シン「…………」
?「あれ? 寝てるのか?」
?「思いっきり寝てる。どうする?」
?「どうするったって、どうする?」
シン「ん……」
?「おーい、シーン。駄目だこりゃ」
?「よーし任せろ」
シン「う、ん……?」
?「ゲットセット! タ○ガーナックル!」
――ドガッ!!
シン「うごおおおぉぉぉぉぉぉっ!?」
?「あれ? 外したか?」
?「思いっきり頭の中心に当たったみたいだけど」
?「よし、じゃあもう一発」
シン「やらなくていいっ!」
?「おぉ起きた」
シン「人が気持ちよく寝てるってときに何パンチくれてんだよ! いい加減にしろこな、た……?」
?「お? 固まった。どうかしたかシン?」
?「っていうか、コナタって何?」
シン「よ……」
??「「よ?」」
シン「ヨウラン!? ヴィーノ!?」
シン(詰襟じゃない、っていうかここザフトの士官学校か!? なんでここに!?)
ヨウラン「ホント大丈夫か? 殴られて記憶飛んだとか」
ヴィーノ「む、まさか俺のせいか?」
シン「……そういうわけじゃないが後で覚えてろお前ら」
ヨウラン「えぇ? 俺もぉ?」
レイ「――探したぞシン」
シン「え、レイっ!?」
レイ「? どうかしたのか?」
シン「あ、いや……探したってなんだ? というかヨウランもヴィーノもなんでここにいるんだ? 整備
科だろお前ら」
ヨウラン「忘れてるねぇ」
ヴィーノ「あぁ、すっかり忘れてるな」
シン「え?」
レイ「明日はパイロットと整備班、オペレーターでチーム組んだ模擬戦だ。その打ち合わせをすると朝に
言ったはずだが」
シン「そう、だっけ?」
レイ「……しっかりしろ。この試験をクリアしなければ」
ヴィーノ「休日返上、地獄の特別カリキュラムが待っている」
ヨウラン「しかも連帯責任、とばっちり受けるのはゴメンだぜ?」
シン「わ、わかった……すぐに行く」
レイ「集合場所は食堂だ。急げよ」
ルナ「あ、やっと来た。遅いよ男組ー」
メイリン「これだけの席ずっと確保するの大変だったんだからね」
ヨウラン「悪い悪い。シンの奴が約束ド忘れして寝こけててさ」
ヴィーノ「困ったもんだ、いやまったく」
シン「……悪かったのは認めるけど、お前らに言われると不思議とムカつくな」
ルナ「シンサイテー」
メイリン「女の子待たせるのはマナー違反だよ?」
シン「総スカン!? 俺の味方ゼロ!? お前らいったいなんなんだ!?」
レイ「気にするな、俺は気にしない」
シン「さりげなく見放すなお前もっ!」
ルナ「……? シン、何かあった?」
シン「え?」
メイリン「そういえばいつもより明るいっていうか、ノリがいいっていうか」
ヨウラン「いっつもムスっとしてるのにな。やっぱ頭打ったせい?」
ヴィーノ「悪いな、シン。責任とってもう一発殴……」
シン「だから殴るなっ! 右手を掲げるな! 獅子だか虎だかのオーラ出すのもやめろ!」
レイ「……そろそろ始めたいんだが」
ルナ「――私がバックス? 射撃苦手なの知ってるでしょ?」
レイ「このメンバーでバランスを考えればこれがベストだ。必要なら俺が臨機応変に動く」
ルナ「さりげなく万能アピールね……OK、分かった」
ヴィーノ「補給のタイミングとか大体分かるか? そうすればこっちも動きやすい」
レイ「予想ポイントはこれに纏めてある。直す部分があれば指摘してくれ」
ヨウラン「どれどれ、って細かっ!? 俺らすることないんじゃないの?」
レイ「なら明日までに頭の中に叩き込んでくれ」
メイリン「うーん、私することある?」
レイ「各人の役割を把握すればいい。それ以外は本番で決める。シン、お前は何かないか?」
シン「え、何?」
レイ「……シン」
ルナ「ちょっと、ホントに大丈夫なの?」
シン「ああ、いや」
シン(本当なら、これが正しいはずなのに……)
ヴィーノ「やはり当たり所が悪かったか。では気を取り直してもう一発」
ヨウラン「三度目はさすがに飽きられるよ?」
シン(なんで、こんなに、『寂しい』って思うんだろう?)
メイリン「え……シン!?」
ルナ「大丈夫なの!?」
シン(あれ 何か 意識 遠く――)
シン「う、ん……?」
こなた「必殺ゥ! 龍王破○剣!」
シン「うぉおおお!?」
――ガシィッ!
こなた「止められた!? 切り払いできないはずなのに!」
シン「やかましい」
こなた「あぅ」
シン(……元に戻った、いやまた飛ばされたのか?)
こなた「放課後居眠りで一人残ってるなんてベタベタなネタやってくれたねー」
シン(でも『寂しい』って気持ちが消えてない。いや、同じだけど違うものに変わったのか?)
こなた「シンー? 聞いてるー? 反応してくれないとお姉さん寂しいよー?」
シン「……人がわりとシリアスな空気出してるのに平気で割り込んでくんなよ。
っていうか何それ? ゆいさんの真似?」
こなた「A☆HA <(=ω =.) 」
シン(――そこはかとなくムカつく)
こなた「はぁ……ま、いいや。とにかく帰ろ」
シン「分かったよ。そういや何で二年の教室に?」
こなた「これから夕飯の買い物、男手が足りない」
シン「……把握した」
こなた「おk d(=ω =.) 」
シン(やっぱムカつく……でもまぁ)
シン「たまにはいいかもな、こういうの」
こなた「あれ? いつもより大人しいね。ひょっとしてフラグ立った?」
シン「ははっ、なんだよそれ」
こなた「Σ(=ω =.) 」
シン「どうかしたか?」
こなた「……いや別に。ちょっと忘れ物したの思い出したから先に玄関で待ってて」
シン「? まぁいいけど。じゃお先」
こなた「じゃねー」
こなた「……素で笑うとあんな表情(カオ)するんだね、不覚にもドキッとした。みんなには悪いけど得したかも」
最終更新:2009年07月10日 02:20