小ネタ 盛夏祭でのワンシーンについて
「……そういえばアンタ、『盛夏祭』来てたわよね?」
「ああ、行ったぞ。一応招待されたからな」
「誰に?」
「土御門舞夏」
「へぇ~アンタも面識あったんだ」
「まぁな、うちの男子寮によく現れんだよ。兄貴が居るからだと思うんだけど」
「ふ~ん、でなきゃアンタみたいな奴が来れるワケないわよね~」
「その言い方はねぇだろ…ってオマエは何で俺が行ってた事を知ってるんだ? 一度も会った記憶がねぇんだけど」
「……アンタ、今さ一度も会った記憶がないって言った?」
「ああ…うん、オマエの露払い役を見かけたくらいだな。それ以外はインデックスを探したり…本当にそれだけ」
「色々あったから、今の今まで触れないでおいたけど……アンタは記憶喪失にでもなったワケ?」
「(ぎくぅうう!?)ちょ、そ、そんなワケないじゃないですか、御坂さん!」
「…嫌でも思い出せさせてやるから、ちょっと待ってなさい」
「ちょっとどこ行くんだよ!……って行っちまった」
――五〇分後
(だ、誰もいないわよね……)
上条当麻の病室の前に『盛夏祭』にてヴァイオリンを独奏した時の衣装を纏った御坂美琴がそこに居た。
―――病室の扉が開く
「よぉ、御坂! 急に出てったからしん…」
上条の言葉は途切れた、御坂美琴の服装に見覚えがあったのだ。
自分がインデックスを探す時に尋ねた『綺麗な人』がそこに居た。
「ま、まだ思い出せないとか言ったら、こ、ここ吹っ飛ばすからね…」
「……」
「…何とか言いなさいよ!」
「あ…ゴメン…。な、なんか…ゴメン」
「…ちょっと大丈夫!?」
「あ~大丈夫、大丈夫! 今、ハッキリと思い出したから――」
「そ、そりゃ…ここまでしたんだから、思い出して貰わないと割りに合わないわよ
って別にアンタに見て欲しいとかそういうんじゃないから勘違い――」
「――綺麗だぞ御坂、本当に綺麗だ」
「――しな…。 い、い、今…き、き、綺麗って…」
「嘘じゃない。目の前のオマエを見て言ってんだから」
「……バカ、大体アンタはいつもズルいのよ!」
「勿体ねぇ、体が動けば……」
「体が動けば…?」
「抱きしめてた」
「ば、バカ!!こんなとこで何言ってんのよ!病院よ病院!
でもアンタがどうしてもって言うんなら…」
「zzz…」
「って寝てる!?」
(いつも言いたい事だけ言って、人の言う事聞いてくれないんだから…)
――終了――