上条当麻の苦悩
「しっかし、超電磁砲があの国民的人気グループを抑えてCDセールス1位とは凄いところまで行ったにゃ~」
「それは美琴本人が一番驚いているだろうよ・・・まあ、電話したら実際に驚いていたけど」
「それは美琴本人が一番驚いているだろうよ・・・まあ、電話したら実際に驚いていたけど」
ある日の放課後、土御門の部屋に招かれ、テレビをつけるとちょうど冒頭の話題が出ていた。
美琴はモデルや歌手活動を主にやっていた。雑誌やテレビで着用された服のメーカーはアジア大陸で全て売り切れ、
学園都市では女子の9割9分9厘が影響を受ける。(残りの1厘はレベル5のとある2人だと土御門から聞いた)
過去に遡ってもここまでのブームはないんじゃないか?
美琴はモデルや歌手活動を主にやっていた。雑誌やテレビで着用された服のメーカーはアジア大陸で全て売り切れ、
学園都市では女子の9割9分9厘が影響を受ける。(残りの1厘はレベル5のとある2人だと土御門から聞いた)
過去に遡ってもここまでのブームはないんじゃないか?
つけていたテレビではまた美琴に関しての話題を提供していた。
『・・・そして御坂美琴さんは今度初めて主演女優としてドラマに出演されます。その放送日は・・・』
「こりゃ~ハリウッドからもオファーが来るかもしれないにゃ~。紛れもなく超電磁砲が雲の人ならカミやんは泥以下だぜい」
「言い返す言葉もございません。でもなんでもこなす美琴だから役者としても完璧だろうよ」
「にゃ~。クラスのみんなに言いふらしたいぜい」
「言い返す言葉もございません。でもなんでもこなす美琴だから役者としても完璧だろうよ」
「にゃ~。クラスのみんなに言いふらしたいぜい」
どうでもいい言い合いをしていたが俺がわざわざ隣の部屋の土御門の所を訪ねた理由があった。
「で、何か情報はあったか?」
「にゃ?」
「にゃ?」
美琴が世界中で人気になったからといって俺は浮かれていない。デビューイベントの日に土御門が言っていた美琴を使って上層部が
何らかの事を起こそうとしているかもしれないと聞いてから俺は常にそれが気になっていた。しかし土御門は一向に
上層部や美琴に関することを教えてくれなかったのでたまらず俺から聞きに行ったという形だ。
何らかの事を起こそうとしているかもしれないと聞いてから俺は常にそれが気になっていた。しかし土御門は一向に
上層部や美琴に関することを教えてくれなかったのでたまらず俺から聞きに行ったという形だ。
だが俺が真剣に美琴を操り人形のように扱っているであろう上層部の情報を聞こうとしても土御門はマヌケな返事しかしない。
「ほら、イベントの日にタイミングを計って知らせてやるって言ってたじゃないか。もう数週間も経つしそろそろ少しは
教えてくれてもいいんじゃねえのか?さすがに何もわからなかったなんてことはないだろ?」
「あ~・・・」
教えてくれてもいいんじゃねえのか?さすがに何もわからなかったなんてことはないだろ?」
「あ~・・・」
問い詰めても相変わらずな返事とアホな顔をしている土御門。というよりすっかり忘れていたと言いそうなリアクションだと取っていいのだろうか。
「お前、まさか忘れていたとか言わないだろうな?」
「それなんだが、引き続き超電磁砲のテレビ、雑誌のチェックは欠かさないでくれい?色々ネタは上がっているんだが
カミやんは別に知らなくていいことだぜい」
「いや、些細なことでも俺が知っておかないと意味がないだろ!」
「・・・いや、超電磁砲のためだ。知らないほうがいい」
「それなんだが、引き続き超電磁砲のテレビ、雑誌のチェックは欠かさないでくれい?色々ネタは上がっているんだが
カミやんは別に知らなくていいことだぜい」
「いや、些細なことでも俺が知っておかないと意味がないだろ!」
「・・・いや、超電磁砲のためだ。知らないほうがいい」
土御門は俺の目を逸らしながら答えた。これは何か深い理由があるのか?それとも土御門は俺を気遣って教えないだけなのか?
「あ、深い理由はないぜい。ただカミやんが知るタイミングが早いってことぜよ」
「違うだろ。何か隠してるな?」
「俺は嘘つきだぜい?正直に話しても信じてもらえるかわからないくらいの事だ。それに今は悪い方向に向かっている訳ではない」
「ほ、本当か?」
「それは嘘つきの俺でも誓うぜい!とりあえずさっきからテレビで言ってるこのドラマ、今日の夜放送みたいだぜよ?」
「わ、わかったよ。信じる」
「違うだろ。何か隠してるな?」
「俺は嘘つきだぜい?正直に話しても信じてもらえるかわからないくらいの事だ。それに今は悪い方向に向かっている訳ではない」
「ほ、本当か?」
「それは嘘つきの俺でも誓うぜい!とりあえずさっきからテレビで言ってるこのドラマ、今日の夜放送みたいだぜよ?」
「わ、わかったよ。信じる」
真面目な顔つきをしたかと思えば急にニヤけた顔をするこの男といるともう少しで殴りそうになったのでとりあえず俺は
自分の部屋に戻った。
自分の部屋に戻った。
「とうま!短髪がついにドラマで主演なんだよ!!」
部屋に戻るとインデックスは俺に噛み付くかのように言ってきた。俺がインデックスを見る限りもう美琴の大ファンになっているようだ。
一度読んだ本は完全に記憶して2度と読まないのに美琴が載っている雑誌は何回も読み、
CDは部屋にいる時は常に、寝る時も睡眠学習ですか?といいたくなるくらいエンドレスリピートで流している。
もちろん今も流れているわけだ。
一度読んだ本は完全に記憶して2度と読まないのに美琴が載っている雑誌は何回も読み、
CDは部屋にいる時は常に、寝る時も睡眠学習ですか?といいたくなるくらいエンドレスリピートで流している。
もちろん今も流れているわけだ。
「そうらしいな。お前の脳内ハードディスクに保存しておけばセリフ一つ一つ言えるから安心して寝落ちできるな」
「むっ。短髪の初主演ドラマ見なかったら短髪に言って噛み付いてもらうからね?」
「はいはい、見るに決まってますよ~」
「早く始まらないかな~。楽しみなんだよ!!」
「むっ。短髪の初主演ドラマ見なかったら短髪に言って噛み付いてもらうからね?」
「はいはい、見るに決まってますよ~」
「早く始まらないかな~。楽しみなんだよ!!」
心を躍らせてドラマが始まる時間まで俺とインデックスはそわそわしながらテレビの前で待機していた。
そしていよいよドラマが始まった。タイトルを見る限りだとありがちなラブストーリーだと予想する。
ん?美琴が主演だから当然ヒロインであってラブストーリーだと・・・
ドラマが始まった直後に俺の不安は急にいっぱいになった。
ん?美琴が主演だから当然ヒロインであってラブストーリーだと・・・
ドラマが始まった直後に俺の不安は急にいっぱいになった。
テレビの中で演技をしている美琴を見ていると・・・キュンキュンする。いや、これを見てキュンキュンしない人間などいないハズ。
笑って怒って泣いて、俺の前で見せてくれる表情をコロコロと見せてくれる。でも俺の前ではもっといい笑顔をしてくれるんだぜ!?
美琴の一番いい笑顔を知っているのは俺だ!とインデックスの隣でこっそり自慢してみたり・・・
笑って怒って泣いて、俺の前で見せてくれる表情をコロコロと見せてくれる。でも俺の前ではもっといい笑顔をしてくれるんだぜ!?
美琴の一番いい笑顔を知っているのは俺だ!とインデックスの隣でこっそり自慢してみたり・・・
そしてこの物語の一番の盛り上がるシーンであろう主演男優さんとの海での告白シーン。
「僕は君のことが好きだ!」
「うん、ありがとう。私も・・・・・・・好き」
「うん、ありがとう。私も・・・・・・・好き」
普通この美琴の「・・・・・・・好き」というタメにグッと来るのだろう。インデックスはもうキュンキュンしまくりの表情。
ネット上だと「はい、全俺が死んだ」「やめて、○○のライフはもうゼロよ!」とかお祭りになっているであろうこの演技。
ネット上だと「はい、全俺が死んだ」「やめて、○○のライフはもうゼロよ!」とかお祭りになっているであろうこの演技。
でもな、おいコラ美琴。いくらドラマだからって好きってセリフは俺に言うものだろ。クソ、目の前の俳優に激しく嫉妬している俺がいるとは。
「僕が君を守る」
「私がアンタを守る」
「「死ぬときは一緒だ」」
「私がアンタを守る」
「「死ぬときは一緒だ」」
昔の有名ドラマのセリフをあからさまにパクっているのが見え見えだが次の瞬間
「と・・・とととと、とーーーーーーーーーーーま!!!」
「ンおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!何だこれえええええええええええええ!!!!????」
「ンおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!何だこれえええええええええええええ!!!!????」
インデックスが俺の名前を叫び、俺はただ絶叫した。
なんとテレビの中の美琴は俳優と抱き合い・・・キスをしていた。
いや、カメラアングルでキスしているように見せているのかもしれない。ましてや美琴はまだ中学生だし本当にキスなんて常盤台も許さないだろう。
だが俺はそれどころじゃなかった。
男と抱き合う。しかもキスしているように見えるこのシーン。恋人として激しく妬いた。ドラマとか関係ない。
他の男とこんなことして・・・
だが俺はそれどころじゃなかった。
男と抱き合う。しかもキスしているように見えるこのシーン。恋人として激しく妬いた。ドラマとか関係ない。
他の男とこんなことして・・・
「とっても面白かったんだよ!!短髪って凄いんだね?」
ドラマが終わり、インデックスは感動と感想を語りだすが俺はというと・・・
「へっ!!くだらねえ内容のドラマだったじゃないか!どうせテレビ局側は美琴で視聴率取れればそれでいいんだよ!
それにあの男、ドラマなのに本当に美琴の恋人になりました~って顔しやがって。本当の恋人は俺なんですよ。お・れ!!」
それにあの男、ドラマなのに本当に美琴の恋人になりました~って顔しやがって。本当の恋人は俺なんですよ。お・れ!!」
すこぶる不機嫌にドラマの批評(主に美琴の相手役の俳優に)をしまくった。
「どうしたのとうま?」
「別に・・・?ただ俺からすると本当につまらんドラマだった。ていうかムカついた」
「??珍しくとうまが怒ってるんだよ」
「別に・・・?ただ俺からすると本当につまらんドラマだった。ていうかムカついた」
「??珍しくとうまが怒ってるんだよ」
インデックスは何でだろう?と顔を傾げていたが気にしない。
忙しくても必ず連絡をくれるのを狙って美琴に文句を言ってやろうと決めたのだ。
忙しくても必ず連絡をくれるのを狙って美琴に文句を言ってやろうと決めたのだ。
その夜、インデックスは床に付き、俺は風呂場で美琴から連絡が来るのを待った。
どうせ夜明けくらいに連絡が来るだろうと思いながら携帯を開いていたがなんと12時前に電話がかかって来た。
どうせ夜明けくらいに連絡が来るだろうと思いながら携帯を開いていたがなんと12時前に電話がかかって来た。
『もしもし?今当麻の近くの公園にいるんだけど会えない?』
「この時間からかよ・・・寮に帰らなくていいのか?」
『撮影で遅くなったって言えば大体許されるから大丈夫。ね、お願い!』
「わかった。俺も話したいことがあるから」
『うん、待ってるね!』
「この時間からかよ・・・寮に帰らなくていいのか?」
『撮影で遅くなったって言えば大体許されるから大丈夫。ね、お願い!』
「わかった。俺も話したいことがあるから」
『うん、待ってるね!』
意味深に話したいことがあると言ったつもりだったが美琴に軽くスルーされ、美琴は久しぶりに俺と会えるという喜びでいっぱいのようだった。
インデックスが起きないようにこっそりと出て公園に行くと、帽子を深々と被って変装でもしているつもりかわからないが俺は人目で美琴だと気づいた。
「えへへ、会って話すのも久しぶりだね」
「あぁ、俺はお前に話したいことが山ほどある」
「ん?何?」
「俺は・・・・・・・・・・・・・美琴が好きだ」
「うん。私も大好き。わかりきったことじゃん?」
「でも・・・テレビで見るお前の姿を見るのが辛いんだ。今日見たドラマも・・・見てられなかった」
「え?私の演技下手だった?」
「違う。もうどこを突っ込めばいいかわからないくらい完璧だと思った。でも・・・見てられないんだ」
「あぁ、俺はお前に話したいことが山ほどある」
「ん?何?」
「俺は・・・・・・・・・・・・・美琴が好きだ」
「うん。私も大好き。わかりきったことじゃん?」
「でも・・・テレビで見るお前の姿を見るのが辛いんだ。今日見たドラマも・・・見てられなかった」
「え?私の演技下手だった?」
「違う。もうどこを突っ込めばいいかわからないくらい完璧だと思った。でも・・・見てられないんだ」
俺が消えるような声で言うと美琴はムッとした顔をして反論してきた。
「ちょっと、私みたいな彼女がテレビに出て人気になって彼氏のアンタからすれば鼻も高いんじゃないの?」
「高いさ。俺の周りでは土御門しか知らないけど鼻は高いさ。クラスの女子もお前の話題で持ちきりだ」
「それでも私を見てられないって?」
「あぁ、正直このままだと美琴がどこか遠くに行ってしまいそうな気がして・・・」
「高いさ。俺の周りでは土御門しか知らないけど鼻は高いさ。クラスの女子もお前の話題で持ちきりだ」
「それでも私を見てられないって?」
「あぁ、正直このままだと美琴がどこか遠くに行ってしまいそうな気がして・・・」
下を俯いたまま俺がぽつりぽつりと語ることに美琴は納得いかない顔をして俺の話を聞く。
そして俺はドラマを見て一番強く願ったことを美琴に向かって言った。
そして俺はドラマを見て一番強く願ったことを美琴に向かって言った。
「なあ美琴、アイドルをやめてくr「やめない」?」
言い終わる前に言い切られた。まさに即答。今度こそ美琴はご機嫌斜めな表情をして俺を睨んでいた。
「先に聞いてあげるけど、やめてほしい理由は?」
「さっきのドラマみたいに他の男とキスシーンしている所を見ると・・・俺はこれ以上にないくらい胸が痛い」
「あれ本当にしてないわよ?そりゃあ顔は近かったけどカメラの角度的にそうしているように見えるだけでさ」
「俺は美琴が他の男とくっついているだけでもう嫌なんだよ!!!」
「さっきのドラマみたいに他の男とキスシーンしている所を見ると・・・俺はこれ以上にないくらい胸が痛い」
「あれ本当にしてないわよ?そりゃあ顔は近かったけどカメラの角度的にそうしているように見えるだけでさ」
「俺は美琴が他の男とくっついているだけでもう嫌なんだよ!!!」
我慢できなかった感情が一気にこみ上げて夜の公園で大きく俺の声が響き渡った。それに美琴は少しびっくりした表情だったが
次第に美琴は暗い顔をした。
次第に美琴は暗い顔をした。
「なによ、私がどんな覚悟でアイドルやってるか知らないくせに・・・」
今にも泣き出しそうな顔、俺はその顔を見た時あることを思い出した。
土御門が言っていた上層部が超電磁砲を利用して何らかの計画を企てているかもしれないという可能性を。
嫌な汗が吹き出てきた。もしかしてこれは美琴なりの遠まわしのSOSサインなのだろうか?
嫌な汗が吹き出てきた。もしかしてこれは美琴なりの遠まわしのSOSサインなのだろうか?
「よし!」
だが泣き出しそうな顔をしたのも一瞬、何かを決心したかのような面持ちですぐ元気な美琴に戻っていた。
「当麻が私のことを本当に好きだってことはわかった。私も大好きだから。でも一つだけ約束して?」
約束の内容にもよるが・・・もしかしてもう探さないでとか言うんじゃないよな?もう別れようとか言うんじゃないよな?
「な、何だ?」
「今度の日曜日、セブンスマートの屋上でゲコ太ショーのイベントでゲストに呼ばれてるの。見に来てくれる?」
「は?」
「今度の日曜日、セブンスマートの屋上でゲコ太ショーのイベントでゲストに呼ばれてるの。見に来てくれる?」
「は?」
予想とあまりに違った内容であったため目と口を開いてアホな顔をしてしまった。
「だから、見に来てくれるでしょ!?学園都市の外じゃないし行きやすいでしょ?」
「あ、ああ。見に行くよ」
「しかもその模様が全世界で生中継されるんだって!これはいよいよゲコ太の可愛さが世界に認められた証拠よね!!」
「美琴さん?もしかしてあなた様はゲコ太を広めようという理由のためにアイドルになりやがったのですか?」
「ん~・・・それも少しはあるけど私にはちゃんとした理由があるの!」
「そ、そうですか・・・」
「あ、ああ。見に行くよ」
「しかもその模様が全世界で生中継されるんだって!これはいよいよゲコ太の可愛さが世界に認められた証拠よね!!」
「美琴さん?もしかしてあなた様はゲコ太を広めようという理由のためにアイドルになりやがったのですか?」
「ん~・・・それも少しはあるけど私にはちゃんとした理由があるの!」
「そ、そうですか・・・」
ここで満面の笑顔で「うん!!」と言われなかっただけよしとしよう。
「じゃ、私もう寮に戻らないとさすがにまずいから帰るね?」
最後はいつもの明るい美琴だった。走りながら俺に手を振って「帰ったらメールするからね~!」と言い残して去っていった。
何だが俺が勝手に不安になっているだけのような気がしてならないのは気のせいだろうか・・・
何だが俺が勝手に不安になっているだけのような気がしてならないのは気のせいだろうか・・・
その日曜日、俺は美琴に言われた通りセブンスマートの屋上に行った。ショー開始10分前で既に満員。座れる場所もないので
適当な場所を見つけて立ち見で我慢した。それにしても・・・・・・・・・
ゲコ太って子供向けの作品の気がするが・・・客は大人のお友達がたくさんばっかりじゃねえか。
いや、美琴みたいに純粋な心でゲコ太を見に来た女の子もいる。だがこの大人のお友達の目当ては確実に美琴だ。
適当な場所を見つけて立ち見で我慢した。それにしても・・・・・・・・・
ゲコ太って子供向けの作品の気がするが・・・客は大人のお友達がたくさんばっかりじゃねえか。
いや、美琴みたいに純粋な心でゲコ太を見に来た女の子もいる。だがこの大人のお友達の目当ては確実に美琴だ。
しかし、子供向けのショーなのに何故世界中で中継するんだ?もしかしてゲコ太ショーはおまけで美琴がメインなのかも。
いよいよショーが始まった。内容は・・・まあ、本当に子供向けだ。ほのぼのすると言っていいのだろうか。
まあ、ゲコ太が車に酔って吐きそうになるシーンはちょっと笑えた。
まあ、ゲコ太が車に酔って吐きそうになるシーンはちょっと笑えた。
しかしショーは進んで行くが美琴が登場する雰囲気がない。ヒーローショーのように客席にいる子供が悪者に連れて行かれてそれをヒーロー達が助ける。
でもそんなストーリーではなく、カエル達の日常を見ているような感じだ。
でもそんなストーリーではなく、カエル達の日常を見ているような感じだ。
周りの大人のお友達も「おい、御坂たんはまだ?」と口に疑問を出していた。
結局、ショーの中に美琴は一回も出てこなかった。しかし、司会のお姉さんが出てきて、
「続きまして、ケロヨン、ピョン子、ゲコ太の生みの親でもある先生と大ファンだと公言されている御坂美琴さんのトークショーです!」
なんてこった。ショーは完全な噛ませかよ。美琴がメインイベントはゲコ太ショーだから私たちが前座!と訴えていたるのが目に浮かぶ。
まばらな拍手で終わったショーとは裏腹に大歓声で迎え入れられた美琴と先生。あれ?先生ってもしかしてあの・・・
いや、違う。リアルゲコ太ではなく、リアルなカエルの顔をした先生だ。お世話になっている先生ではないからな。
いや、違う。リアルゲコ太ではなく、リアルなカエルの顔をした先生だ。お世話になっている先生ではないからな。
しっかし・・・
正直俺からすればこのトークショーはつまらないものだった。先生が「こういう案が出ましてそこからゲコ太たちのキャラデザが出たんです」
と言えば美琴は目を輝かせてその話に喰いつく。そして美琴が熱くゲコ太について語るの繰り返し。
と言えば美琴は目を輝かせてその話に喰いつく。そして美琴が熱くゲコ太について語るの繰り返し。
大きいお友達も恐らく美琴じゃなければ瞬時に帰ってしまうイベントだろう。うん、美琴には悪いが世界で中継する必要が全くないと思った。
そこで司会者が美琴にこんな質問をしてきた。
「御坂さん、今この模様がなんと世界に中継されている訳ですがもっとゲコ太の仲間たちをもっと多くの友達に知ってもらうにはどうすればいいと思いですか?」
「そうですね。友達や家族、彼氏にはもちろん好きになってもらったんですが私がこうやってPRして一人でも多くゲコ太ファンが増えることを願ってます」
「そうですね。友達や家族、彼氏にはもちろん好きになってもらったんですが私がこうやってPRして一人でも多くゲコ太ファンが増えることを願ってます」
・・・ん?今聞いてはいけないワードが耳に入った気がする・・・
それにもちろん司会者は喰いつく。
それにもちろん司会者は喰いつく。
「み、御坂さん!今彼氏と言いましたか?」
「はい、それが何か?」
「ちょ・・・そっちのほうがスクープだと思いますが先生!いかがでしょう!?」
「ほう・・・私も是非詳しく聞いてみたいものですな」
「はい、それが何か?」
「ちょ・・・そっちのほうがスクープだと思いますが先生!いかがでしょう!?」
「ほう・・・私も是非詳しく聞いてみたいものですな」
アイドルの恋沙汰はタブー。それは俺も美琴もかなりわかっていたが、美琴はポロリ発言してしまってもきょとんとした顔をしている。
「御坂さん!恋人がいるということでいいんですね?」
「御坂さん、その人は私よりカエル顔かね!?」
「御坂さん、その人は私よりカエル顔かね!?」
会場はざわめき、司会者とゲコ太生みの親に集中攻撃を浴びても美琴は動揺すらしていない。
というより会場の客席をキョロキョロとしている。まさかとは思うが・・・・・・
というより会場の客席をキョロキョロとしている。まさかとは思うが・・・・・・
「あれ?当麻来てるハズなのに見当たらないな~」
マイクに声を拾われているにも関わらず普通に言いだす美琴。確実に俺を探している証拠だ・・・これはヤバイぞ・・・
「御坂さん!!!い、今、トウマって言いましたね?その人は御坂さんの恋人ですか?」
「その人はカエル顔かね!!!??」
「その人はカエル顔かね!!!??」
止まらない質問攻撃に美琴はあっさり
「はい、私の恋人です」
と答えやがった。恐らく中継を見ている美琴ファンは「トウマ」に殺意を抱いているだろう。ここで美琴に俺の姿を見つけられたら・・・
とりあえず身を隠す。
とりあえず身を隠す。
「当麻~。何も怒らないし何もしないから出てきて~」
やまびこを聞くように耳に手を当て変化がないか確かめる美琴。
アホか!!お前が何もしなくても周りの連中に何されるかわかんねえんだぞ!!
アホか!!お前が何もしなくても周りの連中に何されるかわかんねえんだぞ!!
「あと5秒以内に出てこなかったら当麻の恥ずかしいこと世界中に言っちゃうぞ~?」
勝手に言え!!ここで我慢して出なければ俺は傷つかないんだからな。
「あ~出てこないんだ~?昨日私が出たドラマのキスシーンに激しく妬いたくせに」
ぐおぉぉぉぉぉ!!!耐えろ耐えろ上条当麻!!ここで「勘弁してください!」と出たら美琴の思うツボだ!!
「毎日私の出演している番組と雑誌毎回チェックしているくせに~」
我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「御坂美琴と彼女の世界を守るって言った人は誰かな~?」
「んなっ!!何でお前そのこと知ってんだよ!!・・・・・・・・・・・・・・・あ」
「んなっ!!何でお前そのこと知ってんだよ!!・・・・・・・・・・・・・・・あ」
つい叫んでしまったが時既に遅し。周りの男の視線が突き刺さって痛い。ハイエナに睨まれたヌーのようにビクビクする俺。
俺の姿を見つけた美琴はニヤリと不敵な笑みを浮かべているように見えた。
俺の姿を見つけた美琴はニヤリと不敵な笑みを浮かべているように見えた。
美琴はステージから俺においでと手招きしていた。「来ないとわかってるでしょうね?」オーラと共に・・・
全てを諦め美琴に従ってステージにあがる。その途端美琴は・・・
「喰らえーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「のわ!!」
「のわ!!」
いきなり俺に向かって雷撃の槍を放ってきた。まあ、瞬時に右手で打ち消せたからよかったけど・・・
「あのな!!いくらなんでもいつか俺お前のビリビリで死ぬぞ!?」
「違う。警告よ」
「はぁ?」
「違う。警告よ」
「はぁ?」
俺が訳のわからない顔をしているのと反対に美琴はカメラ目線でビシっとこう告げた。
「いい!?今見たように私の恋人は私の電撃を簡単に打ち消すくらい強いからね!!男も女も当麻に手を出そうとすると後悔するわよ!!
当麻はこれからず~~~~~~~~~~~~~~~っと私の恋人、いや、旦那様なんだから!!世界中のみんな、わかった!?」
当麻はこれからず~~~~~~~~~~~~~~~っと私の恋人、いや、旦那様なんだから!!世界中のみんな、わかった!?」
言い終わった後シーンとした会場の中唯一笑顔の美琴。やりきったという表情をしている。
その後はと言うもの、記者みたいな人達がわんさか詰め寄ってきて質問をされまくった。
いつからだったんですか?とか御坂さんのどんな所が好きですかとかありきたりだった。
しかし突然大人気アイドルでもある美琴の恋沙汰が出ても一応祝福しているようにも見えた。
いつからだったんですか?とか御坂さんのどんな所が好きですかとかありきたりだった。
しかし突然大人気アイドルでもある美琴の恋沙汰が出ても一応祝福しているようにも見えた。
俺はインタビューに慣れている訳もなくあたふたするだけで、隣にいた美琴が全部話してくれたようなものだった。
「私がアイドルの世界に入った理由は、私の好きな恋人はとってもいい人なんだよっていうことを世界中に知ってもらいたくて。
この方法が一番早いかなと思って・・・しかもこれで当麻が他の女の子にホイホイついて行かなくなるだろうし・・・」
「お前・・・理由はそれだけなのか?」
「うん。だから私頑張ったんだよ?」
「上層部からの命令じゃなくて?」
「は?上層部?何でそうなるのよ・・・ていうか上層部がなんで出てくるの?」
「土御門の野郎・・・全部嘘かよ・・・」
「えへへ、当麻大好き!!」
「うわっ!」
この方法が一番早いかなと思って・・・しかもこれで当麻が他の女の子にホイホイついて行かなくなるだろうし・・・」
「お前・・・理由はそれだけなのか?」
「うん。だから私頑張ったんだよ?」
「上層部からの命令じゃなくて?」
「は?上層部?何でそうなるのよ・・・ていうか上層部がなんで出てくるの?」
「土御門の野郎・・・全部嘘かよ・・・」
「えへへ、当麻大好き!!」
「うわっ!」
翌日の全世界の新聞の一面は美琴一色だった。
『御坂美琴、大好きなゲコ太イベントで大好きな恋人の存在を告白』
と写真はでかでかとオロオロしている俺に抱きつきながらカメラ目線でウィンクしてばっちり写った美琴だった。
と写真はでかでかとオロオロしている俺に抱きつきながらカメラ目線でウィンクしてばっちり写った美琴だった。
こうして俺も世界一有名な彼氏になってしまい、学校では小萌先生まで参戦して吹寄曰く「上条裁判」が開かれ、少し外をあるくと
「あーっ!!」と指をさされ、美琴の大ファンから追いかけられたりと不幸に拍車をかけたようなイベントばかり起きた。
「あーっ!!」と指をさされ、美琴の大ファンから追いかけられたりと不幸に拍車をかけたようなイベントばかり起きた。
「ふっふーん、これで女の子は当麻に近づかないわ」
「俺・・・以前より不幸な出来事が増えたんですけど?」
「あら?私という彼女がいる目の前でよくそんな言葉が出るものね。超可愛いアイドル美琴ちゃんという彼女が」
「あれ?もうアイドルやめたんじゃなかったっけ?」
「やめたわよ。でもしばらくはアイドルみたいに扱われるだろうし。もうしばらくは追いかけ回されるだろうけど」
「俺・・・以前より不幸な出来事が増えたんですけど?」
「あら?私という彼女がいる目の前でよくそんな言葉が出るものね。超可愛いアイドル美琴ちゃんという彼女が」
「あれ?もうアイドルやめたんじゃなかったっけ?」
「やめたわよ。でもしばらくはアイドルみたいに扱われるだろうし。もうしばらくは追いかけ回されるだろうけど」
そんなこんなで俺たちの日常はこうして元に戻った。美琴とより深い絆を手に入れて。
「およ?五和、こんな時間からどこに行くのよ?」
「学園都市に行ってまいります。ちょっとした用事ですのでお気遣いなく」
「そうか・・・こりゃあ面白いものが見れそうなのよ」
「学園都市に行ってまいります。ちょっとした用事ですのでお気遣いなく」
「そうか・・・こりゃあ面白いものが見れそうなのよ」
これからあんな事が起こるとは思ってもみなかった。