こんにちは柊つかさです。
シンちゃんと結婚して五年が経ちました。
えっ、なら何で苗字が柊かって?
それはシンちゃんが柊家に婿入りして、お父さんの神主業を継いでくれる事になったからです。
だからシンちゃんは、もう飛鳥シンじゃなくて柊シンなんです。
とにかく私、いますごく幸せです。
まぁ、でも全部が上手くいってる訳じゃ無いんです……シンちゃんが神主の資格を取るときとかも大変でしたし……。
あ、いや、でもそんなのは些細な事でした。
実は私、今、悩んでます……。
えっ? シンちゃんに不満なんて無いですよ!
だって~、優しいし~、強いし~、カッコイイし~、家事は手伝ってくれるし~、この前なんか……
【中略】
というわけで、シンちゃんに不満なんてありません!。
悩んでいるのはシンちゃんの病気の事です。
病気はシンちゃんが悪いわけじゃないですから……。
実はしんちゃんって二重人格なんです……。
これは結婚する前からあったんですが、たまに何かの拍子に口調が軽くなったり、
「答えは聞いてないけど♪」
とか言いながら、女の人に卑猥な事をするんです。っていうかエロいんです……。
でも、結婚してからは大分落ち着いてきて、性格が変身するのも年に数回ぐらいになってきてて……。
あ、でもやっぱりこれも些細な事でした。
えっ? なら一体何をそんなに悩んでるのかって?
実は、私たち、まだ子供がいなんです……。
それなりに、ど、努力はしているのですが中々、幸運に恵まれず……。
家を出て行ったお姉ちゃん達はとっくにお母さんになってるのに……。
……すいません、子供が出来ないっていうのも些細な――いや、やっぱり重要な問題なんですけど。
もう一つ、同じぐらい悩んでる事がありました。
そう、あれは正月に家族が勢ぞろいした時の話です……。
ただお「ごちそうさまでした」
一同「ごちそう様でした」
ただお「みんな昨日はお疲れ様、でも悪いけど今日も手伝ってくれよ」
シン「お父義さん。そろそろあれ、やってあげた方が良くないですか? 子供達さっきからウズウズしてますよ」
ただお「おお、そうだったな……では」
ただお「柊すてら」
すてら「はぁい!」
ただお「柊あうる」
あうる「ほぉ~い!」
ただお「柊すてぃんぐ」
すてぃんぐ「はぁ~い!」
ただお「はい、三人ともお年玉だよ」
すてら、あうる、すてぃんぐ「「「おじいちゃんありがとう!」」」
かがみ「良かったわねすてら」
まつり「大切に使うのよあうる」
いのり「無駄使いしちゃ駄目よすてぃんぐ」
ただお「来年はもう一人渡せるといいねぇ」
シン「が、頑張ります……」
つかさ「うん。期待しててね」
すてら、あうる、すてぃんぐ「「「シンおじちゃん!」」」
シン「ん?」
すてら、あうる、すてぃんぐ「「「おもちゃ屋連れてって!」」」
シン「はは、早速かよ」
みき「三人とも、ご飯食べたばっかりだし。もう少し後にしなさいな」
すてら、あうる、すてぃんぐ「「「じゃあシンおじちゃん、遊んで!」」」
シン「わかったよ」
かがみ「悪いわねシン」
シン「な~に、体力には自信があるからな。三歳児三人ぐらい面倒みてやるさ、任せとけ」
すてら、あうる、すてぃんぐ「「「バスケやろ! バスケやろ!」」」
シン「分かった分かった」
ただお「よ~し。おじいちゃんも入れておくれ」
シン「え、大丈夫ですか?」
ただお「ははは、三歳児とボール遊びが出来なくなるまで衰えてはいないよ」
シン「は、はぁ……」
シンとただおそして、子供達の足音が遠くなる。
まつり「それにしてもあの子達、本当にシンに懐いてるわね」
いのり「ホントよねぇ。やっぱり、父親がいないと寂しいんじゃないかしら?」
かがみ「そればっかりは、母親である私たちにはどうにも出来ないからねぇ」
つかさ「……ねぇ、お姉ちゃん達」
いのり、まつり、かがみ「「「ん?」」」
つかさ「……あの三人の父親って……だれ?」
ピシッ。空気の凍る音。
母、みきだけが涼しい顔でお茶をすすっている。
いのり「や、や~ねつかさ。その言い方だと三人とも父親が同じみたいな言い草じゃない」
つかさ「……違うの?」
まつり「違うに決まってるでしょ。何を言ってるのかしらこの子は」
かがみ「どうしたのよ急に?」
つかさ「……じゃあ、あの子達の父親ってだれ」
いのり、まつり、かがみ「「「だから、前から言ってるように、いきずりの男だってば~」」」
つかさ「……子供達って三人とも目が赤いよね。そのいきづりの男って三人とも目が赤かったの」
いのり、まつり、かがみ「「「そうよ。偶然って怖いわね~」」」
つかさ「……ねぇ、お姉ちゃん達。庭で遊んでるシンちゃんと子供達を見てどう思う?」
すてら『すてらのボール返して!』パリーン!(種割れ)
あうる『悔しかったら、奪い返してみろよ!』パリーン!(種割れ)
すてぃんぐ『すてらをいじめるな!』パリーン!(種割れ)
シン『お前ら! ケンカするなぁぁ!』パリーン!(種割れ)
ただお『……』
つかさ「……お父さんのあの愕然とした顔からも分かるように、あの子達の運動能力って凄いよね、
そう、……るでシンちゃんの運動神経を“受け継いだ”みたいだよね……」
いのり、まつり、かがみ「「「偶然だって」」」
つかさ「ねぇ、もしかしてシンちゃんのあの病気を利用して――」
いのり、まつり、かがみ「「「だから、偶然だって。はい、この話はおしまい」」」
つかさ「う……うわあああああああああん!」
みき(つかさ……強くなるのよ)
最終更新:2007年12月02日 11:52