オープニングから「かっこいい」という印象が続き、ビクトル・エリセの映画を思い出すような画面構成、固定カメラ、引きのアングル、そして音楽や役者オーラなど、一流映画としての貫禄を感じた。
けれど、だからこそ内容はつまらないと思った。これだけお膳立てがそろっているのに着眼点がイマイチだ。青山真治はどうしてこのような空振りを続けるのだろう。本人はかなり成功していると思っているのだろうか。けれど興行を無視しては単なる自主制作映画と変わらない。
レミング病だとかの設定も、チープな近未来SF映画のようだ。チープなりに救いのない深刻さがあればまだメリハリがあるのだけど、そのような切迫感もない。ノイズについても、音と画の構成上必要な組み合わせであって、単なる材料以上に必然性を感じない。
もちろんストーリーへ左右されない、そのような割り切りのよさが「かっこいい」出来上がりに貢献しているんだと思う。結果としてとても斬新な映画になっている。でもやはりプロモーション・ビデオのような軽いものでしかない。
やはり何か、腑に落ちないもどかしさや、胸を突かれるほどの鋭利な感覚や、かけがえのない対象を追いかけるような切迫感や。何でもいい、もっと心を動かされる映画を作って欲しい。ユリイカにはまだあったように思う。けれどもう忘れた。
とても「惜しい」監督だと思う。けれどいいかげん「残念」にもなってきた。2007-07-30/k.m
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