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避11-604

「シン、ちょっと話があるんだが…いいかい?」
ある日の夜。夕食を終え、シンが日課のガンプラ製作をしていた時のこと。
不意に、部屋のドアが開いた。
そうじろうさん?何ですか?」
キョロキョロと周りを気にしながら部屋に入ってくるその人物は…
シンの保護者的人物、泉そうじろうだった。
「うん、実はね…」
「…??」
それはいつもの明るいそうじろうではなく、悩みを抱えた父親の顔だった。
「最近、こなたが可愛くなったと思わないかい?」
開口一番、何を言うのかと思えば…いつもの親ばかか。
シンはそう思いながらもそうじろうの話を聞くことにした。
「はぁ、そうなんですか・・・いや、よくわからないですけど・・・」
「いやね、前も十分可愛かったんだよ?でもね、今はなんというか・・・女っぽくなった、というか・・・」
腕を組んで難しそうな顔をしている。
親ばかもここまでくればある種の尊敬すら覚える。
そうじろうの言葉に戸惑いつつも、以前のこなたと今のこなたを記憶の中で比べてみる。
(・・・確かに、昔のようにシンを誰かほかの女子とくっつけようと画策したり、面白半分に自分をからかうことはなくなったな。)
変化といってもそれ位しか思い浮かばなかった。
「男だ」
「へ?」
「男だッ!男なんだよォーッ!!」
拳をにぎりながら叫ぶそうじろう、その目からは涙が…
「ちょ、男って何なんですか!わけわかんないですよ!?」
「ううっ、うちのこなたが、かわいいかわいいこなたが~・・・」
この人、酔ってるのか?
そう疑いたくなるようなそうじろうの支離滅裂ぶりに、シンもどうしてよいものかわからなかった。
「とりあえず落ち着いて、何が何なのか教えてください」

・・・

「―――なるほど、つまりこなたに好きな人ができたって事ですか?」
「ああ…」
沈痛な面持ち、とはこういう顔の事を言うのだろう。
この世の終わりを目前にしたかのようなそうじろうの落ち込みぶりに、さすがに少しばかり同情してしまう。
「それで…俺にどうしろ、と・・・?」
「うむ。それはね。」
涙を拭きながらそうじろうは顔をあげる。
その目には、何ともいえない怒りの色があった。
「その男がどこの誰なのか探し出してほしい!!」
「はぁ・・・」
「おれの可愛いこなたをよくもたぶらかしたな…恨み晴らさでおくべきか…」
「・・・。」
いささか過保護が過ぎる感は否めないが・・・
ここまで本気で心配してくれる父親がいる。
シンは少しこなたがうらやましかった。



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最終更新:2008年04月14日 12:59
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