三つの鎖 13 前編

409 三つの鎖 13 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage New! 2010/01/22(金) 00:18:47 ID:Psi6wx6u
 誰もいない早朝の教室で私はぼんやりしていた。
 最近、梓は早朝に登校することはない。いつもお兄さんと登校しているらしい。昔に戻っただけだけど、それでも少し寂しい。
 私はため息をついた。霧のように不安がまとわりつく。別に嫌な事があるとか、不安を感じさせる出来事があるわけではない。むしろ逆だ。何もかもが順調なのだ。
 お兄さんはすごく優しい。優しいだけではなくて、私の望んでいる事をさりげなく行ってくれる。
 最近、私とお兄さんは放課後に一緒にいる事が多い。いつもお兄さんがそれとなく誘ってくれる。本当なら柔道の練習に行ったり家事があったりでお兄さんは忙しいはずだけど、家事は梓と分担するようになり、柔道は頭を強打したのでしばらく休むらしい。
 放課後にぶらぶらした後、私の家でエッチするのが最近の日常だった。思い出すと思わず顔が熱くなる。
 優しいお兄さんも好きだけど、ベッドで私を求めてくれるお兄さんも好きだ。私の好みに合わせて少し激しくしてくれる。
 私は変態なのかもしれない。お兄さんにちょっと乱暴に抱かれるのが好き。必要とされているように感じて嬉しいし気持いい。お兄さんは最初は優しくしてくれたけど、私の好みが分かってくれたのか最近はいつも少し激しくしてくれる。
 その後お兄さんは料理を作ってくれる。お兄さんはいつも食べずに帰るので私は一人で食べるけど、寂しいと思ったことは無い。いつも自分で作ったカレーを一人で食べるのに比べたら何とも思わない。
 順調なのに不安を感じる。いや、順調すぎるから不安を感じるのだろう。ぜいたくな悩み。
 私はため息をついて窓から校門を見た。まだ誰かが登校する時間ではない。早朝の部活に参加する学生だってまだ家にいる時間だ。と思ったら一人歩いている。
 誰か一瞬で分かった。お兄さんだ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 「びっくりしましたよ」
 夏美ちゃんと僕は屋上のベンチに座って話した。
 「こんな早くにお兄さんが来るなんて」
 確かに登校には早すぎる時間だ。他に学生は誰もいないだろう。
 「今日はどうしたんですか?」
 不思議そうに僕に尋ねる夏美ちゃん。まっすぐな視線が突き刺さる。
 「教室で本でも読もうと思って」
 本当は違う。家にいずらいのだ。最近、梓は何かと僕を心配し気を遣う。何か感づいたのかもしれない。何かと世話を焼き甘えてくる。それがつらい。今は一人でいたい。
 あの日以来、僕は春子を幾度となく抱いた。
 春子のご両親が留守の時は春子の部屋で、そうでない時はホテルを利用した。いつも春子から誘ってきた。
 僕は断らなかった。断われるわけがなかった。脅されているとはいえ、罪の意識は消えない。
 春子の誘いに僕は抵抗した。何度も春子にやめるように頼んだ。
 それでも春子は聞いてくれなかった。映像の事を持ち出して僕を脅した。そうなると僕は何も言えないし、逆らえない。
 夏美ちゃんと一緒にいる今も、強烈な罪悪感が胸を締め付ける。
 「夏美ちゃんこそこんな朝早くにどうしたの?」
 僕は罪悪感を隠して夏美ちゃんにほほ笑んだ。絶対に知られるわけにはいかない。
 夏美ちゃんは何も言わずにじっと僕を見上げた。澄んだ瞳が僕を映す。
 瞳に映った僕は何も変わらない穏やかな笑顔だった。笑顔を作るのだけはうまくなった。
 突然、夏美ちゃんは僕に抱きついてきた。僕の胸に顔を埋める。
 「どうしたの?」
 僕は夏美ちゃんの背中に腕をまわし抱きしめた。夏美ちゃんは僕の腕の中で震えている。
 「嫌なんです」
 夏美ちゃんの言葉に心臓が止まりそうになる。
 「あの家にいると、昔を思い出して嫌なんです」
 違った。安堵のため息を飲み込む。
 「何がだい?」
 「私のお母さんとお父さん、今はお仕事で海外に住んでいます。二人とも別の国にです。お父さんもお母さんも一緒に住もうって言ってくれますけど、私選べないんです。だから私一人であのマンションに残ってるんです」
 夏美ちゃんの声は震えている。
 「お父さんもお母さんも仲はいいです。私、お父さんもお母さんも大好きです。だからどちらか選べって言われたとき、選べませんでした。だから私一人で日本に残ったんです。正直寂しいですし、不安です」
 僕にしがみつく夏美ちゃんの腕に力がこもる。とても非力な力。
 「今も不安なんです。お兄さんが優しいのが不安なんです。もしかしたら何かあるんじゃないかって。私の事が好きなんじゃなくて他の理由で私に優しくしてくれているんじゃないかって」
 胸に渦巻く罪悪感が僕を苛む。今すぐ逃げ出したい衝動を必死で抑えた。
 「分かってます。私の被害妄想だって。お兄さんはそんな人じゃないのに」


410 三つの鎖 13 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage New! 2010/01/22(金) 00:21:21 ID:Psi6wx6u
 夏美ちゃんの言葉が僕の心に突き刺さる。
 「ごめんなさい。私お兄さんの事を愛しています。でも好きになればなるほど不安に思うんです」
 「安心して夏美ちゃん」
 僕は夏美ちゃんの頬にキスした。
 「僕も愛しているよ」
 泣き笑いの表情で夏美ちゃんも僕の頬にキスしてくれた。
 僕は最低だ。
 今すぐに何もかもをぶちまけたい。でもそんな事をしても何になるのか。
 「ひっくっ、好きです、ぐすっ、愛しています」
 ぐずりながら僕に愛していると囁く夏美ちゃん。罪悪感が胸を締め付ける。
 僕はキスしながら夏美ちゃんの太ももを撫でた。夏美ちゃんがびくりと震える。
 「あっ……そんなっ……だめですっ……」
 かすかに顔を赤くして身をよじる夏美ちゃん。僕はスカートの上から軽くなぞる。
 「ひあっ……こんな場所で……あんっ」
 恥ずかしそうに抵抗する夏美ちゃん。
 「夏美ちゃん」
 僕は囁く。
 「忘れさせてあげる」
 夏美ちゃんは震えた。期待するかのように僕を見上げる。何度も見た綺麗な瞳。
 僕は夏美ちゃんのスカートに手を入れ下着に手をかけた。夏美ちゃんは腰を浮かす。脱がした下着はかすかに濡れていた。
 スカートの下から手を差し入れ、夏美ちゃんの膣の入り口をなでる。
 「ひうっ……ああっ……んっ……」
 僕の腕の中で震える夏美ちゃん。吐きだす息が熱い。僕は指を膣に挿入した。
 「ひっ!」
 硬直する夏美ちゃん。膣はすでに濡れていた。僕は指を何度も出し入れする。
 「ひあっ…あっ…んんっ…きゃふっ」
 可愛い声を出して震える夏美ちゃん。僕は指を抜いた。
 荒い息をつく夏美ちゃんに僕は囁いた。
 「どうする」
 夏美ちゃんが泣きそうな顔をする。
 「ひぐっ…おにいさん…いじわるしないで…」
 「ごめん」
 僕は夏美ちゃんの頬にキスした。手早くコンドームをつける。ベンチを降り床に座る。
 夏美ちゃんの体を引きよせ僕の膝の上に向かい合って座らせた。夏美ちゃんの腰を浮かせ、膣の入り口に剛直の先端を当てる。夏美ちゃんの体がびくりと震える。
 「入れるよ」
 僕はゆっくりと夏美ちゃんの体を沈めた。剛直がゆっくりと膣に包まれる。
 「ひっ…ああっ…入ってますっ…あうっ…」
 僕にしがみついて震える夏美ちゃん。声には隠しきれない快感。
 やがて剛直の先端が膣の一番奥をつつく。夏美ちゃんがひときわ大きく震えた。
 夏美ちゃんにキスして僕はゆっくりと小さい体を揺さぶった。
 「ひあっ…んんっ…きゃうっ…ああっ…」
 ゴム越しでも夏美ちゃんの膣をこする感覚が気持いい。僕はゆっくりと揺さぶり続けた。夏美ちゃんの体が震える。
 「んっ…おにいさんっ…おねがいです…あっ」
 夏美ちゃんは僕の腕の中で切なそう僕を見た。この姿勢だと夏美ちゃんの顔がすぐ目の前にある。
 「もっとっ…乱暴にっ…」
 目の前の夏美ちゃんの顔が羞恥に染まる。
 何度も夏美ちゃんを抱いて分かったけど、夏美ちゃんは少し乱暴にされるのが好きだ。もちろん、本気を出して腰を動かすと夏美ちゃんの体力が持たないし、僕ももたないのでで抑えているけど。
 僕は夏美ちゃんに少し乱暴にキスすると、腰の動きを少し速めた。
 「ひうっ!?」
 夏美ちゃんが嬌声を上げる。少し大きめに腰を動かし、膣の奥を何度もつつく。
 「ひあっ、きゃんっ、ああっ、ひっ、やあっ」
 嬉しそうに夏美ちゃんが体をよじる。僕はその動きを抱きしめて抑え、さらに夏美ちゃんを責める。
 「やあっ、らめっ、ひぐっ、ひあっ、いやっ」
 夏美ちゃんの言う事とは逆に膣は締まる。僕は動きを抑えつつも執拗に責めた。
 「ひあっ、なしゅみっ、もうらめっ、らめっでふっ、あっ、ああっ、あああああああーーーーーっっっっ!!!!!」
 強烈な快感。夏美ちゃんの膣が剛直をきつく締める。僕は腰の動きを止めた。背中を反らし震える夏美ちゃんの首筋を舐める。
 「ひうっ…あっ…ああっ…」
 とろんとした目で僕の顔を見る夏美ちゃん。僕は耳を甘噛みした。
 「ひゃう!?」
 「まだいける?」


411 三つの鎖 13 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage New! 2010/01/22(金) 00:24:29 ID:Psi6wx6u
 僕は硬いままの剛直で夏美ちゃんを突き上げた。
 「ひうっ!」
 震える夏美ちゃん。夏美ちゃんは僕を見てこくこくと頭を縦に振った。
 僕は腰の動きを再開した。夏美ちゃんの甘い声と体に僕はおぼれた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 最近兄さんの様子がおかしい。
 見た目こそいつも通りだけど、何となく元気がない。いや、苦しんでいるように見える。聞いても何でもないと微笑む。その笑顔も見た目はいつも通りだけど、何か違う。
 今日の兄さんは朝食を食べたらすぐに家を出た。今日は私が食事当番だから私は朝食を片付けていた。
 片付けが終わると私はすぐに家を出た。兄さんのそばにいたい。
 学校に走る途中、学生は誰もいなかった。まだ早い時間だ。
 私はまっすぐに兄さんの教室に向かった。教室には誰もいなかった。いったいどこに行ったのだろう。
 ふと夏美の事が脳裏に浮かんだ。夏美はいつも朝早くに登校する。もしかしたら夏美と話しているのかもしれない。
 邪魔していいのだろうかと一瞬考えたけど、構うものかと思った。本当ならこの時間は家で兄さんと一緒にいる。一緒に登校している。今の兄さんの時間は私のものだ。
 しかし私のクラスにも兄さんはいなかった。夏美もいなかった。
 誰もいない教室で私は考えた。どこにいるのか。ふと屋上が浮かんだ。屋上は私もよくいく。もしかしたらそこにいるのかもしれない。
 私は階段を駆け上り屋上への扉に手をかけた。そこで私は固まった。
 かすかに聞こえる喘ぎ声。
 私はゆっくりとドアのノブを回し、微かに扉を開いた。隙間から屋上をのぞく。何も見えない。
 屋上の間取りを脳裏に浮かべる。ベンチは入り口から死角にある。私は音をたてないようにドアを開き屋上に足を踏み入れた。はっきりと聞こえる。喘ぎ声。夏美の声。
 私は壁からベンチのある方向をこっそりのぞきこんだ。
 屋上に座った兄さんにまたがる夏美。夏美は兄さんに揺さぶられて嬌声をあげている。兄さんは何度も夏美にキスした。そのたびに夏美は甘い声をあげて震えていた。
 目の前の光景が理解できない。頭が真っ白になって何も考えられなかった。
 夏美の喘ぎ声が耳に響く。嬉しそうな気持ちよさそうな声。兄さんは腰を大きく動かして夏美を揺さぶる。
 分かっていた。兄さんと夏美は恋人同士だからお互いに体を重ねている事も。時々家に帰ってくる兄さんの髪から知らない香りがする事も。兄さんは私の兄さんでしかない事も。
 それでも私はどこか幻想を抱いていた。兄さんが一番大切にしてくれるのは私だと。兄さんの妹は私だけなんだと。
 足元にしずくが落ちる。涙がとめどなく溢れた。
 私は兄さんの妹でしかないんだ。
 兄さんの腰の動きが激しくなる。夏美は必死に兄さんにしがみついてる。そして兄さんの動きが止まった。二人はお互いに体を震わせながら唇をむさぼる。
 私は二人に背を向けた。屋上を出て扉を閉める。走って学校を飛び出した。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 一時間目の授業は頭に入らなかった。
 早朝の夏美ちゃんとの情事を思い出す。自覚すればするほど自分の行動の最低さを思い知る。
 あの時、僕は夏美ちゃんに忘れさせてあげると言った。本当は逆だ。僕が忘れたかったのだ。春子に脅迫され夏美ちゃんを裏切っているという現実を忘れたかったのだ。そのためだけに夏美ちゃんを抱いた。
 どこまで堕ちればいいのか。
 気がつけば一時間目が終わろうとしている。いけない。僕は気持ちを切り替えた。
 一時間目終わった後の休憩時間に夏美ちゃんが訪ねてきた。不安そうに僕を見る。
 「お兄さん。梓から連絡来ていませんか」
 もちろん無い。
 聞くと、梓が学校に来ていないらしい。携帯もつながらない。お弁当の入ったカバンが机にかけたままだから一度学校に来たのは間違いないらしい。
 夏美ちゃんが帰った後の授業中も考えた。今日の朝はいつも通りの梓だった。いったい何があったのだろうか。
 ある事に思いつき背筋が寒くなる。まさか、朝屋上で夏美ちゃんとの情事を目撃されたのではないだろうか。
 深呼吸して息を吐き出す。今は情報が少なくて何とも言えない。
 次の休み時間に僕は家に電話した。しばらくして誰かが電話に出た。
 「梓?」
 無言。誰かの呼吸が聞こえる。そして声が聞こえた。
 『兄さん』
 梓だ。僕はほっとした。
 「今日はどうしたの?」
 『ごめん。体調不良みたい』
 梓の声は沈んでいた。大丈夫だろうか。
 「帰ろうか?」
 『いいよ。そこまでひどくはないし。私の鞄だけお願い』
 「分かった。無理はしないで」
 『うん』


412 三つの鎖 13 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage New! 2010/01/22(金) 00:26:17 ID:Psi6wx6u
 そう言って梓は電話を切った。
 梓が体調不良なのは心配だけど、とりあえず家にいる事は確認できた。
 僕はため息をついた。気持ちを切り替え授業に集中した。
 梓と春子と夏美ちゃんの顔が浮かんで消えた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 梓どうしているのかな。
 私はため息をついた。三時間目は私の苦手な数学だけど、どちらにしても集中できないだろう。
 梓の席を見る。鞄だけかかった机。
 お兄さんも知らないって言っているし、どうなっているのだろう。
 三時間目が終わった後の休み時間に私は携帯を確認した。お兄さんからメールが来ていた。
 『梓は家にいる。体調不良らしい。心配をかけてごめん』
 私はほっとした。梓は無事だったんだ。でも体調不良か。大丈夫かな。放課後にお邪魔でなければお見舞いに行ってみよう。
 ついでに私はお兄さんをお昼に誘ったけど、先約があると断られた。残念。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 お昼休みに春子は僕の手を引いて生徒会準備室に来た。正直、一人でいたかったし、夏美ちゃんにも誘われたけど、春子は強引に僕を連れてきた。
 春子は僕にお弁当を差し出した。
 「お弁当を交換しよ」
 春子のお弁当をずいと突き出して笑顔で言う春子。
 僕が答える前に春子は自分のお弁当を開けた。サーモンマリネのあるお弁当。ちょっとおいしそうかも。
 春子はお箸でお弁当のおかずをつかみ僕の顔に寄せた。輝くような笑顔を向けてくる。
 「あーん」
 僕はげんなりした。
 「あーん」
 笑顔で繰り返す春子。
 僕はため息をついて春子に食べさせてもらった。どうせ断っても脅してくるだけだ。
 春子のお弁当がとてもおいしいのが腹立たしかった。
 最後の一口を食べる。咀嚼する僕を春子は嬉しそうに見つめた。
 「今度は幸一君がお願いね」
 春子は笑顔で言った。何をお願いなのだろう。
 「お姉ちゃんにあーん、ってしてね」
 僕は天井を仰いだ。
 本気で言っているのか。
 「幸一君。分かっているでしょ」
 本気だ。
 僕はあきらめてお弁当を開いた。梓の作ったお弁当。中身はサーモンの南蛮漬け。といってもタレは染み込む程度でお弁当のおかずとして工夫されている。
 「おいしそうだね」
 目を輝かせる春子。
 僕はサーモンの南蛮漬けを一口サイズに分け春子の口元にお箸で運んだ。
 春子は嬉しそうに口を開けて食べた。
 もぐもぐと子供のような笑顔で咀嚼する春子。
 「うん。おいしいよ。梓ちゃんたら腕を上げたね」
 春子は嬉しそうに笑った。その笑顔に複雑な気持ちになる。
 「幸一君。もっとあーんしてね」
 僕はため息をついてお箸を動かした。春子はもぐもぐと梓のお弁当を食べる。
 まるで子供のようにほっぺたを膨らませてもぐもぐ食べる春子。
 最後の一口を春子は飲み込んだ。白い喉が小さく動く。
 「ご馳走様!」
 春子は満足そうに言った。嬉しそうな笑顔。
 僕はお弁当を片付けた。
 「幸一君。お姉ちゃんのお弁当はどうだった?」
 春子は僕にもたれかかった。柔らかい春子の感触。僕を下から見上げる。濡れた視線。
 「おいしかったよ」
 僕は春子を引き離そうとしたけど、春子は僕の背中に両腕を回して防ぐ。
 「幸一君。デザート欲しくない」
 春子の吐息が首筋に当たる。熱い吐息。
 「いらない」


413 三つの鎖 13 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage New! 2010/01/22(金) 00:28:30 ID:Psi6wx6u
 僕は即答した。
 本当にいらない。
 「幸一君。分かっているでしょ」
 背中に回された春子の腕に力がこもる。
 「お姉ちゃんを抱いて」
 頬を微かに染めて春子は囁いた。
 僕は春子の顔を見た。何かを期待するかのような表情。
 「春子。お願いだからやめようよ。こんな事をしても何にもならない」
 「幸一君。お姉ちゃんに何度も言わせないで」
 春子は僕の胸に頬ずりした。
 「分かっているでしょ。お姉ちゃんに逆らっちゃだめ」
 僕は唇をかみ締めた。それでも動けない。動きたくない。
 春子は僕を上目使いに見上げた。ぞっとするほど濡れた視線。
 「幸一君だってお姉ちゃんを激しく抱くじゃない。夏美ちゃんにできないような事をお姉ちゃんにしていいんだよ。別に悩まなくていいよ」
 僕に囁く春子。
 春子の吐息が熱い。
 確かに僕は春子を何度も抱いた。それも乱暴に抱いた。
 盗撮した映像の事を持ち出されると、怒りを押さえられなかった。
 春子の顔が目の前にある。荒い息。白くて滑らかな肌。淫靡に輝く瞳。微かに桜色に染まった頬。形の良い小さい唇。
 僕の唇に春子の唇が重なる。唇を割って春子の舌が入り込む。
 反射的に春子の肩を押して引き離した。
 春子は苛立たしげに僕を見上げた。
 「お姉ちゃんを怒らせないで。いいの?」
 どす黒い衝動が湧き上がる。
 僕は春子を突き飛ばした。小さい悲鳴を上げて春子はベッドに倒れる。
 そんな春子に覆いかぶさり僕は制服の上でも存在感を示す胸を強くつかんだ。
 「ひうっ!」
 顔をゆがめる春子。僕はそのまま乱暴に張るこの胸を揉みほぐす。
 春子の胸は大きくて柔らかい。指がどこまでも食い込む。
 「ああっ!幸一くんっ!乱暴だよっ!んっ!痛いよっ!」
 春子は息を荒くして僕を見上げた。言葉とは裏腹に嬉しそうな顔で僕を見る。
 それが腹立たしい。僕はさらに乱暴に春子の胸を揉んだ。
 嬌声をあげる春子のスカートの下に手を伸ばし下着をつかむ。一気に脱がす。春子の膝上で黄色い下着が止まる。下着はすでに濡れていた。
 春子は恥ずかしそうに顔を背けた。その頬は桜色に染まっている。
 「お姉ちゃんねっ、だめなのっ、幸一君に乱暴されるとねっ、いけない気持ちになっちゃうのっ」
 春子は震える手でスカートをゆっくりたくし上げた。春子の膣の入り口はすでに見て分かるほどに濡れていた。
 「幸一君のせいだよっ、お姉ちゃんを何度も乱暴に抱いてっ、痛くて怖いのにっ、それなのにね、いけない気持ちになっちゃうのっ」
 目尻に光るものを湛えて春子は僕を見上げた。背筋が寒くなるほど淫靡な表情。
 僕は春子の膣に指を挿入した。体を震わす春子。すでに春子の膣はびしょびしょに濡れていた。
 乱暴に春子の膣の中をかき回す。
 「ひうっ、お姉ちゃんねっ、ああっ、幸一君にねっ、変態さんにされちゃったよっ、きゃうっ」
 春子の膣を乱暴にかき回しているのに、春子が痛がる様子はまったく無い。それどころか僕の指に春子の膣が絡みつくかのようにうごめく。
 僕は春子の膣から指を抜いた。息も荒く切なそうに僕を見上げる春子。僕はズボンを脱いだ。すでに僕の剛直は固くなっている。春子はパンツを完全に脱ぎ自ら足を広げた。
 「こ、幸一くんっ、お姉ちゃんねっ、幸一君にねっ、乱暴されると嬉しいのっ」
 春子は足を広げたまま恥ずかしそうに僕を見上げた。
 「だってね、幸一くんが乱暴に抱くのはね、お姉ちゃんだけでしょ?」
 息も荒く淫靡な姿勢で体を震わす春子。
 春子の目尻から涙がポロリと落ちた。
 「いいよっ、お姉ちゃんをねっ、滅茶苦茶にしてっ、幸一くんになら、何をされてもいいっ」
 春子の両膝を押さえて足をベッドに押し付けるように広げる。僕は一気に挿入した。
 「ひっ!あああああああああっっっっ!!」
 体をよじる春子を押さえつけ僕は乱暴に腰を振った。
 「ああっ!ひうっ!やんっ!きゃうっ!」
 艶のある喘ぎ声をあげる春子。僕は乱暴に春子の膣に剛直を擦り付けた。
 体を震わせ身をよじる春子。
 「ひぐっ!だめぇっ!こすり付けないでっ!」
 濡れた視線で僕を見上げる春子。口調とは裏腹に嫌がっているようにはまったく見えない。それが腹立たしい。
 僕は剛直を抜いた。春子はぐったりと僕を見上げる。
 「四つんばいになって」
 春子はびくっと震えた。期待するかのように僕を見つめる。


414 三つの鎖 13 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage New! 2010/01/22(金) 00:32:32 ID:Psi6wx6u
 僕は春子の胸を鷲づかみにした。思い切り力を入れた。
 「いたっ!いたいよっ!んっ!」
 身をよじる春子。
 「僕の言ったことを聞いていた。四つんばいになって」
 恐れるように、期待するかのように僕を見上げる春子。恐る恐るといったように体を起こし四つんばいになる。
 僕はスカートを上げた。白い太ももがむき出しになる。
 膣の入り口が期待するかのようにひくひく動く。僕は指を挿入した。
 「ひゃうっ!?」
 体を震わす春子。僕はそのまま指を往復させた。
 「こ、幸一くんっ、指じゃなくてねっ、んっ、いれて欲しいのっ」
 切なげな吐息を漏らす春子。
 僕は指を膣から抜いてお尻の穴に指を入れた。
 「ひっ!?」
 体を硬直させる春子。僕は春子の愛液を塗るように指を前後させる。
 「や、やだっ!待ってよっ!ひうっ!そっちじゃないよっ!」
 悲鳴を上げて体をよじる春子。僕は開いた腕で春子の腰を思い切りつかんだ。
 「つっ!こ、幸一くん?」
 僕は春子のお尻の穴から指を抜いた。安堵のため息を漏らす春子。
 春子の腰をつかみ、膣の入り口に剛直をあてがう。そのまま一気に挿入した。
 「きゃうっ!」
 震える春子。僕は腰をゆっくりと前後させた。
 「んんっ、幸一くんっ、あっ、もっと乱暴にしてっ」
 切なそうに言葉を紡ぐ春子。
 背中越しに濡れた視線を僕に向ける。
 「お姉ちゃんねっ、幸一君にならねっ、何をされてもいいのっ、お願いっ、もっと乱暴にしてっ」
 僕は春子の膣から剛直を抜いた。春子の愛液に濡れた剛直の先端をお尻の穴にそえる。
 「こ、幸一くん?」
 不安そうな春子。
 僕は春子の腰をがっちりつかんだ。
 「僕になら何をされてもいいんだろ?乱暴にされるのが好きなんだろ?」
 僕は春子のお尻の穴に剛直をねじ込んだ。
 「ひっ!ああああああああーーーーーーーーーーーーーーっっっ!」
 痛々しい悲鳴を上げる春子。
 春子のお尻の穴はあまりにきつい。まだ先っぽしか入らない。僕はさらにねじ込もうと力を入れた。
 「痛いっ!痛いよっ!やだっ!やめて!いやぁぁぁぁっ!」
 きつい。なかなか入らない。僕は体重を思い切りかけて春子のお尻の穴を突き進む。
 春子は悲鳴をあげて体を震わせる。痛々しい悲鳴が生徒会準備室に木霊する。
 「いやっ!いやっ!痛いっ!やめてっ!お願いっ!抜いてっ!」
 いったん腰を止めて休憩する。春子のお尻の穴は僕の剛直を拒むように締めつける。
 「ひっくっ、幸一くんっ、やめてぇ、お姉ちゃん、痛いのっ」
 春子は泣きながら懇願する。白い体にはびっしりと汗が浮かぶ。
 「こんなのやだよぉっ、ひっくっ、お願いっ、やめてっ、やだよっ、これ以上入れないでっ、抜いてっ」
 僕は春子の腰を思い切りつかんで固定し、体重を一気にかけた。
 剛直がきつい隙間を押し広げる感触とともに一気に奥に進んだ。
 「ひあっ!!!!!あああああああーーーーーーーーっっっ!!!!!」
 春子は絶叫した。痛みを我慢するかのように背中を丸める。シーツを握る白い手が震える。
 熱病にかかったかのように小さく震える春子。
 「ひうっ、ぐすっ、いたい、いたいよっ」
 泣きながら痛いと繰り返す春子。僕は腰を引いた。剛直が強く擦られる感触。
 「ひああっ!やだっ!いたいっ!動かさないでぇっ!」
 「抜いてといったのは春子だろ」
 体を震わし悲鳴をあげる春子。
 春子のお尻の穴は経験したことの無いきつさで締め付けてくる。力を入れて削り取るように剛直を抜いていく。
 「いたいっ!やだっ!やだよ!ひああっ!やだっ!動かさないでっ!」
 春子の悲鳴を無視して僕は剛直が抜ける寸前まで腰を引いた。お尻の穴から赤い血がこぼれる。
 再び腰を前進させて春子のお尻の穴に剛直を進める。
 「いやっ!いたいっ!いたいのっ!やめてぇっ!」
 体を震わせて叫ぶ春子。その声には喜びも快感は微塵も無い。ただ痛みと苦しみだけ。
 僕は強引に腰を前後させた。
 「やだっ!やめてぇっ!やっ!いたいっ!やめてぇぇぇ!」


415 三つの鎖 13 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage New! 2010/01/22(金) 00:33:58 ID:Psi6wx6u
 僕は春子の悲鳴を聞き流して強引に腰を動かした。拒むような強烈な締め付け。
 締め付けがきつすぎて腰を前後させるだけでも体力を使う。僕はいったん腰を止めて休憩した。
 「ひうっ、ぐすっ、お願いっ、やめてっ、お姉ちゃんっ、痛いよっ、こんなのっ、やだよっ」
 春子は体を震わせ泣きながら懇願した。痛みのせいか全身に汗をかいている。すでに春子の上半身は汗で濡れてカッターシャツが透けて見える。
 僕は後ろから春子の胸をつかんだ。力をこめて握り締める。悲鳴を上げて身をよじる春子。
 「僕に何をされてもいいんだろ。乱暴にされるのが好きなんだろ」
 「ひうっ、んっ、でもっ、こんなのやだっ」
 春子は背中越しに僕に視線を向けた。涙で濡れた顔。
 「お願いっ、いたいのっ、やめてっ、お願いだからっ」
 僕は春子の腰をつかんだ。
 「あの時、僕は何度も止めてってお願いした」
 春子の瞳が絶望に染まる。
 僕は腰の動きを再開した。春子の直腸を削り取るかのように剛直を動かす。
 「いやっ、いやっ、いやぁぁぁぁぁっっ!!!!」
 春子の叫びを無視して僕は何度も腰を前後させた。
 必死に体をねじる春子を腰をつかんで固定する。春子がつかんだベッドのシーツの場所が皺になる。
 きつい締め付けだけど膣とは全く違う感触になかなか達する気がしない。僕はさらに腰の動きを速めた。
 「やだっ!やだっ!やめてっ!お願いっ!やめてぇぇぇっ!」
 春子の痛々しい声が響くなか、僕は腰を振る。
 徐々に射精感が高まってくる。僕は腰の動きをさらに速めた。それにつられるかのように春子の悲鳴も大きくなる。
 「ひっ!うっ!ああっ!ひぎっ!うあっ!」
 痛みに必死に耐えるかのように背中を丸めシーツを握り締める春子。
 僕はついに達した。春子のお尻の穴に精液を吐き出す。
 すべて吐き出してから僕は剛直を乱暴に抜いた。春子の体が震える。
 「ひっくっ、ぐすっ、ううっ、ぐすっ」
 すすり泣く春子。
 痛々しい姿。足の間は血にまみれ、汗のせいでシャツは透けて見え、体にぴったりと張り付いている。白い太ももに流れた赤い血がより一層の痛々しさを誘う。
 春子は涙でぐちゃぐちゃになった顔を僕に向けた。涙で濡れた顔。
 僕と目が合う。春子の目が見開かれる。脅えるようにベッドの上を後ずさり、体を震わせ春子は泣いた。
 分からない。春子は僕の目に何を見たのだろうか。
 春子の目尻から涙がぽろぽろ溢れ出す。乱れた服もそのままに春子は体を震わせて泣いた。
 その姿に胸がざわつく。そのざわつきの意味が分からないまま僕は泣き続ける春子を黙って見続けた。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年01月23日 20:04
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。