この家にはシンしか知らない秘密がある。
もう一人の居候である俺の存在だ。
居候と言っても食費や光熱費など一切かからない優秀な居候だ。
ただ悩みがある。
俺とコミュニケーションが取れるのはシンだけ、つまりシンが学校に行っていたり今の用に寝ていると暇なのだ。
そして幽霊になって初めて分かった事だが眠れない。
この眠れないという現実が俺の暇に相乗しているのだ。
そこで最近は暇潰しがてら夜の町に散歩に出掛けている。
今日も散歩に行こうとシンの部屋から出た所で不意に視線を感じた。
視線を感じるのは久しぶりで新鮮だったので俺は思わず足を止め、視線の主に顔を向けた。
そこには今日、この家に止まりに来ている姉妹の…確か妹の方が立ってこちらをずっと見ていた。
見つめてくると言う事はこちらの事が見えているのだろう。
だから俺は彼女に何らかのリアクションを取るべきかと考え始めた。
が、すぐに彼女はその場に倒れてしまった。
さすがに慌てて彼女を起こそうとするが、触れる事が出来なかった。
仕方なくシンを起こそうと部屋に行く…が、いくら呼び掛けてもシンは一行に起きる気配がない。
ミネルバに居た時は呼べばすぐに目覚めたんだが…シンもようやく、ゆっくりと眠れる世界にたどり着いたんだな…
…
感傷にひたってる場合じゃなかった!
仕方なく、俺はシンからタオルケットを引っ剥がして倒れたままの彼女に掛けてやり、家にも居づらくなったので俺は予定通りに散歩に出掛けた。
家に帰ったのは次の日の夜だった。
帰ってすぐ、俺はシンに説教されてしまったのは言うまでもない。
最終更新:2007年11月24日 19:43