窓の外の夕日も沈みかけている。学校の廊下は薄暗い闇に包まれていた。
その中を歩く二人の男女。シン・アスカと柊つかさだ。
「ごめんね、私のせいで…」
「いいっていいって。貸したノートを返し忘れてた…そんな事気にするな、俺は気にしないから。」
「うん…」
「しかし…本当に学校か?ってくらい昼間とは雰囲気が違うな。」
シンの言うとおり、昼間は活気のある長い廊下も今は何の気配もしない。
どこか寂しく、物悲しい雰囲気すら漂っている。
…不意に、シンは制服の袖を何かに掴まれたのを感じた。
「
つかさ?」
「…。」
つかさの小さい手は無言でシンの左腕を掴んでいる。
「…もしかして怖いのか?」
「……うん」
少しの間をおいて答える。その手は微かに震えていた。
「その…あたし怖いのとかってあんまり得意じゃないから…」
確かに、人間誰しも苦手なものはある。
シンだって、どこぞの教祖様や、補正の係りまくっているスーパーコーディネーターを見るといい気分ではない。
「まあ、そういうもんか」
「うん、ごめんね…」
「…。」
シンは無言でつかさの手をとり握る。
「シンちゃん…?」
「ちょっと恥ずかしい気もするけど…これでも良いだろ?」
「えへへ、そうだね」
純粋にうれしかった。あの人の暖かく大きな手。
前よりもずっと頼りがいのあるあの人の手。
この人がいてくれれば、自分はもっと強くなれる。
(シンちゃん…大好きだよ、シンちゃん)
最終更新:2008年11月15日 02:59