「って、なんだ
こなたかよ」
振り返るとそこにはみさおではなく、こなたがいた。
「・・・」
「どうした?何か用か?」
「ふぇ?」
こなたはハッと我に返る。その間は一体何なのか。
「ふぇ?じゃなくて。用があるから呼んだんだろ?」
「え・・・あ、ああ!そう、そうだよ、用事用事」
シンに言われて思い出したように言った。
「えっと・・・あれ、何だっけ?」
「おいおい、頼むぞ・・・呼んでおいてそれは無いだろ」
「アハ、ごめんごめん」
いつものこなただ。ゆるくて。どこか抜けてて。
そうじろうさんやかがみはああ言っていたが、やはりこいつに好きな奴なんて居ないんじゃないか?
・・・というかその方が自分としても助かる。
シンは目の前の少女を見ながらそう考えていた。
「どしたの~あたしの顔をマジマジと見ちゃって。何かついてる?」
「いや・・・別に。ただ、こういう奴でも好きな奴いるんだなーと意外に思っただけだ」
「はぃ?好きな奴って?」
やってしまった。つい、口が滑った。よりによって本人に言ってしまった。
そうじろうの指示のもと、隠密の如く活動していた今までの成果が水の泡に・・・
「あ・・・いや・・・ほら、その~何だ・・・なあ?」
さらに、言い訳にもならない言い訳をしてしまった自分に心の中で突っ込む。
終わった、何もかも。目の前に前作主人公様のMSが飛び出してきた!くらいに。
「好きなヒトねぇ~・・・」
「いや、もういい・・・その話は忘れてくれ・・・」
なかば投げやりに言ったシンに
「いるよ」
意外・・・というか想定の範囲外な言葉が返ってくる。
「はいぃ!?」
こなたはいつも通りのゆるい調子で驚愕の事実を垂れ流す。
「そんな・・・本当かよ!?」
「まぁ~ね~。でもまあ、何かフラれちゃったみたい」
「そ、そうなのか・・・なんか・・・悪い」
「なんで謝るの?」
「いや、そりゃいいコトじゃないだろうし・・・」
「ん~っていうか」
不意に、こなたの眼差しがまじめになった。
「あたしは、まだ諦めてないから。少しでも可能性があるなら・・・
あたしは最後まで頑張るよ。シンだって・・・そうだったでしょ?」
最後までやり通す。
それが如何に大変で困難なことか。
あちらの世界で嫌という程味わってきたシンにはよく分かっていた。
「うーんでも何ていうか・・・こーいうのって、あたしのキャラじゃないなぁ~アハハ・・・」
「そんなことは無いさ。」
「え・・・?」
「最後までやり通すってのは・・・大変なコトだからな・・・」
遠くを見ながら、昔を思い出しながら・・・シンは言葉を続ける。
「俺でよかったら何だって言ってくれ!いつだって手助けするからな!!」
「アハ・・・ありがとう、シン・・・」
先は長い。まだまだ終わりは見えない。
けれど・・・途中で逃げるつもりも毛頭ない。
シンの自分への意識が変わるまで、逃げない。退かない。
「頑張るよ」
拳を握り締め高らかに宣言した。
最終更新:2008年04月14日 12:58