シン「天原先生の家が資産家だとは聞いていましたが…こりゃまたすごいお屋敷ですね」
ふゆき「ふふ…そうでしょうか。だけどシン君、天原先生では無いでしょう?」
シン「え…あー、えーと、その……ふゆきさん?」
ふゆき「うーん…本当は呼び捨てが良かったんですけど」
シン「ええっ!?」
ふゆき「ふふ、こんなことでうろたえてしまうなんて、シン君ってば可愛い」
シン「あ、天原先生…!」
ふゆき「ほら、また天原先生って呼んだ。あなたはもう、私の婚約者なんですから。
私やこの家のことで気後れする必要なんて何処にも無いんですよ?」
シン「すみません……どうもまだ、こういうのには慣れてなくて」
ふゆき「もうっ。シン君ったら、恋人の前でそんなことを言うのはちょっと情けないですよ。
…でも、そういう風に真面目な所がシン君の素敵な所なんですけどね。
だから私も、こんなにまでシン君のことが好きになってしまったんでしょうから」
シン「……ふゆきさん」
ふゆき「はい、何でしょうか」
シン「今の俺は、まだまだ力の足りない子供に過ぎませんけど…
だけど絶対に一人前の男になって、ふゆきさんを幸せにしてみせます。
いつまでも優しい天原先生に甘えてばかりの、情け無い生徒のままでいたくありません。
だからふゆきさん、俺があなたを支えて、守れるような男になるまで…もう少しだけ、待ってて下さい」
ふゆき「……はい。その言葉だけで、私はもう胸がいっぱいになるくらいに幸せです。
ふゆきはいつまでもお待ちしておりますわ。だから早く迎えに来てくださいね……あ・な・た」
シン「うえぇぇ!?あ…『あなた』あぁぁぁ!?」
ふゆき「ふふ、冗談ですよ。でも、いつまでも冗談のままでは済まさないで下さいね。
本当の意味でシン君のことをこう呼べる日を、私、心待ちにしているんですから」
最終更新:2009年04月23日 21:37