とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

14-239

最終更新:

NwQ12Pw0Fw

- view
だれでも歓迎! 編集

とある姫と勇者のRPG 3



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

「やー、青春してるなぁ。なぁ、こころん俺たちも…」
「私は嫌よ」
「まだ何も言ってないんですけど…」
「手は繋がないわよ」
「もぅ! こころんのツンデレさん!」
「ちょっと! だから繋がないって言ってるでしょ!?」
「とか言いつつ、しっかりと俺の手を握っているツンデレなこころんだったとさ」
「っ!? ~~~!! 離しなさいってば!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「何で所々にメルヘン野郎が出てくンだよ」
「ミサカは聞いたまま話しただけだもーん、ってミサカもミサカもまた遊園地に行きたくなってきたよー!」
「知るか。勝手に行ってろ」
「えー! あなたも一緒に行こうよー! あなたと行きたいんだよー! ってミサカはミサカはボディーランゲージも交えて全力アピール!」
「鬱陶しい」
「いったーい!! また能力使ってチョップしたでしょー! ってミサカはミサカは怒鳴ってみる!!」
「あーはいはいー」

遊園地に行きたいと騒いでいる打ち止めは適当にあしらう。

一方通行は目の前の成り行きが結構気になっていた。修羅場は見ている分には面白い。自分が打ち止めに言った言葉だが、これが本当に面白い。

(まァつっても、三下の恋愛事だけだろうけどなァ)

それでも十分な娯楽になるだろう。土御門辺りならそう言いそうだ。現に彼も上条に想いを抱く女性をからかって遊んでいる。

その遊ばれている当人はオルソラと一緒になってお姫様を無言で見つめていた。美女二人に無言で見つめられ、針のむしろってこんな感じなのかなぁ。と、どこか他人事のような上条さん。

(殺気って凄いんだなぁ…。俺、殺気だけで死んじゃうんじゃない…?)

正確には嫉妬、なのだが嫉妬も過ぎれば殺気になる。しかもこの人たちは自力で暗雲効果を作っているからして、迫力が尋常じゃない。あのおっとりしたお婆ちゃん思考の持ち主のオルソラがこんな空気を出すなんて。

(オルソラもやっぱり魔術側の人間なんだなぁ、って上条さんは上条さんは納得してみたり)

完全に別な事で納得する上条の心は現実逃避したいという思いで溢れかえっている状態だ。というか、現実逃避させてくださいお願いします、切に。

「『喧嘩友達』の割にずいぶんと仲がいいんですね、上条当麻…?」
「そうでございますねぇ。これじゃあまるで付き合ったばかりの恋人でございますよ…?」
「そ、そうは言ってもですね…? こっちとしてはただ会う度にビリビリしてくれなければいいなぁと思っているだけなんでございますなのですよ…?」
「そう言えば回想中にあったのでございますよ。あなた様は図星を突かれたりすると途端に口調が乱れると」
「ええ、確かにありましたね。現に今も口調が乱れていますからね。と言う事は…」
「やっぱりあなた様は…」
「やっ! ちょっと待ってください! 落ち着いて話そう! 話せばわかるから!?」

まるで美琴に女の人と一緒にいるのを目撃された時の状態だなぁ、とどこか冷静なところで思う。いやぁ、上条さんにもまだ冷静なとこがあったのですね。とか思っている場合でもない。

美琴の時は殺人的な電撃が降り注ぐが、それなら今回の場合は?

神裂は腰の二刀の柄に手をかけている。それに対しオルソラはなんだか拳を握っているように見える。不意に、上条はいつかオルソラに叩かれた時の事を思い出していた。あの時は可愛らしいものだったのだが。

上条は考える。しかし考える前に答えは出ていた。つまり。

「不幸だーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

刀と拳の乱撃が飛んでくるという事だ。「刀はもちろン、嫉妬に燃えた拳って凄いンだな。つーかドレスであそこまで動ける三下って何だ? 実は着慣れてるンじゃねェの?」と一方通行はのちにそう語る。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


姫神はインデックスに引っ張られる形で教会から飛び出し、今は広い通りに出ていた。通りはとても人が多くて、ともすればこの手を離せばものの数秒でインデックスと逸れてしまいそうな気さえした。

「ちょっと。人に酔いそう…」

学園都市も人が多いがそれ以上に土地が広いのでここまで人で溢れ返る事はない。人の多さに酔いそうになっている自分の隣のシスターは特に何もないようで、せわしなく首を動かして目を輝かせていた。

「凄いよあいさー! 見た事ない物がいっぱいなんだよ! これが『ばーちゃるー』っていうものなんだね!!」
「…。確かに。ヨーロッパとも違うようだし。ゲーム風にアレンジしてるのかも」
「うん、きっとそうだよ。よく似てるけど、私が知らない建築様式ばっかりだし」
「建築に詳しいの?」
「そんなに詳しくないかも。ちょっと前に本で読んだだけだよ」

完全記憶能力を有するインデックスにかかれば、映像だろうが文字だろうが瞬間的なものだろうが決して忘れる事はない。インデックスの隣で不思議そうにしている姫神が知らない彼女の能力だ。

「それより! ね、あいさ!あそこに行こっ!」
「あそこ?」

インデックスが指さす方向は山の一部を切り取ったような、この街を一望できそうな高台だ。ここから見た限り人もいなさそうだし、あそこなら人に酔わずに済みそうだ。そして誰も気にも留めないが自分は槍を持っている。もし傷つけたらと思うと不安だ。

(それに。何でこの人たちは私たちの格好を何も言わないんだろう。はっきり言って。もの凄く浮いた格好なのに。私なんか槍持ってるし)

スルーされている訳ではない。かといって注目されている訳でもない。当たり前の風景のように受け入れらている感じがする。

(ゲームだし。別にいいかな)

と思って考えるのをやめる。誰も気にしていないならこちらが必要以上に気にする事でもない。着なれていない服ならそれなりに気にもしたが、幸いにして巫女服は着なれている。周りから見ればコスプレなんだろうが、姫神から見れば普段着にも等しい。

知り合いに見られてもどうせ一時の恥なのだし、折角ゲームなんだからド派手なコスプレをしてみたいと思った。だというのに自分の服は着なれた巫女服。がっかりしたようなよかったような。

(あれ…?)

インデックスに引っ張られながらなんとなしにもう一度高台に目をやると、いつか見た事のある赤い髪の男が見えた。隣にいる―相当離れているのにその服装だけははっきり見える―ゴスロリメイドがもの凄く目立っていた。その他にも女の子が二人ほどいた。

服装に統一感が見えないうえに、自分と同じく服装と街の景観が、世界を間違えているとしか言えない程に合っていない。彼らも同じ参加者なのだろう。出来る事なら仲間に入れてほしいと思ったが、向こうは既に4人いるから無理そうだ。姫神は余り期待せずにインデックスに引っ張られるままに高台を目指した。

高台には思いのほか早く着いた。高いから勘違いしたのか、実際にそれほど距離は開いていないのかもしれない。けれどそれでもここからの眺めは壮観だった。

「わぁー! 凄い眺めー!」

街はビックベンにも似た巨大な時計塔を中心に円心上に広がっていた。自分たちがいるのはその円の端のようだ。それでも時計塔が大きく見えるのはよほどその時計塔が大きいのか、もしくは街がそれほど大きくないのか。

それを口にしてインデックスに尋ねるも彼女も難しそうな顔をして黙り込んでしまった。

「多分、後者じゃないかな」

と、後ろから不意に覚えのある声が聞こえてきた。姫神はインデックスと一緒になってその声の方へ振り向くと、そこには高台に上る前に見えた4人が立っていた。

「あれ? すているにろーら? それに短髪にクールビューティーまでいるんだよ」

あの髪の赤い人はやっぱりあの人だった。それに、いかにもコスプレな女の子は多分上条の事をよく追いかけ回している人で、魔女っぽい服の人は確か猫のノミ取りをしてくれた人。あ、もしかしたら逆かもしれない。で、最後の一人。近くで見れば見るほどに派手なゴスロリメイド。

「…。だれ?」
「あの人はローラ=スチュアートって言って、んー、一言で言うと、私の上司かな?」
「あの。いる場所を間違えているとしか思えない。ゴスロリメイドが? あの人。秋○原かどこかのコスプレ会場からの参加者?」
「んなっ!?」

姫神の言葉がぐっさりと刺さったローラ。インデックスはインデックスで「『あきはばらー』とか『こすぷれかいじょうー』って何?」って言っていたが、それでも姫神はローラの服が気になっているようだった。

実際、いるところにいるとは言え、彼女のような服をした人には中々に会えない。むしろ、ここまで派手だと会いたいという気も失くしてしまいそうだった。

「…、気にしないでくれると助かるかな」

本気で項垂れているローラを支えながらステイルが言う。いい加減、彼女の日本に対する意識を改めさせないと。でないと一々自分がフォローに回らなければならなくなりそうだと、ため息をつきながら思うステイル。他の人にフォロー任せればいいんじゃないかと思う。

「すている達も参加してたんだね」
「僕たちはゲストって形で参加してるんだ。後、神裂とオルソラも来てるよ。何処にいるかはわからないけど」
「あ、そうだ。ねね、とうま見てない?」
「ちょっと、アンタと一緒にいるんじゃないの?」
「む。アンタって呼ばないでほしいかも! 私はインデックスって名前があるんだから!」
「アンタが私を短髪って呼ばなかったらやめてあげるわよ?」
『う~!』

二人の睨み合いに置いてかれる3人。ローラは姫神の言葉がショックで目の前の事に気付いていない様だった。なんか危険っぽい香りがしたので姫神は御坂妹の隣へ避難する。

「えっと。あの時。猫のノミ取りしてくれた人?」
「はい、そうです。その時のミサカで間違いありません。あの時の猫は元気ですか? とミサカはまたあんな事をしてないか不安になります」
「それは大丈夫だと思う。上条君がいるから」
「ならよかったです。と、ミサカは安心します」
(あんまり表情が変わっていない気がする)

不安になるといった時と安心するといった時の顔で余り表情に差がない気がするが、姫神はあまり深くは気にしなかった。ただわかりにくいだけなのかもしれない。自分も時々そう言われるからよくわかる。

ふと他に視線をやるとローラはまだショックを受けたままだった。「そんなにひどい事言ったかな?」と思いつつも、目はそこに固定されず次の二人で固定された。

「大体さ! 短髪はとうまのなんなの!? いっつも会う度にビリビリされるってとうま言ってたよ! とうまのためにやめて欲しいかも!」
「んなっ!? アンタこそアイツのなんなのよ! アイツ言ってたわよ! 事あるごとに噛まれて困るって! アンタこそアイツに噛みつくのやめなさいよ!」
「それはとうまが悪いんだもん! ご飯の用意忘れたり、気付いたら女の人と知り合いになってるし、それに事件に首突っ込んでるし!」
「……。最初のを『私をスルーするから』に変えればそのまんまだわ…」
「え? 短髪も?」
「ええ…」
『はぁ…』

なんだかよくわからないけど決着がついたようだ。上条の事で揉めているのはよーくわかった。ついでに言えばこの二人の関係も。ライバルだ。もっと言うなら恋敵。その勝負は美琴の方が有利だと姫神は天の声を聞いた。様な気がしなくもない。いやだって。相当に近いとこから聞こえたから。

インデックスの場合、彼女の事だから素直に正面から突撃だろう。けれど、それも上条の半端じゃないスルースキルの前では暖簾に腕押し。結局は「いつもの事だろ」と徒労に終わる。それに、毎回のように噛みついてくるからそれもあってやっぱり徒労だ。

それに対し美琴は素直になれない分、上条に会うとそれはもうテンパってしまうだろう。多分、素で。男とは往々にしてそういうのに弱い。普段は気丈に振る舞っているのに、時々子供のように慌てている姿は可愛いと思うものだ。って。やっぱり天の声が聞こえた。もう出所はわかる。というかさっきからわかってる。

「って。この子が言ってた」
「ミサカとしてはお姉さまとあの人がくっつくのがベストですから、とミサカはお姉さまのライバルをじっくり観察します」
「そこで何で。私を見るの?」
「あの人の事です。あなたにもフラグを建ててると思うので。あの人のフラグ建築能力に際限はありませんし、とミサカはあの人のフラグの広がり様は一種のウィルスではないかと思案します」
「あー、そんなことよりちょっといいかな」
「なんですか? 空気の読めない人ですね、とミサカは少し睨みます」

本当に言葉の通り話に割って入ってきたステイルを睨む御坂妹。彼女は大まじめに姫神とインデックスを観察していた。と言うのは嘘で、単にインデックスと美琴のまた始まった言い合いを面白がって眺めているだけだった。

そして空気の読めない人とレッテルと貼られたステイルの方は、ただミッションを先に済ませて思っただけ。インデックスと言い合いを始めてからどうにも美琴も目的を忘れているみたいだし、自分が進めないと、と思った矢先の空気読めない発言だ。ちょっぴり悲しくなる。

「単に先にミッションをこなしておこうと思っただけだよ」

けれどその悲しさは決して表に出さない。頑張れステイル。

「ミッション? おお、そういえばそんなのもありましたね。すっかり忘れてました、とミサカはわざとらしく思い出します」
「私も忘れてた。あの二人見てると。忘れる」
「まぁそれはわかるけど…」

姫神の言葉に同意しつつステイルは上司を支えながら話を進める事にした。早く起きないかなこの上司。いい加減馴れてきたけどそれでもやっぱり邪魔だ。

「まずあの子と君を仲間に入れよう。そうすると次のミッションが届くはずだよ」
「あの。そっちは既に4人いるようだけど。私たち入れるの?」
「それは大丈夫だよ。ローラは人数にカウントされてないからね。ほら、ゲームによくあるお助けキャラのような感じだと思えば」
「早速彼女を仲間に入れますね、とミサカは肩を叩きます」

4回、姫神の肩を叩く。するとそれまで彼女が右手首にあった白のブレスレットの色が変わり色がオレンジ色になる。どうやら、別のパーティーに合流する時は人数の多い方に準ずるようだ。

自分のブレスレットの色が変わったのを確認してから、姫神はさっきまで同じパーティーにいたインデックスに知らせようとするもすぐに諦めた。インデックスと美琴の口論はまだ終わりが見えない。折を見て話に行こう。

「向こうは……、まだ終わらなさそうだね…」

そういうステイルは少しだけ呆れたような表情になっていた。小さくため息をついて、ステイルは視線を再び姫神と御坂妹に戻した。その前に、なんだか顔色の悪くなっているローラを手近なベンチに座らせ、倒れないように背中を支える。

「う~…、心ばせが悪いのよ、ステイル~……」
「あんな物に手を出すからですよ、全く…」

実はドリアンおでんの臭いを思い出してしまっていて、ローラはその記憶だけで吐き気に襲われていた。恐るべしドリアンおでん。

ローラを気に留めつつステイルは続きを口にした。

「んじゃ、続きを話すよ? このゲームはあくまでも試作段階だからね。ミッションも本当にごく僅かだ。だから次のミッションは多分、いきなり魔王を倒せ、だろう」
「ずいぶんと吹っ飛んだ進み方ですね。作った人はきっと考えなしですね、とミサカは推測します」
「仕方ない。所詮は試作品。きちんと遊びたいなら完成品待たないと」
「そう、その子の言ったとおり仕方ないんだよ。動作確認が出来ればいいんだから。短くてもちゃんと進んでいればそれでいいんだ」

魔王を倒せ、とミッションが来るのもステイル達が戦闘の出来る役柄になっているからだ。出来ない役柄の人達には別のミッションが配られている。中にはそれをこなさず、純粋にこの世界を楽しんでいる人達もいる。楽しみ方は人それぞれだ。

「それで。魔王はどこにいるの?」
「それならさっき聞いておいた。ここから馬車でおよそ1時間の場所みだいだ」
「ずいぶんと近い位置ですよね、とミサカはこれも試作故だと判断します」

やることも決まったし後は行くだけ、と言いたいところだがまだインデックスとシスターは口論しているし、ローラはまだぐったりとしている。それよりも、一体あの二人は何を口論しているんだろうか。

ステイル達の疑問はよそに、インデックスと美琴はカナミンとゲコ太でどちらが愛くるしいか討論していた。………どういう変遷を経てそこに至ったのかとても気になるが、ものすっごいどうでもいい。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「いたたた……」

気が付くと床の冷たさを頬に感じた。そしてちょっと離れた位置にサングラスが落ちていた。サングラスをかけつつ首をコキコキと鳴らし空いた手で摩りながら起き上る。まだちょっと頭がぼーっとする。

「ほう? もう目が覚めるとは。その筋肉は見せかけじゃないという事か」
「いきなり首を刈られるなんて…。オレもびっくりですたい…」
「加減したからそれほど痛くもないだろう」
「加減…? アレで…? ……もし本気だったら…? ……考えるのはやめるにゃー…」

ゾッとしたのでその思考はすぐさま遠くに放り投げる。なんだか心なしかまた首が痛くなってきた。もう一度コキコキと首を鳴らしてアレイスターにこの女性の事を尋ねる。

「彼女は今でこそ寮監をやっているが、以前はその実力を買われて研究所の警護や要人の護衛をしていたんだよ。君も納得の実力だろう? 『超電磁砲』がその姿を見ただけで戦意を失くす、と言えばもっとわかりやすいかな?」
「……おいおい、そりゃ学園都市第3位じゃないかにゃ。……って、マジですたい…?」

一方通行や未元物質といい勝負が出来るんじゃないだろうか。土御門は割と真剣に思う。もしかしたら勝ちさえもぎ取ってきそうな気さえするから恐ろしい。それがあながち冗談にも思えないからなお恐い。

そんな女性がこの場にいる理由が土御門はとても気になった。アレイスターの事だから、本人は大真面目でも周りから見ればふざけた理由で呼ばれてたりして。例えば「面白そうだから」とか「なんとかく」とか。いや、本気で。

「RPGではラスボスよりも強い隠しボスの存在はお決まりだ。面白そうだろう?」
「……。お前、ホント軽くなったよにゃー…」
「そういう事だ。今日は丁度休暇だったのでな。御坂も参加しているようだし、暇つぶしにと思って来たんだが、こんなところに連れてこられるとは思わなかった」

このゲームの事は先週には聞いており、またその時に参加の意志も伝えておいた。そして案内役の少女にここまで連れてこられた。正直、ここに来た瞬間、色々と度肝を抜かれたし今も平静とは程遠い。

「それに隠しボスの存在はイベントから見れば完全にイレギュラーな存在だ。ここから入るしかない。ちょうどイベントに使われている物と同じ物がある」
「なんであるんだにゃ?」
「決まっているだろう。私も遊びたいからだ」
「………言うと思ったぜよ」

至極真面目にアレイスターは言った。まぁ、平和っていいよね。

「その前に…」

と、いきなりアレイスターの纏う雰囲気が険呑とも言えるほどに真剣な物になる。土御門はもちろん、寮監もそれを瞬間的に察し二人の纏う空気も真剣な物になる。訳ではなかった。土御門はなんとなく察しがついてだらけていた。どうせアレだろう。

「一般人の視点から言って欲しい」

土御門の思った通り、その言葉は彼ではなく寮監へと向いていた。向けられた方も身構え次にくる言葉を待っていた。

「どうすればゲコ太が売れると思う?」
「…………………………………………………は?」
(まーそうなるよにゃー)

アレイスターの特徴。面白いこと大好き。超好き。そしてゲコ太も超好き。でもきるぐまーはあんまり好きじゃない。あと最近カナミンが気になってる。


ウィキ募集バナー