そんな思考をしていたせいか、
(゚Д゚ )「誰だッ!!」
背後の人物に大声を上げて、
しまった、と思った。
みゆきさんが、すごい顔で睨んでる。
(゚Д゚;)「え、あ、ごめ」
ズルッ
(;゚Д゚;)「ひぇぁ」
アーゴロゴロスッテンドンタコス!
( ;Д;)「いでぇ……」
みゆき「だ、大丈夫ですか!?」
(;゚Д゚)「は、はぃぃ! 大丈夫であります教官殿!」
みゆきさんが、土手を降りて来た。
顔はいつもどおりに戻っている。なんだったのだろう。
みゆき「……こんな所で、何をしていたんですか?」
(゚Д゚)「あー、うん」
みゆき「今日は貴方が主役なんですよ? こんな寂しげな所にいないで下さい。
さあ、泉さんも
かがみさんも待っていますよ、帰りましょう」
みゆきさんは柔和に微笑むと、ゆっくりと歩き出した。
どうやら、ハイヒールに慣れていないらしく、河川敷の砂利が堪えるようだ。
その様子を黙って眺めながら、俺はぽつんと立ち尽くす。
( ゚Д゚)「……怖いんだ」
みゆき「……」
悲しそうな顔で、振り向いた。
――みゆきさんは既に、アニメという形で俺のことを知っている。
聡明な彼女のことだから、大体察しが付いたのだろう、これ以上はただの恥さらしだ――脳は冷静に考えている。だが、心が止まらない。
(゚Д゚)「怖いんだ」
みゆき「何がですか?」
(゚Д゚)「幸せの先にある未来が。
先の見えない不安が」
みゆき「……」
(゚Д゚)「俺は間違いなく幸せだ、毎日女の子に囲まれて、学校に行けて、おいしい物も食べられる……こんなに嬉しいことは無い」
(;Д;)「だけど! そんなもんは砲弾一発で吹っ飛ぶんだ! 幸せも! 家も! 女の子も! 分かるか!? あんたに分かるか!?」
もう止まらない。
涙も、言葉も
(;Д;)「大事な物が炎に飲み込まれて! だんだん灰になって行く!
怖いんだよ! 運命が!
こんなに苦しいなら幸せなんか要らない! 幸せなんか――」
視界が弾けた。
溜まった涙が中を舞って、
歪んだ視界がクリアになる。
みゆき「……」
(゚Д゚)「……」
激しく、抱き締められたらしい。
俺の体は、華奢なみゆきさんにすっぽりと包まれていた。
(゚Д゚)「みゆき、さん」
みゆき「ごめんなさい、貴方は間違っています
第一に、砲弾一発程度では殺傷力に限度があり、全部を失う可能性は限り無く低いです。
第二に、そんなマイナス思考ではプラシーボ効果で体に悪い影響が表れ、健康を損ねます。
第三に、運命なんていう現象は存在しません」
(゚Д゚)「う、」
みゆき「……」
みゆきさんが、怒ってる。
なんか、さっきと同じ顔……すごく強張った、今にもはち切れそうな顔をして俺を睨み、そして、
みゆき「……ふぇぇ」
泣いた。
(;゚Д゚)「え、ちょ」
みゆき「ええぇ……」
へなへなとへたりこんで、声も殺さず泣いている。
(;゚Д゚)「み、みゆきさ……」
みゆき「ごめんなさい! 貴方の苦しみなんて、これっぽっちも理解して居ないのに!
だけど怖かった!
いつも上の空で!
何考えてるのか分からなくて!
ふらふらどこかに行ってしまわれたと思ったら、あんなことを口走っているし!」
( ゚Д゚)「みゆき、さん」
みゆき 「軽蔑して下さい、私は、貴方を引き止めるために、卑怯な正論を吐きました」
きっ、と、俺の目を見た。
いつもの柔和さをかなぐり捨てた、本性むき出しの瞳。
強く、真っ直ぐで、どこか震えた瞳。
ただ俺のことだけを見つめる、2つの瞳――
俺の心が、震えたのが分かった。
同時に俺の膝も崩れ落ちた――
あきら「ゴルァ白石、なーんで私が迷子探ししなきゃなんないんだよアアン?」
白石君「自分から言い出したんでしょ。『大丈夫☆ あきらは迷子の味方だよ☆』って」
あきら「そこはオメェがフォローすっとこだろうがぁ適当にイチャモン付けてよォ、
見ろよ、もう1時だぞ、明日はドラマの収録が有るんだぞ、分かってんのか」
白石君「ぐぇぇ首はやめろボディにしな……!」
あきら(無言で玉潰し)
白石君「ま 」
バタッ
あきら「全く……お?」
あきら様の視界の端で、何か動いた。
河川敷の砂利の上だった。
あきら「お兄ちゃーん! 探したよー☆ 一緒にかe」
そこには2人の人間がいた。
探していたクソッタレ迷子と、
自分と同じく、迷子探しをして居た筈のおっぱい眼鏡だった。
( -Д-)「Zz」
みゆき「Zz」
あきら「………ビキッ」
なんなのだこいつらは。
こんな寒いのに寝てやがる。
仲良く、互いを抱き締めながら、
もう二度と、放すまいと抱き締めながら、
互いの体温を拠り所にして、
幸せそうに寝てやがる。
あきら「ワレェ……何が迷子じゃ、逢引やんけ……!」
ビギビキビキビギビキビキ
絶対に放送できない顔をしているあきら様。
怖い喩えるなら……愚地独歩によく似ていた。
あきら「手遅れだ! 帰っぞ!」
白石君「は、はぃぃ」
ぴょんぴょんと付いて行く白石君。
冷たい風も、虫の声も届かない。
みゆき(……
アスカさんが泣くのなら、私が涙を拭きます。
アスカさんが怖がるなら、私が貴方を守ります。
だから約束してください、
ずっと一緒に居るって、
私のために、『運命』だって超越してみせるって)
きゅっ、と、手が強く握られる。
『一緒に、幸せになろう』
突風が吹いた。
空を覆っていた雲が割れる。
幾千万の星が、時間の波を超えて結ばれた二人を、祝福しているようだった――。
おわり。
最終更新:2007年12月23日 12:50