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ネタスレ121

17-309の続き


「いやぁ~思わぬ観光だったね~」
「何だか修学旅行してるみたいで新鮮だったよ~」

ここは日が傾いてきた、栃木県のとある終着駅そばの大きめの公園。
何故制服姿の4人がこんな所に居るのかというと……単純に4人揃って寝過ごしてしまった為である。

学校も半日で終わりの休日前だったので、お泊り道具一式を準備してきたみゆきさんと共に
みんなでこなたの家にお泊り込みで遊びに行こうと電車に乗り込んだまでは良かったものの…
こなたとつかさは速攻で寝入ってしまい、かがみとみゆきももたれ掛られる感じが気持ちよくて
気づいた時には栃木の終着駅に着いてしまっていたのだった。

「それにしてもかがみとみゆきさんまで寝すごしてしまったのは意外だったよー」
「私とした事が、くっ付いて来るこなたさんが暖かくてつい……」
「……同じく……一生の不覚」
「お、お姉ちゃんごめんね」


また長い時間をかけて戻るのかとみんな憂鬱になっていたら、ポジティブなこなたが
折角だから栃木を日帰り観光しようと言い出して
携帯の情報を頼りに市内の寺や滝等の観光地を周って戻ってきた訳である。

ちなみにみんなの帰りの電車代節約のために、居残り補習だったシンに連絡して
家に余ってるsuicaを持って来てくれとパシらせてるこなた。
「『うん…うん、分かった、それじゃあ駅の西にある少し大きい公園でみんなで待ってるから』(ピッ)
 シンが今駅まで到着したんだって~。順調に行ったらここまで来るのにあと10分ちょっとかな?
 みんなの帰りの電車代は私のおごりだよ♪」
「あんたの家のでしょう! いくらおじさんが仕事で用意したけど使わなかった余りだからって
 こんな事に使っちゃっていいの!?」
「それにシンちゃんが可愛そうだよぉ~」
「まぁまぁ、野暮な事は言いっこ無しで。シンもお父さんも今晩は可愛い女の子三人が家に泊まり来て
 一つ屋根の下過ごせるんだし、これ位お安い御用だって」

「か、可愛いだなんて…」
「はうぅっ…」
「あ、あんた…自分で言ってて恥ずかしくないか…?」
「真っ赤になってるみんな可愛い♪」
みんなの反応が思ったより良いのに味を占め、ここぞとばかりにからかって来るこなた。


「も、もう! 私ちょっとジュース買って来る!」
「わ、私もー」
このままだと更に何言われるか分からないと思ったかがみは逃げ出してしまい
つかさもそれについて行った。






そして同じ公園内にある自動販売機前までいく。
「何だかちょっと怖い雰囲気だね…」
「全く…あんたもう18でしょう? これ位で怖がるんじゃないわよ」

そこはやけに寂しい場所で、日が暮れてきていて薄暗いせいもあり
つかさは思わずかがみの腕にしがみ付いてしまい苦笑されてしまう。

だがそう言うかがみにも
地元から離れた全く知らない土地で親や先生も居ない中
日暮れを迎える状況には心細さを感じており
それを振り払うかの様につかさとジュースを選ぶのに夢中になっていた。



すると……

…ジャリ…

不意に背後から何人かの足音が聞こえた。

その音に本能的に不安を抱きながらも、シンと合流したこなた達が追いかけて来た
のを期待し振り向くと…



DQN「彼女達~こんな所でどうしたのー?」
いつの間にか二人は柄の悪い男達四人に取り囲まれていた。
DQN「へぇ~二人とも中々可愛いじゃん」

この公園は賑わってる駅のすぐ近くである反面人通りが少ないので
日が暮れるとその手の連中がたむろする事がある。

そこに見かけない制服を来た可愛い女の子が何も知らずウロウロしていたのなら
声を掛けられるのはある意味必然だった。





DQN「ジュースなんていくらでも奢ってあげるから俺達と一緒に遊ばねー?」
「ちょっとっ、あんた達いきなりなんなのよ!」
かがみが思わず声を荒げるも、それを無視し嫌な笑みを浮かべながらジリジリと近寄って来る男達。
その様子から断ってもすんなり引き下がってくれそうにないかなり不味い連中だというのが見て取れる。

「ナ、ナンパならお断りよ!」
初めて経験する緊迫した場面に怖い気持ちを必死に抑えながら強気に出るかがみ。
つかさは…恐怖で凍り付いててかがみに掴まって震えている。

「お、お姉ちゃん…」
「つかさっ あんただけでも何とか逃げてっ」
「そ、そんなぁ…、お姉ちゃんをおいていくなんて出来ないよ」

DQN「何だぁ? 二人とも姉妹なのか 姉妹共々っていうのも悪くないぜ」

そう言ってるうちにどんどん詰め寄って逃げ道を完全に塞がれてしまう。
DQN「おいおい、あんまり怖がるなよ、優しくしてあげるからさ。ひゃはははは」
「い、一方的にこんな事するなんて男として最低ね!そんなんじゃ一生女の子に相手にされないわよ!」
DQN「なん…だと」
虚勢を張って思わずそう言うかがみだったが、下手に相手を挑発してしまっただけみたいで
相手のからかい半分だった態度が急変してしまう。
DQN「言わせておけば調子に乗りあがって… 俺たちは女だからって容赦しないぞ…」
「や…ちょ、ちょっとっ、警察呼ぶわよ!」
つかさを庇いながらそう言うかがみだが震えは隠せないでいた。
DQN「この状況でどうやって呼ぶんだよ?」

先頭の男がそう言いかがみに掴みかかろうとする。

―その時っ





猛ダッシュで近づいてくる二つの足音が聞こえたかと思うと…
「どりゃああ―――」
こなたが突撃してきて、その男のわき腹に勢いよく膝蹴りを入れてきた。
「ぐあぁっ」
不意打ちをモロに喰らって相手はうずくまる。

「こなた!」
「こなちゃん!」
「あんた達っ かがみとつかさに何しようとしてたのさ!」
DQN「なんだテメエは!?いきなり出てきやがって!」

他の男がこなたに掴みかかろうとすると…

「乱暴は止めて下さい!」
今度はみゆきがその間に入ってきて、相手の腕を極めてしまった。

「おー、みゆきさんもさすがだね~昔護身術習ってたって言うだけの事はあるよ~」

(二人とも格闘技を習ってたのは知ってたけど実際に見てみると本当に凄いな…
 何も出来ないでいる私とは大違いだよ…)
かがみにしがみ付きながら臆する事の無いこなたとみゆきに尊敬の眼差しを向けるつかさ。

だけど…この前シンが言ってた通り、男4人相手にこのままアッサリいくものではなかった。

DQN「図に乗りあがって…」
最初にこなたに蹴られた男の人が辛そうにしながらもノソノソと立ち上がる。
「アッチャー、私の体重じゃ完全ノックアウト出来ないか…最初に頭を狙えばよかったなぁ…」

DQN「おいっ 離しやがれ!」
「キャア!」
みゆきも他の相手に乱入されてしまい手を離してしまう。
「みゆき!」
勢いでふらついたみゆきをとっさにこっちに引っ張り込むかがみ。

DQN「いってぇ…このやろう…」
腕を極められた相手は痛そうにしながらもまだやる気の様だ。





「あ、あのっ こんな事やめて下さい!」
「そ、そうよ! こっちには強い子がいるんだから、そっちだって無事では済まないわよ!」
DQN「うるせえよ! こんな目に合わされて大人しく帰れるか!」
DQN「おい、みんなで一気にいくぞ!」
みゆきとかがみの説得にも応じず4人は一気に襲い掛かってきた。

DQN「後から来た二人は何か格闘技やっていやがる! こいつらを何とかするぞ!」
向こうはかなり警戒しながらも全力の力押しで一気に倒そうとしてきてて、
女の子2人vs男4人という現実的には分の悪い攻防が繰り広げる事となる。


「この人達…喧嘩慣れしている…ちょっとやばいかも……みゆきさん、シンが来てくるまでの辛抱だけど大丈夫!?」
「が、がんばりますっ! つかささんとかがみさんは下がってて下さい!」
「ふ、二人とも無理するんじゃないわよ!」
「………(こなちゃん… ゆきちゃん…)」

両腕で前面をガードしながら突撃して来る男。
正面からでは無理そうなのでこなたは素早く避けつつ横っ腹に拳を叩き込んだ。
少し仰け反る相手だったが倒すのは至らずこちらに向き直ろうとしてきて、
その前に何とか追撃しようとした所でもう一人の邪魔が入り
断念して体勢を立て直す。


みゆきも同じ様な感じで、それぞれ一人ずつ相手にするのが精一杯だった。
1vs1ならじっくりいけば何とか勝てるかもしれないけど
つかさとかがみを守りながら二人以上同時に相手するのはかなり無理がある様子だ。

DQN「おらっ! お前らもだっ!」
そうしてるうちに相手の一人が
つかさとかがみに注意を向けてしまい、向かって来ようとする。

「つかさ! かがみ! あぐっ!」
慌てて無理してつかさ達の所に駆け寄ろうとしたこなたを別の男が
羽交い絞めにして来て、こなたは身動きが取れなくなる。

「つ、つかさっ、わ、私の後ろに隠れて!」
かがみは思わずつかさの前に立ってカバンを武器に構えたけど
足の震えは止まれないでいるみたいだった。





(お姉ちゃん達……)

――こなたとみゆき、そして姉のかがみの絶体絶命

恐怖で頭の中が真っ白になっていたつかさだったがそれを間のあたりにして、
段々と今までとは違う感情が沸いてきて体の中が熱くなってくる。

(無闇に危険な行動に出たら怒られるかもしれない…)
「か…かがみ…! は、早くつかさを連れて逃げて!」
(良く考えたら他にいい方法があるのかもしれない…)
「かがみさん! つかささん!」
(だけど…こんな状態で何もしないで居るなんて嫌だよ!)
DQN「逃がすかよ!」
(シンちゃんに教えてもらった事はただの飾りなんかじゃないもん!)

つかさの前に居るかがみの肩を男がつかみかけた刹那――


バスッ!


気づいたらつかさは相手の顎に思いっきり掌底を打ち込んでた。

DQN「こ、こいつもだったか…」
完全に油断してたせいでモロに喰らい、軽い脳震盪を起こして崩れ落ちる相手。


「つ…つかさ…?」
「つかささん…?」
「つかさ…あんた…」

かがみ達を含めたこの場にいる全員が呆気に取られていた。





(こんな事しちゃったらもう隠し通せないよね)

「私も戦うよ!」
つかさはそう言うとこなたまでの間合いを一気に詰めて後ろに回りこむと
後ろの羽交い絞めにしてる男のアキレスに思いっきりローキックを打ち込む。

バチンッ!

DQN「ぐあぁ」


ちゃんとした型で体重を乗せれたのなら、体重がある分必然的にこなたのそれより
威力は大きくなる。


相手はこなたを離すと顔を歪ませでしゃがみ込んでしまい、その隙にこなたは体勢を整えた。

「つかさ…やっぱり…シンと…」
こなたの中で思い当たってた数々の要素が一本の線をなす
毎日トレーニングしてるシン
毎日トレーニングしてるつかさ
恐らくつかさとシンがトレーニングしてる時間は同じ。

……間違いない……
つかさの攻撃で呻いてる男たちが何よりの証拠だった。

「つかさ…あんたの毎日してたトレーニングってもしかして…」
「…今のつかささんの動きはまぐれじゃありません。間違いありませんね…」
かがみとみゆきさんも同じ事を考えてたみたいだ。


「み、みんな、それは後で話すから…キャッ」
「つかさ!」

注意を怠った隙にまた別の男に掴みかかれてしまい、今度はつかさが思うように動けなくなり焦りそうになったけど
すぐにこなたが助け返してくれた。




DQN「て……てめ…ぇ」
DQN「く、くそったれが……」
しゃがみ込んでた相手が死に物狂いで立ち上がってきて、最初に掌底を打ち込んだ男も
フラフラしながらも立ち上がる。

「全く…その根性をもっと別の事に向ければいいのにって思うのは私だけ?(=ω=.;)」
「それって普段私があんたに言ってる事じゃないのよ」
「同じ男の人でもシンさんとは大違いですね」

DQN「何のん気に話していやがるんだ!」
相手は再び全員で一気に襲い掛かって来たが
つかさが参戦した事により、まだ分は良くない物の
先ほどまでの様なかなり無理のある戦いでは無くなってきた。

キャリアが長かったとはいえここ数年まともに練習をしておらずカンが鈍ってるこなたとみゆきに対して
まだ半年とはいえ昨日までずっと練習付けだったつかさ。
本人が一旦リズムを掴んだらこちら側のエースとなるのは必然だった。

(怖いけど……冷静に冷静に……)
相手がムキになって殴りかかって来る物の、シンとの組み手の感覚を思い出しながらそのパンチを
何とか捌いて、向こうが拳を引いたのに合わせて鼻っ柱に拳打を浴びせるつかさ。

バシンッ!

DQN「ぐぁ…」
(この人達…シンちゃんの動きに比べたら全然たいした事ない。
 …だけど手加減してくれてるシンちゃんと違って全力で掴みかかって来るからちょっと危ないかも…)
DQN「て、てめぇ…」
向こうもつかさが一番危険だと察知したみたいで
今度は二人同時につかさの前に立ちはだかる。


残り二人はこなたとみゆきがそれぞれ相手をしてるけど
こちらの援護まではすぐには出来そうに無いみたいだった。




(え、えっと、こういう時は…)
つかさはシンに教えて貰った事を思い出しながら、素早くバテてる方の男の外側の横に回りこむ。
こうすると自分から見ると相手は縦に並んでる感じになり
一瞬の間、二人を同時に相手にせずに済む。
そしてそのまま相手のスネにローを入れる。

ベチンッ!

DQN「ぐ…」
相手は思わず体勢を崩した…けど倒れこむのと同時に足を掴まれてしまった。
「キャアッ!」

DQN「よっしゃ、そのまま抑えてろ!」
動きを封じられた所でもう一人が歩み寄って来る。
思わず目をギュッとつぶりそうになると…

「おりゃああっ!」
かがみが勢い良く突撃してくると、つかさを掴んでいる男の頭頂部をカバンの角で
思いっきり打ち付けた。
DQN「ぐう…」
思わず手を緩ませた隙につかさは素早く脱出する物の、そこで今度は歩み寄って来たもう一人に掴み掛かられる。
「汚い手で妹に触るなぁ~!」
だが、かがみが今度はその男の顔面に「バンッ、バンッ」とカバンを勢い良く打ちつけまくって
そのおかげで簡単に脱出出来たつかさは、思い切ってこの前シンとたっぷり練習した拳打と上段回し蹴りのコンボを繰り出してみた。

 バスッバスッ! ズガッ!

「ぐあぁっ!」
不安だった物の無事に成功して、モロに喰らい倒れこむ相手。

「お姉ちゃん!?」
「…正直、私はあんた達みたいに強くないけど、みんなが必死になってるのに
 一人じっとなんかしてられないわよ。……こらっ! あんた! いい加減にしなさいよ!!」

そう言いながら未だに立ち上がって向かって来ようとしてる、最初につかさの足に組み付いていた相手に
『バチ――ンッ』と凄く痛そうな平手打ちをお見舞いする。

「おー、かがみん凶暴伝説ハジマタ\(=ω=.)/」
「かがみさん、素敵です」
「お姉ちゃん格好いい~」
「う、うるさいわねっ」

かがみと同様にこなたとみゆきもつかさを助けようと駆け寄って来ていて
改めてかがみを後列にフォーメーションを組んだ。
向こうもコンボを喰らって倒れてた相手を助け起こした後、
まだやる気の様で向かい合って来る。


かがみを戦力にカウントしないと人数的に不利だが、こっちはディフェンスをしっかり固めてて
チームワークも悪くないおかげで、息は上がってきてるけど全員怪我はほとんどしていない。
対して向こうは全員かなりボロボロで動きが鈍ってきていて、最初に比べたらかなり分が良くなってきている。

だけど向こうは素人だけど全員体格のある男で
こっちは3人が格闘技経験者だが女の子であるのには変わりは無く
このままやったとしても確実に勝てるとは限らない。

華奢な体では一瞬の油断で貰う一撃が命取りになり、そして一人でも欠けたらまた戦況は一気に悪くなってしまう。


……まだまだ気の抜けない、苦しい戦いになる……


みんなそう思って覚悟を決めてると…
「おい!アンタら何やってるんだ!」
今のみんなにとって最も頼もしい人物が現れた。
「シンちゃん!?」
『シン!』
「シンさん!」
「こなたっ! かがみっ! つかさっ! みゆきっ! 大丈夫か!?」
ダッシュで駆けつけこなた達の前に立つシン。


DQN「何だテメエは!」
「みんな…怪我はないか?」
「うん、ちょっと疲れちゃってるけどみんな元気だよ」
「そっか……本当に良かった……」
DQN「無視してるんじゃねーよ! ただで済むと思ってるのか!?」
「それはこっちのセリフだ!」
標的をシン一人に絞り相手のうちの3人が一斉に飛び掛った物の…

ズドッ! ズガッ! バスンッ!!

3人とも一撃でシンに倒されてしまった。
かなり容赦の無い攻撃を浴びせ、今までのダウンした時と違って簡単に起き上がれそうにない。
残る一人は呆然としている。


「私達じゃそれぞれ一人がやっとなのに三人を一瞬で倒すなんて…」
「やっぱりシンちゃんって凄い…」

「……女の子によってたかってこんな事して……お前らただで済むとは思うなよ……」
こなた達も呆気に取られてると、残った一人の胸ぐらを掴み上げるシン。
その目は怒りに燃えきっており、何時ものシンからは想像もできないほど恐ろしい物だった。

この世界に来た当初も鋭い眼光を放っていたがそんな物の比ではない。
「ヒッ…!」
向こうは勿論、こなた達もその迫力にすくみ上がる。




(こ、このままじゃ…シンちゃん大変な事をしてしまうよぅっ)
そう思ったつかさは怖い気持ちを必死に堪えながらシンに駆け寄ると、男を掴み上げてるシンの手をギュっと握った。
「シ、シンちゃん…!」
「つかさ?」
意外そうな顔をするシン。

「あ…あの…こ、これ以上乱暴な事したくないんで……か、帰って貰えません……か……?」
ゆっくりとシンの手を下に引っ張って男から離させながら
勇気を振り絞って掴み上げられてた男にそう言う。

DQN「う…く、くそ!」
今まで向こうも一杯一杯だったのにシンに参戦され、もう勝ち目が無くなってるのは目に見えてて
つかさの言葉にダウンしてる仲間を起こすとみんなフラフラとこの場を後にしていく。
さっきまでと違って男が相手になったから逃げやすかったというものもあったのだろう。

「つかさ…いいのか…?」
少し不服そうに去っていく男達を見送りながらシンはそう聞いてくる。

「うん…こっちはみんなほとんど怪我してないみたいだし…」
「……そだね……喧嘩しなくていいのならそれに越したことは無いよ……シンがマジでやったら洒落にならないし」
「本当は全員とっ捕まえて警察に突き出してやりたい所だけどね。
 …でも理由はどうあれ先に攻撃したのも怪我させたのもこっち側だし、その上一方的にボコボコにするのはちょっとね…」
「妥協…するのも何ですがシンさんがやりすぎて大怪我させてしまうよりはいいです。
 …あの人たちもあれで懲りてくれればいいのですが…」

「みんな……そうか……まあ…地元じゃないし二度と会う事も無いだろうしな…制服見られたのはちょっと気になるけど…」

みんなの言葉に冷静さが戻ってくると、今度は怒りに囚われ暴走しかけてしまった事への後悔の念が沸いてくる。
(俺は…みんなが危険な目に会ったからって我を忘れてしまって…
 つかさが止めてくれなかったらどうなってたんだろうな…)

「シンちゃんごめんね…約束してたのに危険な事して」
「い、いや…他に避ける方法が無かったのなら……しょうがない…」

自分の精神的な未熟さに複雑な感情を抱きつつ、怒られるかもしれないと少し怯えてるつかさを優しく慰める。




自分の都合でつかさに安易に武器を宿させてしまい、それが原因で変な事が起こったりしないかと
心配してたんだがそれは全くの杞憂だった。
逆に自分の方がよっぽど暴走してしまいつかさになだめられてしまう始末だ。

つかさはあれで実は自分なんかよりよっぽど精神面がしっかりしてるんじゃないかと思うシン。
「はは…俺…やっぱりつかさ達よりよっぽどガキだったな…」

「え? そ、そんな…私も全然ダメだったよ…稽古してるのに最初は怖くて動けなくて
 こなちゃんとゆきちゃんに任せっぱなしだったし……あ、あれ?」
その時、いきなり足がガクガクと震え出して来て戸惑うつかさ。

つかさは性格的に、本来こういう荒事には一番ショックを受けるタイプなのだ。
さっきまでは自分や友達の身を守るために必死になっていたが
その緊張が解けて改めて先ほどの恐怖が蘇ってきたのであろう。

「えぐっ…ヒック…お姉ちゃぁああん!」

とうとう涙も止まらなくなったつかさはかがみに抱きつくわんわんと泣き出してしまった。

「……っ…ひぐぅっ…怖かったよぉ~」
「…つかさ……良く頑張ったわね、もう大丈夫よ……」

自分より強く、そして自分よりか弱い妹をしっかりと抱きしめ優しく頭を撫でるかがみ。

「あらあら、つかささんったら…」

「やっぱりどんなに強くなっても、つかさはつかさだね~♪」

今のつかさを見てると、数分前まで体格のいい男をフルボッコにしてたと言うのがとても信じられなくなってくる。

「全く…不思議な奴だよな…」
(さっきまで随分しっかりしてると思ったらこれだ。…まあ、その方がつかさらしいのかもしれないな)

そう思いながら目の前の微笑ましい光景を眺めていると…

かがみがつかさを抱いたままゆっくりと目線をこちらに向けてきた。
心なしか少し睨んでる様な…

「さ~てシン、この半年間つかさと一体何やってたのか全部話して貰いましょうか」

「う…」

「まあ、あれを見れば大体想像付くけどね。つかさの動きを見る限り相当みっちりやってたみたいだね~」
「みんなに内緒で毎日二人っきりで…本当に羨まし…コホン、本当に練習だけだったのか気になる所ですね」
「グス…み、みんな、シンちゃんばかり責めないでよぅ。元々私がお願いしたんだし…」

こなたとみゆきにも両サイドから詰め寄られて観念するしかないシンであった。




―次の日――

「…んで、何でアンタらまでここにいるんだ?」
昨日の事があったばかりだけど練習を再開しようとしたら…


「いやぁ~二人っきりでいるなんてつかさの身が心配じゃん?」

「今日から私達も練習に参加しますね」

「全く…半年間も殆ど毎日一緒だったなんて…抜け駆けもいい所よっ」

「はぅ…ごめんねお姉ちゃん」

一昨日までつかさと二人っきりだったのがいきなり五人に増えていた。


「今回みたいにシンが一緒にいない時にまた襲われたりしたら大変じゃん。
 もしもの時の為にしっかり腕を磨いておかないとね」

「私もまた何かあった時に一人だけ役にも立てないのは嫌だし、
 一人だけ一からのスタートだけどよろしく頼むわ。つかさなんかすぐに抜いてあげるんだから」

「お、お姉ちゃんに対抗意識燃やされちゃってるよぉ~」

みんな運動着に着替えててやる気満々のようだ。

「お前ら…無理にここに来なくて道場にいけばいいじゃないか?
 特にみゆきさんは家からここまでかなり時間かかるんだから無理しない方がいいぞ?」

「それを考えて私はここでの練習は土日を中心に週3回程度にしようかと。
 その位ならシンさんを監視する為には来れそうですよ(ニッコリ)」
当たり前の事を質問してみるシンだったが、一人ハブられるのは沢山だと言わんばかりの
みゆきのオーラに何も言い返せなかった。

「それにもし道場行くと毎月お金かかってしまうけど、シンなら完全にタダなのはかなり大きいよね~
 私達は家のすぐ近くだし」
確かに…それは言えてるかもしれない
だが……
「……何だか先生というより奴隷になった気分だ…」
「おー、よしよし、お礼に何か悩み事があったら今までつかさにしてたみたいに
 いつでもお姉さん達に相談していいからね~」
そう言いながら頭を撫でてくるこなた。
どうやら完全にペースを握られてしまったみたいでシンは諦めるしかなかった。




「はぁ…分かったよっ…その代わり前からつかさには前から言ってるけど、昨日みたいなどうしようもない時以外は
 危ない事はするなよな」
一応そう注意はする物の、みんな芯はしっかりしているのはもう十分に理解している。
それならむしろ、昨日みたいな万が一の時のために自分自身や友達を守る力があった方がいいのかもしれない。
実際昨日は、つかさに格闘技を教えていたおかげで結果的にみんな無事でいる事が出来たのだし。


「そ、そんな事があってほしくないなら…ちゃんと私達を守りなさいよねっ
 …その代わりシンが昨日みたいに頭に血が上ったりしない様に私達が精神面を鍛えてあげるわよ」
いつものツンデレかと思ったら後半から痛い所を突いて来るかがみ。

「わ、悪かったな未熟で!」
「しょうないよ、シンは腕っ節は強くてもまだまだ子供なんだし~」
「精神年齢は男より女の方がずっと上だっていいますしね」
「『おじさんやこなたが子供扱いする』ってつかさにわんわん泣きついてた位だしね~♪」
「い、いくらなんでも泣きついてはいなかったよぅ、普通に落ち込んではいたけど…」
「それでつかさはどうしたの?」
「えっと…実際シンちゃんは私と同じでまだ子供なんだし、背伸びしすぎだよって頭を撫でたり……」

持ち味の天然でバカ正直に答えてしまうつかさ。

「あらあら、つかささんったら」
「全く…すっかりつかさにお姉ちゃんされてるじゃないのよ」
「やっぱり子供だね」

「ア、アンタらなぁ~! と、とにかくさっさと練習を始めるぞっ! 
 とりあえずかがみは未経験で、こなたとみゆきも長いブランクで相当ナマってそうだから
 最初の内はみんなでジョギングと柔軟の体力作り中心だな。つかさには少し退屈かもしれないけど
 基本の復習って事でよろしく頼む」
「うん、私は全然平気だよ~」
さすがにいじられ慣れてきたせいでみんなの集中攻撃が始まった途端、即座に練習の話題へと切り替えるシン。

「よし、それじゃあ準備運動を済ませたらみんなで河川敷のコースを2周、その後体が温まってるうちに柔軟だ」

『は~い』

こうして随分賑やかになったメンバーを引っ張りながら稽古に打ち込んでいくシンであった。




――2時間後

「いい汗をかきました…やっぱり随分本格的な練習なんですね。
 つかささんがあれだけ強くなってしまうのも分かります」
「私は一人クラスが違うせいで合同体育の時位しかみんなと運動できないから
 一緒にこういう事出来るのは結構楽しかったわよ。
 これから毎日キツい練習になりそうだけどみんなとなら頑張れそうな気がするわ」
「ツンデレきたぁ~!」
「ツンデレ言うな!」


一通りの練習を終わり、みんな心地良い疲れを感じながら
川原に座り込んで思い思いに雑談に花を咲かせていた。

「それにしてもつかさったらさすがに毎日鍛えてるだけの事はあるよね~。
 本来なら真っ先にバテそうだったのに平気で最後まで走ってるんだもん」
「そうは言ってもこなちゃんの方が少し速かったし、多分格闘技のテクニックも
 こなちゃんに比べたらまだまだだよ~」
「でもつかささんは泉さんより体が大きいですからね。
 寸止め組み手とかだと技量が重要なので苦しいかもしれませんが
 全くのルール無で思いっきりやるのでしたらどうなるか分かりませんよ」
「つかさがそんな事出来る訳無いと思うわよ」
「と、当然だよ! いくらなんでも友達に思いっきり攻撃なんて出来ないよ~っ!」




(……何だか…本当に賑やかになったよな…)
目の前で楽しそうに話している4人を見ているとつい半年前まで
一人ぼっちの孤独な練習に明け暮れてたのが嘘の様に思えて来る。


「シンちゃん~」
そう思ってるとつかさが隣に座ってきた。
「つかさか…みんなにバレてしまった途端こんな事になって災難だったな」
「ううん、逆にこれで良かったよ、やっぱり隠し事して後ろめたい思いするより
 みんなと一緒に出来る方が楽しいし。どうせならもっと早く打ち明ければ良かったよ~」
「そっか…」
結局つかさが秘密にしていた理由は分からずじまいだったけど
その問題も何とか解決してるみたいで、みんなと練習するのが嬉しそうな様子にホッとするシン。

すると……
「……シンちゃん…私、こなちゃん達に負けない様に頑張るから」
「ん? あ、ああ。……確かに多少対抗意識持ったほうが早く上達するだろうがほどほどにな」
おもむろにつかさにしては珍しいセリフを言われ、ちょっと言葉に詰ってしまうシン。

「あ、格闘技のことじゃないんだよ」
「じゃあなんだよ?」

「……秘密♪」
そう言いながら笑顔でこなた達の所へ戻っていくつかさを
訳の分からない様子で見送るシンであった。

「な、なんなんだぁ?」
「えへへ♪」





*******************


おまけ(微エロ、シン未登場注意)
ある日の柊家

「や…つかさ…これ以上覆いかぶさってこないで……ア…アァン!」
「えへへ~お姉ちゃんの体、大分ゆるゆるになってきたね~」
「や…つかさ…股がっ…股がおかしくなりそう!」

「ちょっとあんた達! 一体何やってるのよ!」
二階から聞こえるただならぬ声に慌てて駆けつけるまつり

「あ、まつりお姉ちゃん。柔軟だよ~」
そこで見たものは床に座って足を開いてるかがみの真後ろに、
同じ体勢で密着して座ってかがみを抱きしめてるつかさだった。

つかさの太ももはかがみの太ももの上に乗ってて、足先の部分はかがみの足先の内側にあり、
つかさがその状態で股を広げると自動的にかがみの股も開く。
「や…もうダメ…下半身に力が入らない……ヒャン!」
思わず立ち上がろうとするけどつかさに後ろからしっかり抱きしめられてる上に
足も絡まれててとても逃げれそうに無い
「大分開いたね、それじゃあ今度はこのまま体を前に倒すよ~」
そう言いかがみを抱きしめたままゆっくりと上半身を倒してくるつかさ。
当然かがみの上半身も前に倒れる。
「や…あ…あうぅぅっ…つ、つかさ…そんなにキツくしないで…ひぅっ!」
思わず手を床について倒れるのを防ごうとするけど、つかさにその手を掴みあげられて
両足先に持っていかれる。
「お姉ちゃん、ズルはダメだよ~。それじゃあこのままの状態で30秒間ストップ~」
「鬼~!」

「…全く…二人して何やってるんだか…」

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最終更新:2008年05月07日 17:58
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