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ミニステリアーレン小公国-Herzogtums Ministerialitat-は、国土総面積七万平方キロメートル程度、人口約五百万人、ルージェノワール王国ノイリア-Noiria-地方の東端、平均標高五百メートルだが二つの山脈に囲まれているゆえに高台というよりも寧ろ谷底といったところであろう。現地人の間では≪美しの谷(ボーヴァル)≫と命名されたこの地は、東をルージェノワール、北西をエルテメルカーン、南をランチェスターの三国に狭間に位置しており、主にこの三国の政治的策略に翻弄され続けた。

産業
良好な日差しに恵まれ、ワイン酒造、その原料となるブドウ栽培が盛ん。
少々の穀類、陶磁器、伝統技術を集約した精密機械工業、高水準に発達した印刷業諸々と観光業で成り立っている。

略史
ルージェノワール王国の零細封土の群れの一つであったミニステリアーレンでは、同王国臣民で構成された青年開拓団の大量移入に伴なった辺土開拓事業が徐々に進み、穀類を豊かに産するまでになった。
一方で当時強勢を誇っていた隣国、エルテメルカーン首長国の最強騎馬軍団の脅威を退ける為、穀類拠出と引換えに小公国存続を条件に立て、二つの大国間の思惑の狭間で生き永らえる外交戦術を講じた。
このような歴史的背景と地理的関係上、エルテメルカーンより宣教師を積極的に招き、メトラ教を国民に広めさせた。
カタストローフェ(=ロスト・アルテミス)の被害は軽微であり、復興よりも体制見直しが進められた結果、ルージェノワール王国より近代憲法が移入され、立憲君主国家体制が完成した。

首都
クーニグンデ(Kunigunde)
国土の中心から西よりに位置し、人口十万の我が国最大の都市。
全国から伝統職人が強制移住させられた過去があり、今も多数の精密機械工業に携わる職人が多く在住。
カタストローフェの被害も軽微であったゆえに現在は完全に復元。
大公の住まう城館・庭園を中心に同心円状に街路が拡がる旧市街には、重厚な中世風の建築物が建ち並ぶ歴史的景観が保存されている。

概略
世俗主義に基き国教は定められていないが、エルメテルカーン教を国民の約八割強が信仰している。
一方、公国の基本通貨単位はルージェノワールと共通のルージェン・オーラムとなっている。
このように文化圏観点から見るとエルテメルカーン色で、経済圏観点から見るとルージェノワール色と考えられる。
ただ元々の民族構成はディルタニア白人系(即ちルージェノワール人)が大勢であるがゆえに、価値観や言語、祭儀はエルテメルカーンとの複合、食習慣と服装はほぼルージェノワール式となっている。

国主
カーレン・ヴァンデ=ヴァイスシュヴァルツ大公
愛称はカーレン大公
両親の早世と子宝に恵まれなかった関係で、17歳にして爵位を叙せられ、ミニステリアーレン大公に即位。
気品溢れる家柄で知られるルージェノワール王国貴族ヴァイスシュヴァルツ家の出自で、その格式高さを誉れとする。
本国に於いてカタストローフェの影響は軽微ではあったが、リルバーン第一帝国にて外遊を予定し、祖父即ち先々代大公が搭乗中の航空機が隕石衝突の余波に巻き込まれ墜落する一大事件が発生。
父、先代大公は陰の実権者たる先々代大公の喪失の精神的ショックと心労によって病に伏し、譲位を決意。娘への叙位式を目前にして崩御した。

政体
近代憲法を持つ立憲君主国家。
議院内閣制を採用し、二院制の立法議会に国家の最高立法権を付与。
両院とも議員定数は50名。貴族院議員は大公の特許状を有す者、衆議院議員は直接選挙によって選出された者でそれぞれ構成される。

大公の地位は国家及び国民統合の象徴であり、ミニステリアーレン小公国元首と定められている。

また大公は議会の承認の下に国軍の統帥権、外交権(王室外交権は議会の事後承認)を有し、国務大臣の排他的任命権を有する。ただし、通常慣例として外交権は王室外交を除けば外務大臣に委譲し、任命権に関しては執政大臣に委譲する。執政大臣の任命は大公が決定権を下す。
国家の最高司法権は公国最高裁判所が有し、司法権の独立の原則上、大公は一切口出しは出来ない。
神域と看做される王室には司法権は絶対不可侵であり、代わりに特別裁判所である王室審問所が設置される。

外交
専ら小公国たるミニステリアーレンに選べる道は二つに一つしか存在せず、ルージェノワール、エルテメルカーン、ランチェスターの三国から友好関係構築のために善隣外交を採り、特に王室を持つ諸国とは王室外交を以て親密に接する。それゆえ大公にとって各王室との親交を深めるのが最重要公務となっている。

軍事
小公国たるミニステリアーレンの保有する軍備は国防上最低限度に留められる。
過剰な軍拡は周辺諸国の善隣外交に支障を生じさせる懸念があり、小公国存続にとって死活問題であることを留意しなければならない。
国軍は陸海空軍で構成されるが内陸国家ゆえに、海軍は公国唯一の海外領土たるヴィント・ホーゼ諸島に小規模艦艇及び警備艇が停泊する程度の規模で兵員は八千。陸軍は市場に氾濫し、安価なヤード製の中古兵器を導入している。軍事増強は専ら財政を逼迫させ、周辺諸国との関係上問題であることから、兵器性能には多くを求めない方針を立てている。兵員は三万五千。空軍は安全性及び操作性を重視。国土が狭いが故に、小回りが利く等の操作性の高さは必須条件であり操作性、安全性共に劣るヤード製は好まれていない。現在、戦闘機三十機、哨戒ヘリ五機、輸送ヘリ十機を保有している。兵員は五千。陸海空軍の兵員総数は四万八千。これは常時置かれる兵員数。我が国は国民皆兵制度を採用しており、戦時に於いて全国民が召集された場合、兵員数は大幅に増大する。各家庭には武器弾薬が保管されている。
これは大公殿下より賜った神聖な品と位置付けられ、汚損や紛失、安易な使用は憚られるどころでは済まず、厳しく処罰させられる。
定期的に国軍より担当官が派遣され、武器弾薬の点検する。

文化
我が国では常に婉曲的に言葉を伝達する手法を良しとしており、伝統的に手紙などに花を挨拶代わりとして添える慣わしがある。
その添えられた花の花言葉の持つ意味合いによって表現される。
また格式ある貴族の名家には王室よりお家の花が贈られている。
王室の花はスターチス。花言葉は永遠に変わらない心、変わらない誓い、上品。そのまま国花となっている。

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最終更新:2008年08月13日 00:13