らめっ、やあっ、あっ、あっ、あああっ、あああああああーーーーーっっっっっっっ!!!!!」
 夏美ちゃんはひときわ高く嬌声をあげ背中を大きく逸らした。膣が一気に締め付け腰の動きが阻害される。
 「ひうっ…あんっ…んっ…あうっ」
 ぐったりとして顔を布団に押し付け荒い息をする夏美ちゃん。小さな肩が上下する。
 僕はまだイってない。硬いままの剛直で思い切り夏美ちゃんを責めたい衝動を抑え、夏美ちゃんの息が整うのを待つ。
 「夏美ちゃん。大丈夫?」
 「はいっ…らいじょうぶでしゅ」
 あまり大丈夫そうじゃない。
 「いいでしゅ…うごいてくだしゃい」
 夏美ちゃんは腰をふる。白いお尻がたどたどしく動く。
 「んっ……あっ……うあ……」
 僕は腰の動きを再開した。とたんに夏美ちゃんは大きく喘ぐ。僕は何度も剛直で膣の一番奥をつついた。剛直の先端にコツンコツンとくる衝撃が気持いい。
 しかし、なかなか絶頂を迎えない。ゴム越しなのと、動きを抑えているからだろう。夏美ちゃんを思い切り蹂躙したい男の暗い欲望を必死に抑えた。
 「ひあっ!きゃうっ!ひぎっ!ああっ!きゃうっ」
 必死に布団を握る小さい手。甲高い嬌声。震える白い背中。全てが僕の嗜虐心を刺激する。必死に我慢し、動きを抑えて何度も夏美ちゃんの膣を往復する。
 剛直の先端が子宮の入り口を何度もつつく。その度に膣が剛直を締め付ける。部屋には夏美ちゃんの喘ぎ声と腰のぶつかる音、性器のすれる水音だけが響く。
 じわりじわりと腰に射精感がたまってくる。僕は我慢できず腰の動きを少し速めた。
 「あああっ!!ひあうっ!!!ひぎっ!!!あああっ!!!」
 夏美ちゃんは背中を反らし激しく身をよじらす。僕は両手で腰をがっちり固定した。白い背中はかすかに桜色に染まり、玉のような汗が滑らかな肌の上を滑る。
 夏美ちゃんを蹂躙し続け、ついに僕は達した。膣の一番奥でゴム越しに精液を吐き出す。


265 三つの鎖 11 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/01/09(土) 00:52:10 ID:9BSA5hkY
 「ひあっ……んっ……あっ……ああっ……あうっ……ひっ」
 荒い息をつきながら震える夏美ちゃん。ぐったりと布団に突っ伏す。小さな背中が小きざみに上下する。
 僕は夏美ちゃんの体を返し、仰向けにした。白い胸が大きく上下する。少し激しくしすぎたかもしれない。
 うつろに天井を見上げる夏美ちゃんの瞳。疲れ切ったように小さな体をベッドに横たえている。
 僕は夏美ちゃんの頬にキスし、シーツをかぶせた。休ませてあげようと思った。夏美ちゃんは幸せそうに眠りについた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 いい匂いにつられて私は目を覚ました。
 頭がぼんやりして気だるい。上半身を起こすと掛けられていたシーツが落ちる。
 顔を上げると、机の上にコップ一杯の水がある。それを見たとたん、私はのどの渇きを覚えた。
 ベッドを下りようとすると足腰がふらつく。股間にすごい違和感を感じる。私は眠る前に何をしていたかを思い出した。
 顔に血が昇る。私はコップをつかみ一気に飲みほした。ただの水がとても甘く感じる。 私は下の下着とTシャツだけを着た。
 部屋を見渡す。お兄さんはいない。もう帰ったのだろうか。
 お兄さんとの情事が脳裏をよぎる。私は胸に手をあてため息をついた。鏡をのぞくと、首筋に口づけの痕が。私はその痕をなぞった。お兄さんの唇の感触が蘇る。
 ふと匂いに気がつく。おいしそうな匂い。
 私は部屋を出てキッチンに向かった。違和感のせいで歩きにくい。内股気味に歩く。
 キッチンではお兄さんが料理をしていた。
 「夏美ちゃん。起きた?」
 お兄さんは振り返り微笑んだ。笑顔に顔が熱くなる。
 「すいません。私だけ寝ちゃって」
 お兄さんは笑ってコップに水を入れてくれた。私は礼を言って受け取った。
 「勝手にキッチンを借りてごめんね。ご飯を作ったからよかったら食べてね」
 お兄さんの手料理。ひゃっほー!テンションが上がるぜ!
 「めっちゃ嬉しいです!何を作ってくれたのですか?」
 「肉じゃがだよ。冷蔵庫の食材的にそれ以外が浮かばなくて」
 「すいません。カレーの材料ばかりですから」
 私たちは笑い合った。お兄さんとの距離を近くに感じた。
 「夏美ちゃん。名残惜しいけど今日はもう帰るよ」
 嬉しさと恥ずかしさに頬が熱くなる。
 お兄さんが名残惜しいと言ってくれたことが素直に嬉しい。
 「今日はありがとうございました」
 玄関まで見送ろうとすると、足腰がふらついた。お兄さんが支えてくれる。
 「夏美ちゃん大丈夫?」
 「は、はい」
 お兄さんのが入っている感触がいまだに残っている。今日のお兄さんもすごく激しかった。
 「その、ごめん」
 申し訳なさそうに頬をかくお兄さんが可愛い。
 「いえ、すごく嬉しかったです」
 私の本当の気持ちだ。お兄さんが積極的に求めてくれたのが嬉しかった。
 「また明日」
 「はい。お気をつけて」
 最後に軽くキスをしてお兄さんは帰って行った。
 私はシーツを洗濯機に放り込みシャワーを浴びてからお兄さんの手料理を食べた。
 いつもは一人で食べる寂しい夕食も不思議と温かかった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



266 三つの鎖 11 後編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/01/09(土) 00:54:43 ID:9BSA5hkY
 外はすでに暗かった。
 梓には悪い事をしたかもしれない。夕食は遅れると知らせておいたから一人で夕食を食べたのだろう。
 夏美ちゃんの笑顔が脳裏に浮かぶ。炭火のような静かな温かさを持つ女の子。夏美ちゃんの事を考えるだけで胸が温かくなる。
 自分でも意外だった。一人の、それも年下の女の子のことを考えるだけでこんなに幸せで温かい気持ちになれるなんて。
 そんな事を考えながら歩いていると、前から知っている人間がゆっくりと歩いてきた。幽鬼のような姿に背筋が凍る。
 「幸一君」
 私服姿の春子が僕の名前を呼んだ。いつもののんびりした笑顔からは想像もできない無表情。
 「ついて来て」
 春子は冷たい声で僕に告げた。
 「春子。僕は」
 今日は帰ると続けようとして言えなかった。春子の視線が暗い光を放つ。今まで見たこともない負の感情をぶつけてくる。
 「お姉ちゃんはね、お願いしているんじゃないよ。分かっているでしょ」
 僕は唇をかみしめた。夏美ちゃんの姿が脳裏に浮かぶ。
 春子は僕に近づいてくる。僕の目の前で止まり僕を見上げる。暗い瞳。次の瞬間、迫る春子の手を僕はつかんでいた。
 見えていたけど理解できなかった。春子の手が翻り僕の頬を叩こうとしたのを反射的に防いだというのを理解するのに数瞬かかった。
 僕は呆然とつかんだ春子の手を見つめていた。白くて綺麗な手。
 「ふふふっ。幸一君のショックを受けた表情も可愛いよ」
 暗い喜びに満ちた春子の笑顔。
 春子の言うとおりショックは大きかった。今まで春子が僕をぶったことはない。春子は僕にとって幼馴染である以上に姉だった。僕にとって一番親しくて身近にいて助けてくれた女の子。
 脅迫されている今でも、きっともとの関係に戻れると心のどこかで信じていた。
 現実には春子は本気で僕を傷つけようとして喜んでいる。春子に犯されたことよりも、脅迫されたことよりも、はるかに衝撃的だった。
 春子は僕に近づき腕をからめた。温かくて柔らかいのに、どこか冷たく感じる。
 「お姉ちゃんについて来て」
 春子は僕と腕を組んだまま歩きだした。それに引っ張られるように僕も歩いた。
 「どこに」
 「黙ってついて来て」
 僕と春子の歩く方向は夜の暗闇に包まれている。街灯の明かりがあるけど、暗くてよく見えない。
 まだ春先なのに、夜の帳は冷たかった。


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最終更新:2010年01月23日 19:49
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