2人(シングルでは1人)で安全に、船を傷つけずに出艇と着艇ができるようになる。
⑴船を風軸(セールに風を受けない方向)に向けて海面に浮かべる。波が大きい場合は艇を波に向けてバウを抑えて持つようにする(艇の横から波を受けると倒れる危険がある。)。船台を抜く際は、船台が船を追い越すようにする。(シートが絡まるのを防ぐため)
⑵センターボードを半分差す。このとき風下側から差さないようにする。
⑶ラダーを半分下す
⑷スタン側から船を押してスピードに乗ったら船に乗る
⑸メインシートとティラーを操作してある程度走る
⑹近くに何も無いことを確認して全シバさせてセンターをおろしダガーロープをつける。ラダーを下し、ラダーのキックダウンロープをクリートする。
⑴風向や潮の満ち引きを考えて着艇コースを考える。アビームより上向きの角度での着艇コースがよい。
⑵ラダーのキックダウンロープのクリート(シートやロープを結んで留める金具)をとき、ラダーとセンターを半分上げて、ダーガーロープをはずし、センターボードを外す準備をする。
⑶スロープ近くまで帆走する。*ちゅういする
⑷目標の地点の1~2艇身前で風軸に向けてスピードを落とす(メインシートは出しておく)。この時にセンターボードを抜く。
⑸船から降りる。この際も風上側から降りるようにする。
⑹ラダーを上げる。スタンで船をおさえていると船が回りやすくなるため迅速に。
⑺波が大きい場合は艇を波に向けてバウを抑えて持つようにする(艇の横から波を受けると倒れる危険がある。)船台にバウから上げる。
スナイプはラダーを出艇後に取り付けるため、ある程度の深さがあるところまで行くためにはラダーを足で挟んで帆走する必要がある。
⑴船を風上に向けて、風上側からクルーが先に乗る。スキッパーは風上のチェーンプレート(サイドステーの下端金具部)を持っておく。
⑵クルーはセンターボードを地面に付かないように差してダガーロープを結ぶ。
→この際⑶のことを考えてラダーとティラーはスキッパーがすぐに取れるようにトランサム付近に置いておく。
⑶スキッパーがスタンからクローズホールドの方向に船を押しながら乗る。すぐに後ろ向きになってラダーを足で挟み、船の角度を調整する。
⑷クルーはメインセールとジブセールを使ってトリムによって船の進行方向を変える。姿勢はセンターボードを跨いで立ってメインセール(ブームやバングシートを手で持つ)とジブシートを持つ。
→メインセールにパワーが入るとウェザーヘルム、ジブセールにパワーが入るとリーヘルムがはたらく。
ウェザーヘルムは風上、リーヘルムは風下に向こうとする力なので風下に向きすぎた時はメインセール、風上に向きすぎた時はジブセールを引くとよい。ヘルムだけで回せないこともあるので、下したり上したいときはスキッパーに言って舵と併せて使う。
タック時には当てジブ(本来とは逆側にジブを張る)をすると下りやすくなり、風軸に向いて止まることがなくなる。この際船がヒールするほどセールを引く必要は無い。
スキッパーは後ろ向きのため、前を向いているクルーが逐一船の向きを指示する必要がある。
⑸ある程度の深さのところまで行ったら周りに何もないことを確認して全シバさせてラダーをピンドルにはめる。このときティラーをラダーにはめる。このときラダーをまっすぐに保ちながら行う。クルーはセンターボードを全て入れる。
〈スキッパーとクルーのコミュニケーションが重要である。〉
⑴南風の場合、追い風での着艇となるため、図の干潮時の着艇スペースで風上に立ててメインセールを下してジブセールのみで帆走、着艇する。
メインセールの下し方↓
①マストに付いているカニンガムロープ、メインタック、ランチャーを固定しているシートを解く。
②メインハリヤードロープを解いてメインセールを持って下す。メインセールが下りにくいときはジブハリテンションを抜くとマストの曲がりが解消して下りやすくなる。
⑵スキッパーはクルーにどのようなコースで着艇するかを指示する。
⑶湾内に入った際にダガーロープを外してセンターボードを半分ほどあげる。着艇スペースまで来たところで抜く。(図参照)
この際シート類を踏まないようにする。クルーはシートのカムをカットしておく。限界までスロープまで近づいて、ラダーを地面で擦らないところ(図の着艇スペース目安に)で風軸に向けて止まる。
⑷先にクルーが風上から降りて風上のチェーンプレートを持つ。波が大きい場合は艇を波に向けてバウを抑えて持つようにする(艇の横から波を受けると倒れる危険がある。)
⑸スキッパーがティラーをラダーから外す。
⑹スキッパーがラダーをピンドルから外す。
470の場合
出艇手順
⑴スタンまで完全に艇を浮かべてから、クルーは船台を抜き取り、スロープの邪魔にならない位置に置いておく。潮の満ち引きを考えて船台の置く位置を判断する。スキッパーはその間、艇のフォアステイの根元を持ち、船を風軸に向けて待機しておく。波が大きい場合は艇を波に向けてバウを抑えて持つようにする(艇の横から波を受けると倒れる危険がある。)
⑵船台を置いて戻ってきたクルーは、ラダーを半分降ろした後にスタンから乗り込む。この時も艇は風軸に向けておく。
⑶乗り込んだクルーは、3分の1ほどセンターボードを降ろす。スキッパーは艇を押しながら船に乗り込む。乗り込んだら艇をクローズの方向に向ける。
⑷スキッパーが乗り込んだらクルーはジブセールを調整し、スキッパーはメインセールを操作してラダーを半分降ろしたまま水深が深く安全な位置まで艇を走らせる。
⑸安全な位置まで進んだら、クルーはセンターボードを完全に降ろし、スキッパーは艇を風軸に向けて船を止めてからラダーを完全に降ろして固定する。この間クルーは周りを見て、他艇や障害物に気を付け、危険が迫ればスキッパーに報告する。
⑹ラダーを降ろし終わったら、速やかに練習海域に向かう。
着艇手順
⑴南風の場合(主に夏)、追い風での着艇となるため、着艇スペースで艇を風軸に向けてクルーがメインセールを降ろし、ジブセールのみで帆走、着艇する。
北風の場合、マストだけでも流される危険があるのでメインセールを降ろさずにハーバーへと向かう。
・メインセールの降ろし方
①マストについているカニンガムロープ、メインタックを解く。その次にコイル結びメインハリヤードをほどいておく。
②メインセールを降ろすとき、スキッパーはブームのエンドが落ちないように支えておく。
③ピークからハリヤードを外す。降ろしたメインセールは邪魔にならないようにきちんと畳んでおく。
⑵スキッパーはクルーにどのようなコースで着艇するか指示する。
⑶スロープが近づいてきたら、クルーはジブを半シバさせセンターボードを徐々に揚げ、スキッパーはラダーを半分揚げる。スロープから5~6mになったらセンターボードを完全に揚げる。
⑷クルーは水深が膝上くらいになったら速やかに風上から降りて、サイドステイを持って、スキッパーが降りやすい角度に艇を向ける。ジブシートのカムは外しておく。
⑸スキッパーは艇からおりたら船台をとりにいく。クルーは艇を風軸に向けておく。波が大きい場合は艇を波に向けてバウを抑えて持つようにする(艇の横から波を受けると倒れる危険がある。)
⑹バウをスロープに向け、船台で引き上げる。