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21-250

注意
  • 昨日、慌てて内容を考えて徹夜で仕上げたので、あまり誕生日ネタっぽくないです。
  • 元ネタあり…分かる人には分かるかもしれません。


夏休みもほとんどの学校は終了してしまった9月の始め、ある1組のカップルが商店街を歩いていた。
「あっ…」
「おいおい、今更手が触れたぐらいで恥ずかしがるなよ」
「は、はい。でも、シンさんの…手ですから…」
シン・アスカと岩崎みなみ。先日、ある行動をして陵桜学園を混沌の渦に巻き込んだのと同時に、全生徒に学園一のバカップルと認定されてしまった2人である。(詳しくは、らき☆すたのこなたとシン~Part18・654~657のおまけ参照)
「でも、この前は俺の腕を抱きしめながら登校してただろ?(詳しくは~以下・同文)」
「あ、あの時は、別です…!」
「それじゃあ、少しは慣れとかないとな」
シンは頬を赤くしながら首を振るみなみに苦笑すると、彼女の左手に自分の右手を絡ませた。
「!…シンさん」
「嫌か?」
「い、いえ……うれしい、です」
年長者からすれば微笑ましい、同年代からすれば暑苦しい、独り身からすれば嫉ましい空間を発生させる2人は、良くも悪くも通行人からは注目の的だ。
『P-1より司令官へ、目標は予定通りのルートを移動中』
『よし、P-1は監視を継続しつつ、P-2と合流しろ』
だからというわけではないだろうが、自分たちを監視している怪しい影がいることに2人はまったく気付かなかった。

「その後、目標が次のエリアに移動したらMission3に移行」
『了解』
「ふはははははは…いけるじゃないか!!やれる、やれるぞ!これならブリ○ニアに…」
「って、いったい何をやる気だーー!!!」
パコーーーン!!!
「うぎゃーーー!!!!」
携帯電話を片手に高笑いをしていた影の頭に、『わかりやすい法律』と書かれた国語辞典なみに分厚い参考書が直撃した。
「うぐぅ…かがみん、暴力反対」
あまりの痛みに蹲った影の主・こなたが涙目になりながら振り向くと、そこには腰に手を当てて彼女を睨んでいるかがみと、その後ろで少し困ったような顔をしているつかさみゆき、そしてゆたかがいた。
「あはは…(汗)こなちゃん、大丈夫?」
「まったく、いきなり呼び出すから急いで来てみれば、何悪質なストーカーみたいな事してるのよ!?」
「いや、ストーカーじゃなくて尾行…」
「やかましい!!あんた達も何よ、P-1とかP-2って!?」
「いやぁ、前からやってみたかったんスよね。騎士団ごっこ」
「こういうのはムードがダイジネ」
かがみの言葉に、P-1ことひより、P-2ことパティがそれぞれバツが悪そうに頭を掻く。
ちなみに先ほど合流とかなんとか言っていたが、別に離れて行動していたわけではなく、超至近距離で携帯電話を使っていただけである。
「それで、どうしてシンさん達を隠れて追いかけているのですか?」
「あぁ、それについてはゆたかちゃんから…」
「「「ゆたかちゃん?」」」
こなたの言葉に一斉に振り向く陵桜学園OGメンバー。
「あ、あぅ…」
一気に注目されたゆたかは恥ずかしいのか、ただでさえ小さい体をさらに縮こませながら口を開く。
「じ、実は、みなみちゃんのためなんです」
「あっ、もしかして…」
ゆたかの言葉に、みゆきは何かに気付いたかのように声をあげた。
「『みなみちゃんの誕生日』…ですか?」
「は、はい!そうです」
「ピンポンピンポーン!!さっすがみゆきさん、大・正・解!!」
「そ、そんな…大したことでは」
今から言おうとしたことを当てられたゆたかは驚きの声を上げ、こなたは何処からダウンロードしたのか、よくクイズの時に使われる効果音を携帯電話から流す。
一方、まだいまいち状況を把握しきれていないかがみとつかさは、それぞれ首を傾げていた。
「誕生日?みなみちゃんの?」
「はい。もうすぐ、みなみちゃんお誕生日なんです」
「へぇ~そうなんだ」
「でも、それと2人をストーキングするのにどんな関係があるのよ?」
「それはだねぇかがみん。話せば長いことながら、聞くもナミダ、語るもナミダの物語なのだよ」
そう言うとこなたは、元1年D組(現2-D)メンバーも入れて説明を開始した。

「あの、みなみちゃんの誕生日に何を送ったら喜んでくれるかを考えまして…」
まず始めにゆたかが事の発端を説明し、
「泉先輩の意見も取り入れて話し合った結果、みなみちゃんとシン先輩の思い出を送ったらどうだろう…ということになったんスよ」
次にひよりの説明で、麗しい友情のように演出する。
「カンタンにいえば『spy photo』つまり『トウサツ』ネ♪」
その演出をぶち壊しにするパティの一言。
「ちょっ!?それを言ったらお終いっス!!」
たまらず突っ込むひより。
「私は、止めたほうがいいって言ったんですけど…お姉ちゃん達がどうしてもって」
実はあまり乗り気ではなかったという、爆弾発言をするゆたか。
「まぁそれでまずは2人がイチャイチャしている所をみんなで、じっくり・タップリ・ネットリ追いかけようという計画なのだよ」
最後にこなたが親指を立てて締めくくり、シン達をストーキングしている説明は終わった。
「…………はぁ」
「う、う~ん…」
「………えっと」
眉間に皺をよせる者、首を傾げる者、苦笑いをする者…説明を聞き終わった3人の表情はそれぞれ違ったが、頭に思い描いている言葉は、誰もが同じであった。
『いったい何処に泣けばいいのだろう?』
こんなことに無理やりつき合わされているゆたかに?それともこんなことをプレゼントにされるみなみに?あるいはその両方?
とりあえず1つ言えること、それは…
「あんた達……ただ自分達が楽しみたいだけじゃないのか?」
「イヤイヤ、ソンナコトハマッタクナイノダヨ~」
「ソウッス。ソンナワケナイッスヨ」
「ヒダリニオナジクネ」
「…せめて、目を逸らすの止めませんか?」
「どんだけ~」
こうしてかがみ達は、シンとみなみのストーキングに巻き込まれることになった。

みなみの誕生日プレゼントのため(表向きは)にデートの盗撮をしているこなた達は、
途中から呼んだかがみ達を巻き込みながら、映画館に入るシンとみなみの様子を物陰から見つめていた。どうやら今話題になっている恋愛映画を見るらしい2人の姿を眺めながら、かがみが意外そうな顔をする。
「へぇ~あいつにしては、案外まともな映画を選択したじゃない」
「お姉ちゃん、その言い方はちょっとひどいんじゃ…?」
「そりゃ、付き合い始めて半年になるっスからね。デートのお決まりみたいなのはさすがのシン先輩も覚えるっスよ」
2人が完全にスクリーンのあるホールに入ったのを確認してから、映画館の入り口に集まるストーカーメンバー。
「私達はどうしよう?同じ映画を見るの?」
「う~ん、それはさすがに……」
いくら広い映画館とはいえ、知り合いが7人も団体になって入って来たら気付いてしまうだろう。
「それじゃ、15分ぐらい早く終わる映画が隣のホールで上映するから、それでも見よっか」
「Ohこなた、ナイスネ!」
「待て待て」
隣で上映しているポスターを指差しながら提案するこなたにかがみが右手を突き出す。
「別にそれでもいいけど、下手したら見失っちゃうわよ?」
「そうですね。映画を観終わった人と次の映画を観る人が入れ替わりになりますから、その中からシンさん達を見つけるのは至難の業かと」
かがみの意見に同意するみゆき。しかしこなたはニヤッっと笑い、
「あぁ、大丈夫。その心配はないよ」
と、親指を立てながら答えた。
「どうして、そう言い切れるのよ」
「この後、2人が向かうところ全部分かってるから」
「……はっ?」
言葉の意味が分からず呆然とするかがみを尻目に、こなたは手元から手帳のようなものを取り出すと、そこに書かれている内容を読み始めた。
「本日、1100(イチイチマルマル)に公園で待ち合わせ。軽く食事を取ったら1230から1500まで映画鑑賞。映画を見終わったら1520前後に喫茶店へ。
談笑した後、1630にみなみちゃんの家の夕食の買出しに行き、シンはその荷物もち。最後に荷物もちのお礼を兼ねて、みなみちゃんがシンをディナーにご招待……っていうのが、今日の2人のデートコースだよ」
まるで何かのSF戦闘ものアニメで使われている作戦スケジュールのように他人のデートの予定を事細かに説明するこなた。
「ちょっと待て、なんでそんな細かい予定まで知ってるのよ!?」
「尾行しようっていうんだから、これぐらいの情報掴んでるのが常識だって」
「どこの世界の常識だ!!!」
映画館のフロントにかがみのツッコミが響き渡った。

「到着~ここがシン達が来る喫茶店だよ~」
映画を早々に見終わったこなた達は、シン達より一足早く次の目的地に到着していた。
「えっと…でざーとたいがー?」
店の前にある看板を読みながらゆたかが首を傾げる。
「『Desert Tiger』ニホンゴでいうと『サバクのトラ』デス」
「変わった名前の喫茶店ですね」
「たしかに……本当にこんな店に来るの?」
「大丈夫大丈夫。ささ、早く入ろう」
こなたに押されながら店に入るメンバー。その中には、広すぎず狭すぎない落ち着いた雰囲気の漂う装飾がなされた店内が広がっていた。
奇抜な店名とは裏腹な店の様子に少し驚くかがみ達。
「いらっしゃい」
すると、店の奥からこの店の店主(マスター)らしい男性が顔を出す。
「こんちはー」
「おっ久しぶりだねぇ泉君。頼まれたとおり、席の用意は出来てるよ」
「さっすがマスター!この後もよろしくお願いします」
「はっはっは、任せたまえ」
にこやかに会話をするこなたとマスターの様子を見たかがみは小声でこなたに尋ねた。
「あんた随分と親しそうに話してたけど、知り合いなの?」
「実は私とシンってこの店の常連さんなんだよ。まぁ私はどちらかというと付き添いなんだけど、シンがこのお店のコーヒーを随分気に入っててね」
「あいつが?」
「ほら、シンって意外とコーヒー好きじゃん?」
「あぁ、そういえば学校でもよく缶コーヒーを飲んでたっけ」
「シンが言うにはここのコーヒーって他の店と味が全然違うらしくてね、バイトまでの時間つぶしによくここに入ってたわけ。まぁ、最近は私よりみなみちゃんと一緒に行ってるらしいけどね~」
「へぇ」
そしてこなた達が、マスターに特別に用意してもらった店の一番奥、ほかの客からは丁度死角になる席に待機してから数分後…
「来たっスよ、みなさん」
ひよりの言葉に、マスターのサービスで頂いた『ケバフのヨーグルトソースかけ』にパクついていたメンバーが一斉に入り口に注目する。
『こんにちは~』
『こんにちは…』
すると丁度、シン達が店に入ってきたところだった。
『いらっしゃい。今日はデートかい?少年』
『まぁ、そんなところです』
『おっ、言うようになったねぇ。お嬢さんもやっと手を繋ぐのになれたのかい?』
『そ、そんな…』
マスターの言葉に顔を赤らめるみなみ。しかし、しっかりと繋がれたみなみの左手はシンの右手から離れることはなかった。

「なんか…ムカツクわね」
先ほどまではいきなり尾行に巻き込まれたゴタゴタなどであまり気にならなかったが、落ち着いてから2人のラブラブぶりを眺めていると、何かこう腹が立ってくるのをかがみは感じていた。一人身の嫉妬という奴だろうか?
「そう?私はフツーに萌えるけどね」
「私も同感っス」
「オナジクネ」
そう答えたオタク達は、それぞれカメラやノートを片手に2人の様子を観察している。
『ブラックコーヒーにオレンジジュース、このケーキは俺からのサービスだ』
『いいんですか?』
『ああ、彼女の計画に加担している罪ほろbゴホンゴホン!!』
『?』
『いや、もうすぐお嬢さんの誕生日なんだろう?だからこれは、僕からのプレゼントさ』
『あ、ありがとうございます』
お礼を言うシンとみなみに、マスターは右手を上げて答えながら店の奥に戻っていった。
『へぇ、意外と美味しそうだな』
『シンさんも食べますか?』
『ああ、一口貰えるか?』
『どうぞ』
みなみがフォークで刺した一口大のケーキをシンの口元に持っていく。
『ありがと』
シンはそれを自然な形で口の中に運ぶ。
『うん。うまい』
『良かったです』
そしてお互いに微笑みあう2人。どうやら今、自分達がした行為が所謂カップル定番の『はい、あ~ん』と同じ行為だということに気付いていないらしい。
「……む、ムカツクわね……!」
先程よりも、怒気の含んだ声で呟くかがみ。一人身からすれば、2人が発生させているピンク色の空気はかなり癇に障る。
しかし、同じ一人身であるはずのオタク3人衆はというと…
「ふぉぉおぉぉお、キタキタキタ―――!!」(これでも小声)
「ナイス萌えデスヨ―――!!!」(一応、小声)
「決まりっス!!次回作のモデルは2人に決定っス!!!!」(小声…のつもり)
先ほどよりもすごい勢いで、カメラのシャッターを押したりノートにデッサンをしたりして楽しんでいた。
特にひよりの目には、なにか鬼気迫るものさえ感じる。
その様子を見たかがみは、ため息をつきながら隣にいるみゆき達に尋ねる。
「どうして私たちって、あいつ(シン)以外の男と縁がないのかしらね?」
「「「え、えっと……」」」
もちろん、かがみが望んだ答えは得られなかった。

喫茶店Desert Tigerを後にしたシンとみなみは、みなみの家の近くにあるスーパーに買い物に来ていた。
『これで全部そろったか?』
『はい、今日必要な分はこれで全部です』
『よし、それじゃあ俺が持ってくよ』
そう言ってそれなりの量の食材が入った袋を軽々と運ぶシン。
『すみません。荷物を持ってもらって』
『いいって。夕飯ご馳走になるんだから、これぐらい当然さ』
『でも……』
『女の子に重い荷物を持たせる訳にもいかないだろ?まぁ、これが「か・が・み」とかなら話は別だけどな』
申し訳なさそうに謝るみなみに、シンは笑いながら答えた。
「こうして買い物してるところ見てると、2人とも新婚さんみたいですよね~」
「そうですね。お似合いだと思います」
買い物をする2人を見て、このような感想を持つゆたかとそれに賛同するみゆき。
その隣では…
「駄目っス、柊先輩。落ち着くっス!」
「Be Cool、Be Cool、デスヨ!」
「今出て行ったら、見つかっちゃうよ~」
「離して!あいつには聞かなきゃならないことが山ほどあるの!!どういう意味か釈明しろー!!!」
今にもシンに飛び掛ろうとしているかがみをつかさ、ひより、パティが必死に押さえるという状況が繰り広げられていた。
「さてと、いよいよ正念場だね」
「ハァハァ……正念場って、もう終わりじゃないの?」
こなたの口からで出た予想外の言葉にようやく落ち着いたかがみは首を傾げた。買い物も終わったし、後はみなみの家に2人が入っていくのを見届けて終了のはずだ。他のメンバー達も同じような顔をしている。
しかし、こなたはちっちっちっ…と首を振ると
「違うな、間違っているぞ!かがみん」
と答えた。
「間違ってるって、何がよ?」
「いいかい?デート中だというのにシン達はまだ一回もキスをしていない。そして家に入ってしまうとそこにはみなみちゃんのお母さんが待っている。
いくらシンがフラグメイカーのラッキースケベでも、彼女のお母さんの前でイチャイチャすることは不可能だ…それがどういうことかというと」
「「ま、まさかっ!」」
こなたの説明にひよりとパティが何かに気付いたかのように声を上げる。
「そう!!つまり、家に入る前に、2人がキスする可能性が高いということなのさー!!!」
「「な、なんだってーーー!!!」」
ドカーンッ!!!という擬音が聞こえてきそうな勢いで宣言するこなた。
「それは盲点だったっス。さすが泉先輩!」
「ワタシたちとはみているセカイがちがいますネ!!」
そんなこなたに、ひよりとパティは惜しみない拍手と賞賛を送る。
「いやぁ、それほどでも…」
「ちょっと待て!!あんた達まさか2人のキスシーンまで撮影する気!?」
「当然じゃん。それじゃぁ、出発~!!」
「「おお~!!」」

「あの、シンさん…」
「分かってるよ、みなみ」
数十分後。こなたの予想通り、シンとみなみはみなみの家の前で立ち止まり、お互いを見詰め合っていた。
「ホントにこなたの言ったとおりデスネ」
「ふっふっふっ、私の目に狂いはないのだよ」
「何処までも着いていくっスよ、泉先輩」
その様子を、キスシーンをベストショットで撮影するため、かなりの至近距離まで近づいたこなた、ひより、パティの3人。ちなみに、残りのメンバーは安全のため別行動を取っている。
「今日見た映画にもこんなシーンがあったな」
「そういえば……そうですね」
「映画では男のほうがおねだりしてたけどな?」
「シ、シンさん!」
「あははは、冗談だよ」
赤くなってしまったみなみの肩にシンが手を置く。
するとみなみも顔を上げゆっくりと瞳を閉じた。
「うわぁ~、先輩もみなみちゃんも大胆!」
「静かに…!」
デジタルカメラの液晶を覗き込んだこなたが小さく叫ぶ。
「…………」
少しずつ近づいていく2人の顔。
「………ゴクリッ」
その様子を固唾を飲んで見守るオタク共。
唇が重なるまで後3cm……2cm……1cm……
そして…!!
「おわっ!!」
「ええっ!?」
「キャッ!!」
ドシーーーン!!!
2人がキスをする瞬間、興奮して身を乗り出しすぎてしまったこなた達が倒れこみながらシン達の前に姿を現してしまった。
「えっ?」
「なっ、何だー!?」
いきなり現れたこなた達に驚き、慌てて体を離すシンとみなみ。

「………こ、こなた?」
「ひよりさんに……パティさん?」
「や、やぁシン」
「こ、ここ、こんにちは…みなみ…ちゃん」
「ぐ、グウゼンデスネ」
「…………」
「…………」
気まずい沈黙。
その中でこなたは必死にこの場を乗り切る方法を探す。
(まずい、まずいよ~これ)
今自分たちは、手にそれぞれカメラやらノートやらをご丁寧に持っている。それを見たシン達が状況を把握するのにそれほど時間は掛からないだろう。それまでに何とか誤魔化さなければ…!!
何かいい方法はないかと辺りを見渡すこなた。
『さぁ……早く早く』
『で、でも…』
『あの3人なら大丈夫だから』
そして視線の端に映ったのは、道路向かいにあるみゆきの家の中に逃げ込んでいく他のメンバーの姿だった。
(ちょ、かがみん!?助けて!!)
こなたの視線に気付いたのか、みゆきの家の入り口の前で振り向いたかがみはゆっくりと口を動かす。
『お・だ・い・じ・に』
声は聞こえなかったが確かにそう呟いているようにこなたには見えた。
そのまま閉じられていく高良家の扉…
(そ、そんな…かがみん、私を……ワタシを裏切ったなーーーーーーーっ!!??)
そもそもかがみ達は無理やりつき合わされていただけなので裏切るも何もあったものではないのだが、そう心の中で叫ばずにはいられなかった。
「それで……お前達はいったい何をやっているのかな?」
そして目の前には、種割れした状態で自分たちを見下ろすシンの姿
「…………」
その後ろに、顔を真っ赤にして隠れているみなみも居ることから、2人が状況をすべて把握してしまったのであろう事は容易に想像できた。
「え、えっと、ちょっとみんなで買い物を…ね?」
「そ、そうッス!!私たちは買い物の帰りッスよ!……ね、パティ?」
「Y、YES!たまたまデスヨ…」
もはや無駄だと分かっていても、最後の悪あがきをするこなた達。
「なるほど……反省の色は無し、か…」
そんな3人に対して、指をゴキゴキ鳴らしたシンはニヤリと笑う。
「倒してもいいよね?」
「「「い、いや……ごめんなs」」」
「答えは聞いてねぇぇぇぇぇ!!!!」
「「「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」」」
夕陽が沈む高級住宅街に、オタク達の断末魔の叫びが木霊した。

後日、みなみの誕生会にこの日撮影されたデートの様子を編集したものを流され、真っ赤になって卒倒寸前になるみなみと、同じく真っ赤になってこなた達を追いかけるシンの姿があったのだが、残念ながら詳細は不明である。


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最終更新:2009年09月06日 15:32
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