赤い悪魔~小早川ゆたかの陰謀~
by福岡県
「ん~トイレ、トイレ、寒い時は困るね~ホント・・・・」
10月も終わりかけ・・・いよいよ寒さが本格的に押し迫ってくるこの時期、夜にトイレに目覚めるのは本当に苦痛なこと
「ん?ゆーちゃんの部屋まだ電気ついてる?・・・・声が聞こえる、まさか誰かと電話してるのかな?」
ゆたかは普段は早く寝るはず、長電話のようだ、しかし口調から相手は明らかにみなみでないことはすぐにわかった・・・
「父さん・・・アイツ、マジでウザくってさ~、ホント疲れるよ・・・・」
「アイツって誰?・・・いや、そもそもゆーちゃんが人の悪口を言うなんて・・・・」
「まったく、アイツ馬鹿でさぁ・・・私の方が頭いいくらいだよ、”こなたの奴”に比べたらね・・・」
え?そんなことをつぶやく余裕も無かった、嘘だ、あのゆたかが私のことを嫌って・・・
いや、あのおじさんのことだ、ありえない話ではない
おじさん、つまりゆたかの父親はそうじろうと違って常識人であり優秀なサラリーマンであった
表には出さなかったが泉家を毛嫌いしていることはバレバレだった・・・
「あと父さん、あとアイツも泉に似たせいか、ホントウザくってさ、早く嫁に行って良かったね、私が小早川家の跡継ぎとしてしっかりしなきゃ」
「ゆい姉さんまで馬鹿にして・・・」
「まぁ、飯は作ってくれるし、住まわせてくれるし、暫くはアイツらを利用してやるわ、二年になって体が丈夫になったら一人暮らしするんだ・・」
パタン
ゆたかは後も延々と話していたようだがどうでもいい、もう聞きたくなかった、こなたは一晩眠れなかった、枕を涙で濡らして・・・
あの”病弱でかわいいゆーちゃん”の本性を知った以上、明日から小悪魔にしか見えない、それが耐えられなかった・・・
「おはよう、おねーちゃん♪」
「あ、ゆーちゃん・・・・・・お早う・・・」
「どうしたの?いつものおねーちゃんじゃないみたいだよ、具合でも悪いの?」
「い、いや、大丈夫だよ、お気遣い無く・・・・」
なぜか他人行儀になってしまう、無理も無い、昨日のことを聞いてしまった以上、いつも通りにはできない
「やぁ二人ともおはよう、今日は俺が朝ごはんを作ったんだ・・・口に合うかどうかわからんが、さあ召し上がれ!」
「うわぁ♪本当におじさんが作ったんですかぁ?美味しそうですね♪」
「ありがとうゆーちゃん、あぁ、そうだ!今月のお小遣いまだだったよね?学校でパンとか食べるだろう?」
「そ、そんな・・・お世話になってる身で・・・・」
「貰っときなよ、ゆーちゃん・・・・」
「そ、そう?あ、ありがとうございます、大事に使います」
(何なんだこいつは?昨日と言ってることが全然違うじゃないか)
そうじろうに頭を撫でられているゆたかを見るとそういう気持ちが自然と湧き上がってくる・・・
「あ、お父さん、私の小遣いは?」
「こなた・・・お前のはこないだやったはずだが、もう使っちまったのか?同人誌もいいが程ほどにな、遅刻するから早く学校へ行けよ」
「では行ってきます、お姉ちゃん一緒に行こう・・・」
「そだね・・・」
「当時ソ連ではフルシチョフが失脚し、ブレジネフが代わって政府の実権を握ったわけやが・・・」
キーンコーンカーンコーン♪
「ほな、授業はこれでお終いや、みんな明日までに宿題を出すんやで、特に泉!!お前は特にな!!」
「は、はぁ・・・・」
やっとお昼ご飯だ、今日は何だか疲れた、ゆたかのせいだろうか?
「こなちゃん?どうしたの?具合悪いみたい・・・」
「それはいけませんね、昨日の残りですが、このウナギを食べて元気をつけて下さい、さあ♪弁当箱を♪」
「おっ!さんきゅ、みゆきさん・・・・あむあむ(=ω=,)」
「たくっ!!アンタらしいわねぇ、ふふふ♪」
口いっぱいに広がるウナギの味、いや、それだけではない、他の三人の優しさが身にしみる
弁当の時だけが本当にくつろげる時間だった、次の瞬間までは・・・
「おーい!!泉!!」
「な、何?セバスチャn・・・・うぐっ!!い、いや白石君?」
「泉に会いたいって子が来てるけど・・・」
こなたはかがみから半ば強引に奪ったブリッグパックのジュースでウナギを流し込みながら廊下のほうへと目をやると・・
「っ!!」
噴出しそうになった、何しろそこにはゆたかが何の屈託もない笑顔でこなたをじっと見ていたのだから・・・
「ゆっ、ゆーちゃん・・・いきなりどうしたの?」
「いやぁ、おねーちゃんがちゃんと勉強してるかどうか見に来たんだよ、あはは♪」
「そ、そうなんだ・・・」
何のまねだろう?私をからかいに来たのか?いや、そんなはずはない・・・
うざったくなるくらいに体を密着させ今にもこなたを抱きしめるような仕草をとるゆたかを見ていればそれくらいは・・
「あれ?ゆたかちゃんじゃない!!どう、具合のほうは?」
「あ、どうもお久しぶりです、お蔭様でこの通りです」
一瞬空気が変わった、さっきと今はゆたかは同じ笑顔、だがかがみが現れたことによりゆたかを覆っていた何かは消え
まるで猫の皮が剥がれたような・・・・そんな薄気味悪い感じがした。
(かがみはゆーちゃんの本当の姿を知らないんだ、この笑顔の仮面の下にどんな悪魔がいるかなんて・・・)
結局、ゆたかの本性を知っているのは自分だけだ、しかしこなたはいまだに信じたくなかった。
そもそもあの電話自体ただの父親への愚痴だったかもしれないし・・・
と、こんなことをぼーっと考えているうちに一日終わってしまった、もちろんゆたかのことだ、
そのおかげで何人の教師から注意されただろう、それだけに帰宅時間は本当に待ち遠しかった・・
「あれっ?ない・・」
「もう、また忘れ物?ったく!待っててあげるから取ってきなさいよ!!」
「いや、気にしなくていいよ、先に帰ってていいから・・・」
まったく冗談ではない、こんな時に忘れものだなんて・・・本当に教室に向かう階段が長く感じて仕方がなかった
「えーと?確かここにプリントが・・・ん?な、何これ!?」
そこにあったのは大量の紙屑、下にばら撒かれたそれは元は何かの小冊子みたいなもの・・・
「だ、誰がこんな!?痛っ!!」
よろけたショックで床にしゃがみこんだ瞬間に何かがチクッと、どうやらポケットに何か入っていたらしい
「ぼ、ボールペン・・・これ私のじゃないし・・・・」
「WAWAWA、忘れ物ぉ~、おわっ!!い、泉!?」
「セバッ・・・・し、白石君、どうして!?」
「俺・・・いや、実は僕も忘れ物をして・・・・ん?これは僕のボールペンじゃないか?」
「え?」
よくわからない、白石はいつもの抜けた表情でこなたの顔を嬉しそうに眺めると何かに気づいたかのように考え込む
「なんだ、泉・・・さんが持ってたのか、いやよかった、ところでこのゴミはなんだ?」
「わ、私知らないよ・・・」
「とぼけるなぁ!!お前がやったんだろうがっ!!」
ドガッ!!
一瞬何が起こったのかわからなかった、白石の上履きが視界に入ったかと思ったら急に天井が見え、それだけじゃなく体が動かない
「この台本は俺の大事なものだったんだぞ!!それをこんな風にメチャクチャにしやがって!!」
ドガッ!ドガッ!!
「グ八ッ!!や、やめて!!お願い!!」
ドガッドガッドガァッ!!!
「貴様ァ!!俺がどれだけ声優になりたかったかわかってんのかァ!!やっと今回チャンスをつかめたらと思ってたらそれをぉ!!」
その瞬間白石は倒れていたこなたのセーラー服をひっつかむと、顔を間近に近づけて睨みつけた、もはやあの温厚な白石の面影はない
なにしろいつも白石をからかっていたこなたでさえ顔をまともに見ることができないのだから
「わ、わたしじゃないのにぃ・・・・」
「いい加減にしろよ、この腐れ女がぁ!!」
もうこなたの顔を見るのが耐えられなくなったんだろう、そして白石はとうとうこなたを床に叩きつけた・・・
「・・・・・あ・・・・・ぐ・・・・」
白石は暫くこなたを睨みながら、何か最後の捨て台詞を一生懸命に考えていたようだ、しかし何を言っても気が晴れないことは事実
「・・・・ペッ!!」
結局、白石は唾をこなたに吐くことによって様々な気持ちをぶつけたることにしたようだった・・・
「ただいま・・・・」
「あ、おねーちゃん、おかえり・・・どうしたの?その怪我?」
「ああ、ちょっと転んじゃってね、大した怪我じゃないから大丈夫だよ・・・」
「あ、そうだ!!おねーちゃん、ちょっとパソコン貸してほしいんだけど、いいかな?」
パソコン?ネットか、私のことよりパソコンか?笑顔で聞いてくるゆたかが余計に腹が立つ
「い、いいよ・・・」
「そう、じゃあ勝手に使わせてもらうね・・・」
ゆたかはその答えを聞くやいなや二階へと駆け上がっていった、まるでこなたのことなんか気にしていないように・・
「さて・・・・確かここのサイトだったかな?」
『スチュワーデス・警官等の制服に萌える毒男集合♪』
画面いっぱいに踊る淫らな書き込みの数々、本来ならゆたかが正視できるものではない、まあ彼女が「いつものゆたか」ならの話だが
このサイトはゆたかの計画にとって必要な物、だがそれはまだ第一段階・・・・
「ここに、顔写真を貼ってっと・・・・あ、そうだ、コメントも忘れずに・・・おねーちゃんには・・・まだまだ苦しんでもらうからね・・・」
余談だがゆたかの机の上には紙クズが付着した、カッターナイフが転がっていた、これをこなたが見たなら今日起こった出来事の全貌に気付くはずだった
「あと少しで今日はは終わりっと・・・・」
駐車違反が三件、交通違反が4件、交通安全週間ならいざ知らず、警察というのは取締りにおいては弱者を重点的に取り締まるようだ
「さて、疲れたな・・・これじゃシャープシューターゆいちゃんの活躍はまるでないよ・・・あ、そうだ、今日はきよたかさんが帰ってくるんだ♪」
何ヶ月ぶりだろう?2~3日泊れる日なんて、そういえば母親は早く孫の顔を見せろってうるさかったっけ・・・そんなことを考えながらパトカーに乗ろうとすると
「お巡りさん!!た、大変です!!向こうで子供が倒れてます!!は、早く来てください!!」
「ほぇ?」
いきなりの大事件?どうやら高校生らしい背の高い少年が慌てふためきながら話しかけてきたのだ、
駐禁の取り締まりだけしかしていないゆいにとっては最初の大事件
「きゅ、救急車は呼んだ?」
「は、はい!!」
「今から行くから案内してくれる!?」
少年は慌てふためきながらも落ち着いていたようにも見える、彼についていくのがやっと、そしてたどり着いたのは路地裏を抜けた小さな公園・・・・
「あれ~?子供なんてどこにもいないじゃない?おねーさんびっくりだぁ!?・・・・・きゃあっ!!!」
「お巡りさん・・・・・かわいい♪・・・・・ハァ・・・・ハァ・・本物は・・ネットで見るよりも・・・・・僕たちを癒していただけますかぁ?」
意味がわからなかった、あまりに突然なことで、何しろ真面目そうな優等生っぽい高校生が急にゆいの胸を揉んできたのだから・・・
「な、何の冗談?」
「ゆいさん?僕たちの気持ちなんてわからないよなぁ?朝から晩まで勉強付け・・・進学校にいってもろくなことがない」
「わ、私をどうしようって言うの?・・・・・・こっちには拳銃があるのよ・・・・それに私は人妻だし・・・・あぁっ!!」
「ゆいさん・・・・かわいい、怒った顔もかわいい、さぁ!向こうに僕の仲間がいますから、行きましょう♪」
「人妻?でもそんなの関係ねぇ・・・・あははは♪いいよ、いいよぉ!!」
迂闊だった、後ろをもう一人の高校生に掴まれて、例え拳銃を持っていたとしてもかなうはずが無かった・・・
「おいっ・・・案外よかったな・・・これで・・・・も童貞卒業か・あははは♪」
「あぁ、ちょうどいい息抜きになったよ・・・・・だがこれがバレたらどうする?退学だぞ・・」
「ほっとけよ、親父の友達に埼玉県警本部長がいるんだ、所詮下っ端の巡査一匹が大人になっただけだ、どうってことねーよ!!」
「さようならゆいさん、あなたは警官をやめてもAV女優としてやっていく素質は十分にありますから・・・」
そんな台詞なんてどうでもよかった、もうそんな気力は無い、遠距離恋愛、長期単身赴任の彼女にとっては初めての熱い体験だった
乱れた髪、割れた眼鏡、引き釣り降ろされたスカート、ちぎれたストッキング、片方脱げたハイヒール、ボタンが引きちぎられたブラウス・・・・
これらのことを見るとゆいがもう「女」であることが誰にでもわかる、それもきよたか以外の人間の手によって・・・
「どうしてどうして?何で私がこんな目に遭わなきゃいけないの!!あ、違う・・・離婚か・・・・」
とりあえず、残ったボタンをかけなおしてみようと思った、それにストッキングが破れていてもこんな夜なら誰も気にしない・・・
「あははは、まあいいや・・・・案外気持ちよかったかもね・・・・今時夫以外の人に抱かれたくらい気にすることは・・・あぁっ!!」
ダメだ、上手く立てない・・・2~3人の高校生は自分を玩具としか捉えていなかったらしく、メチャクチャにやられたおかげで足はガクガク・・
「あたたた・・・・あれ?えっ?ちょ・・・待って・・今日は・・・・・・うわあああああああああああああああああああ!!」
もう終わりだ、今日は危険日・・・・もしきよたか以外の子を身ごもったとしたら・・考えたくも無い、そんなことも考えたくも無かった
とりあえず気を振り払おうと思いっきり叫んでみたが、無理なこと、甲高い踏み切りの警報機の音に掻き消されてしまったのだから・・・
「あれ?・・・あ、そうか、ここは春日部駅に近い公園の踏み切りなんだ・・・・」
本来ならばゆいの帰宅時間、この時間帯は春日部駅を発車した特急スペーシアが高速でこのあたりを通過する・・・
そうだ、高速で通過するんだ・・・・あまり痛くないかも、少なくともこれから60年近い人生で背負っていく傷に比べたら・・・
そう思ったときにはゆいは踏み切りの真ん中に立っていた
「・・・・もう一回・・・こなた達と遊びたかったな・・・・・・」
カンカンカンカンカンカンカンカン・・・・・
「え?今なんていったの・・・・」
信じられない、ゆいが死んだ、嘘だ、いつもあんなに元気で明るかった人が死んでしまうなんて・・・
「お父さん!!ゆい姉さんに会わせてよ!!そうじゃなければ私信じられない!!」
「見ないほうがいい・・・・・」
「えっ?」
「電車に轢かれたんだ、人が電車に轢かれたらどんなことになるかぐらいわかるだろう?」
「い、いやぁあああああああああああああああああああああっ!!!!!!」
「ゆ、ゆーちゃん!!」
ゆたかが狂うのも当然だった、何しろこなた以上にゆいと一緒にいたのだ、それがこんな形で終わりになるなんて・・・
「お葬式か・・・・嫌だな・・・・・」
今日はゲームもする気にもなれない、気を紛らわせようとしても、すぐにゆいの顔が頭にちらつく・・・
そんな時ふと目に入ったのが、机の上の写真、そこには二人の着物姿の少女、そして二人の後ろで微笑むセーラー服に眼鏡の少女・・
「七五三の時だ・・・・この時確かゆーちゃんが千歳飴落っことしたから泣いたんだっけ・・・だから仕方なくゆい姉さんがお小遣いで・・」
虚しい・・・どれだけ思い出してもゆいはもう帰ってこない・・・・それだけならまだよかったのだ・・・・
こなたももうすぐゆいの最期の気持ちがわかろうとはまだ知るはずもなかった・・・・
この二週間何をしたのかこなたは何も覚えていない、そうじろうは前にも増してゆたかばかりをかわいがった、
ゆいが死んだ悲しみはこなたも同じはずなのに
「こなちゃん・・・・気を落とさないでよ・・」
「そうですよ、私たちがいるんですから苦しい時や我慢ができない時は何でも言ってください・・」
「ありがとう、二人とも・・・・」
そういえば最近ゆたかはどうしただろう?教室にもこない、最近はゆたかを覆っていた黒い何かも消えうせたような気がした・・・
やはり考えすぎだったんだろうか、そんな時だった・・・
「こなたぁ!!ゆたかちゃんよ!!!」
「あ!!うん、今行くぅ!!」
ゆたか・・・・こんな時になんだろう?やっぱりこないだまでの自分の心配は考え違いだったのだろうか?
「ゆーちゃん?・・・・最近どう?大丈夫?」
「お姉ちゃんは・・・・大丈夫そうだね、いや、前よりも元気になったかな?」
「ど、どういうこと?」
「お姉ちゃんは・・・・・ゆいお姉ちゃんが死んでよかったって思ってるんでしょう?」
「は?」
「だってウザかったもんね、毎日お姉ちゃんのうちに遊びに来てたし・・・・少しは空気読めって・・・・」
バァン!!
目の前には頬を押さえながら倒れていたゆたか、そう、自分は殴ってしまったのだ、大事なゆたかを、もう限界だった
「な、殴ったね、お父さんにも殴られたことがないのに・・・・・」
「何も言わなくていいよ・・・・・」
そしてさらにこなたはゆたかのセーラー服を掴み、上に引っ張りあげようとすると・・・・
「お姉ちゃん!!ごめんなさい!!」
「はぁ?」
急に大声で謝るゆたか・・・・こんな大声で言わなくても私には聞こえるのに、だがこれは教室にも聞こえるほどの大声
「ど、どうしたのよ一体?」
「か、かがみ・・・こ、これはね・・・」
「私が悪いんです!!私がお姉ちゃんに逆らったばっかりに!!」
何を言ってるんだこいつは?ゆたかが私に何て逆らおうとしているのか・・・
「お姉ちゃんが、ゆいお姉ちゃんの死んだことがまるでドラマみたいな展開だなって、小説にしたらマジで受けるとか言って・・・
私は無理って言っただけなのに・・・」
「ちょっ・・・・アンタ・・・・」
「ち、違うよ!!私こんなこと言ってない!!」
「じゃあ!!何でゆたかちゃんは泣いているのよ!?」
「こなちゃん・・・・見損なったよ・・・・・」
「ち、違う!!お願い!!みんな信じて・・・お願いだから・・」
バァン!!
「あぁああっ!!・・・・・・み、みゆきさん?」
あり得なかった、あの温厚なみゆきが自分を殴るなんて・・・・それをみゆきは嘲るようにこなたを見下していた、そして・・・
「泉さん、さっき言ったことは取り消します、前から空気が読めない人ってのはわかってましたけど、ここまで腐っていたとは・・・・・」
「最悪だよね・・・」
「こなた・・・・・・・・あんたは人間じゃないわ!!」
「ちょっ!!違うよ!!みんな・・・・・待ってよぉ!!」
だが三人はこなたの言葉に振り向くことなく去って言った、もう二度とかかわりたくないみたいに・・・
「友達いない人って・・・・寂しいもんだね?お姉ちゃん・・・・・・」
後ろでゆたかが何て言ったかなんてどうでもよかった、もう自分が行くべき道は決まったのだ、そう思っていた時既にこなたは校庭を走り抜け
だから見らずに済むだのだ・・・・普段のゆたかからは想像できないほどの気持ち悪い含み笑いを・・・・
「こなた、どうしてゆーちゃんを殴ったか、聞かせてもらおうか?」
「私は・・・・悪くないよ・・・」
「ふざけるなぁあああああああっ!!」
バンッ!!
「ガッ!!!!」
突然そうじろうはこなたの頭を掴むとテーブルに叩き付けた、そしてそうじろうはこなたをいたわることなく吐き続ける
「お前はいつから悪い子になったんだ?ゆーちゃんの方がよっぽどいい子じゃないか!?俺はお前をそんな子に育てた覚えは無い!!」
「うっ・・・・・」
「何だ?その目は・・・・俺を馬鹿にしてるのかぁああああ!!!!」
バンッ!!バンバンバンバンバン!!!!
「かはっ・・・・」
こなたはそうじろうを睨むことしかできなかった、冗談ではない、本気で憎かった、その上額からは一筋の血が流れ鬼気迫るものがあった・・
「俺はそんな子に育てたつもりは無い?笑わせないでよ・・・私はアンタに教育された物なんて一つも無い・・・・」
「な・ん・だ・とぉ!?もういっぺん言ってみろぉおおおお!!」
「アンタは私をフィギュアか玩具にしか思ってないんだよ!!そりゃ新しいほうがいいもんね!!古いのは捨てるしかないよね!?」
「・・・・・・・」
「何とか言ってよ!!お父さん!!!」
さすがのそうじろうも言葉を失う、まさか実の娘からこんな風に思われていたとは・・・・もうこなたの心は決まっていた。
「終わりだね、もう話すことなんか無いよ、私出て行く、一人で生きていける自身あるから、あ、そうだ、ゆーちゃんを養女にしたらいいよ・・・」
そういい残すとこなたはさっさと手持ちの荷物だけ持って出て行ってしまった、もう何が何でも遅いのだ・・・
「こなた・・・・俺は・・・・俺はぁあああああああああ!!」
崩れ落ちるそうじろう、そして彼の顔には大粒の涙が・・かなたが死んだ時でさえ娘の前では泣かないと思っていたのに、
だが、その娘ももういないのだ
「お帰りなさいませぇ!ご主人様(=ω=、)♪」
「コーヒー二つね!」
「ただのメニューには興味ありません!!」
「じゃあサンドイッチとミートスパも追加で・・・・」
「団長命令よ!!待ってなさい!!」
あれから何日たつだろう、今日もこなたは秋葉原のコスプレ喫茶で元気に働いている、朝は新聞配達なので非常に辛い
ちなみに前に働いていた所とは違う所、なぜならパティはゆたかに最も近い人間の一人だからだ・・・
「なぞなぞぉみたいにぃ~♪」
これはこなたの18番、なにしろこなたはこの店の一番のトップなのだからファンも多い、席は皆釘付け、そんな時・・・
「こなた君!!お客さんだよ!!ちょっといいかな?」
「あ、はーい!!」
突然女オーナーから呼ばれた、何事だろう?一体誰が来たというのだ?そして事務室のソファに座っていたのは・・・
「泉・・・・元気そうやな?」
「あっ?く、黒井先生!!今日は一体何の御用で?」
「アンタ・・・・こんな所で何やってんのや?さ、帰るで!!心配しとるってあんたの家から電話があったんや・・・」
いつもの先生ではなかった、いつもなら一番の味方、その上一度も怒ったことのない先生の顔は、怖くて見られないほどに
「アンタ、学校はどうするんや?これからもこんなフリーターみたいな生活続けるつもりか?どうなっても知らんで!!」
「先生には関係ないよ、私の人生には口を挟まないで、先生は私の何も知らないくせに・・・・」
「な、急に何言うとるんや?」
するとこなたは棚の上にあった紙を取り出し、ウザそうに鉛筆でいつもの汚い字を三つ書きなぐった。
「た、退学届!?」
「先生、これが私の気持ちです・・・あ、もう私とあなたは他人ですね、さようならななこさん・・・・」
「そうか・・・わかった、もう二度とウチの前に顔出さんといてや!!」
その瞬間ななこの中で何かが弾け、そう言い終わるや否や、ななこはコスプレ喫茶を後にした、しかし帰り道に思うことはただ一つ
「泉・・・・・なんでや?何で無茶なことしよるんや・・・・・・・こなたぁあああああああああっ!!」
さっきまでは我慢していたがもう限界だった、こなたは結局自分を信じてくれなかった、教師と生徒の関係を超え、
まるで友人のようなこなたに、それはななこにとって声にもならない嗚咽を漏らしながら涙を流し・・・・通行人に見られる羞恥心も関係ない
こなたは特別な存在だった、だが仕方がない、これから何十年の教師生活においてこなたはただの生徒の一人に過ぎないのだ
もうあれから半年がたった、どうしたらいいんだろう?なんて考えてる暇もなかった、実際生活はあんまり楽じゃないんだから
今日もネカフェを点々とする毎日、
「今日の晩御飯は、カンパンかな、節約しないと・・・・」
心なしか、少しやせたようにも見える、ネカフェといってもパソコンもあまりしない上に、仕事時間も限界に達していた。
「ふぅ・・・・」
ここは秋葉原駅だった、ベンチが見当たらないが、どこかに座りたいほどきついらしくコンクリートの階段に腰を下ろした
「駅に座って・・・・あぁ、これは清太が・・・私もこのまま死んじゃうのかなぁ・・・・」
そんな風に思っていたときだった、目の前を髪の長い女が通り過ぎて・・・
「み、みゆきさん!!」
しかし「みゆき」と呼ばれた女は振り向かない、いや、気づいてるのだろうが、まるで見えないかのごとく無視されたが
「待って!!みゆきさん!!待ってよ!!」
「誰ですかあなたは?」
「じょ、冗談でしょみゆきさん・・・ほら、こなただよ、泉こなた・・・」
「無様ですね、私は医大に合格しましたよ、あなたと違って、あなたは負け犬ですね、住む世界が違うんです・・・」
「で、でも・・・」
「触らないでくれますか、せっかくの合格祝いのコートが汚れてしまうじゃないですか・・・」
するとみゆきは財布から、三万円を取り出すとこなたに突きつけ・・・
「これで足りるでしょう?その代わりもう私の前には現れないで下さいね、さようなら・・・・」
するとみゆきはさっさと三人組の女の元へと去っていってしまった、みゆきの友達だろうか、自分はもうあそこには入れない
そんな時だった、こなたの携帯からハレ晴れユカイが大きな音でそのメロディーを奏でだしたのは・・・
「も、もしもし・・・・・」
「こなた・・・・逃げろ・・・死にたくなかったら・・・・逃げろ・・・・」
「お、お父さん・・・・」
「・・・・悪魔が・・・悪魔が・・・・・ごふぅううううっ!!!」
最初は演技かと思った、でもそうではないらしい、本当に苦しそうだ、まさかアイツが・・・・
その瞬間こなたはみゆきからもらった三万円を秋葉原駅の自動券売機に突っ込み、急いで幸手行きの切符と特急券を購入した。
「電車・・・遅い!!遅すぎるよ!!何やてってんのぉ!!」
ようやく幸手駅まで辿り着いた、しかし今日は運がよく三万円の残りをタクシーの運転手に手渡し自分の家の場所を告げる
「お客さん1000円で・・・・」
「お釣りはいらないよ、ありがとね!!」
そして急いで玄関を開けると、鍵が開いてる?そんなことどうでもいい早くお父さんを探さなきゃとすっかり気が動転していたが・・
「お、お父さん?」
そうじろうは確かにそこにいた、いやあったと言うべきか?それは既に肉塊だった、机の上を血で真っ赤に染め、
さらに横には飲みかけのコーヒーカップの中身がぶちまけられていたのだ・・・
「う、嘘でしょう?目を開けてよ!!お父さん!!」
ピンポーン!!
こなたの涙を止めたのは突然のインターホンの音、まさかゆたかかか?そう思いながら玄関へと向かってみたが・・・・
そこにいたのは背広に身を包み、眼鏡をかけた真面目そうなサラリーマン風の男
「角川書店の者ですが、原稿を引き取りに来ました、あれ?こなたちゃん一人かい?」
「えっ?あ、いや・・・・」
「悪いけど上がらせてもらうね、締め切りは今日なんだ・・・・」
「あ、あああ・・・・」
「泉先生!!原稿を受け取りに・・・・・う、うわぁああああああああああああああああああああああああああ!!!」
ここでこなたは彼に状況を説明すればよかったかもしれない、だが足は言うことを聞いてくれなかった、
もうこなたその場にはいなかったのだから、この行動は後でどんなことが起ころうとも自分が悪いという意思表示なのだ
そう警察に解釈されても仕方のないことである
「どうしよう?どうしよう?」
もうお終いだ、彼はおそらく自分が犯人だと警察に告げているだろう、こうなったらもはや逃げ道はない
「何で、こんなことになっちゃったんだろう?」
ブルル!ブルル!!
「メール・・・一体誰から?・・・・か、かがみ?」
メールにはこう書いてあった、
こなた、アンタは犯人じゃないって私はよく知ってるわ、だから私はアンタを助けたい
駅周辺は警察が集まってきてるわ、だから駅反対方向に向かって八木崎から野田線に乗って岩槻まで来て
そこの向こうに○○鉄工っていう廃工場があるからそこの廃ビルなら誰にも見つからない
じゃあ、くれぐれも上手くやってね! 柊かがみ
「かがみ、そうか・・・・かがみは私の味方なんだ・・・よしっ!!」
とりあえず岩槻まではなんとかやって来ることができた、確かに「かがみ」が言った通り警察はまだここには来ていなかった
そしてあそこがかがみがいる○○鉄工の廃ビル・・・
「ここかなぁ?」
ボロい扉を開け、なんとか中に入ることに成功した、しかし中はがらんどうだし何もない、かがみは一体どこにいるのか・・
「かがみ!かがみ!来たよ!!どこにいるの?かがみ!!」
「ふふふ♪そんな奴はいないわ!!!!」
「なっ!!ま、まさか・・・・」
そしてその人物はゆっくりと柱の影から姿を現した・・・
「ゆ、ゆーちゃん!!」
「お久しぶり、半年振りだね・・・」
心なしかゆたかは少し大人びて見えた、おろされた髪、ブーツのような物を履いているせいかこなたよりも背が高い
「まさか、ゆーちゃんがお父さんを?」
「違うよ、叔父さんは家出同然のお姉ちゃんに金をせびられ口論になった、それでカッとなったお姉ちゃんは薬を入れて・・・」
「な、何を言ってるの?」
「私さ、さっき出版社の人と一緒に証言したら警察はお姉ちゃんが金目当てに殺したって決め付けちゃって、頭固いんだよね♪」
「じゃ、じゃあ、まさかゆい姉さんも!?」
一瞬ゆたかはきょとんとした目でこなたを見る、だがすぐに口元には笑みを浮かべ
「女を精神的にいたぶるには何だと思う?そう、男に犯されること、それだけでよかった」
「ゆーちゃんが・・・ゆい姉さんを辱めるように仕組んだの?だからゆい姉さんは電車に・・・」
「そうだよ、まあ、後で自殺に見せかけて殺すつもりだったけどね」
するとゆたかはポケットからは薬の瓶と、パソコンで書いた手紙のようなもの、よく見ると成実ゆいと署名までしてある
「ま、まさか・・・ゆい姉さんは?」
「そうだよ、私はお姉ちゃんには最初から死んで欲しかったんだよ、まさか自分から死んでくれるなんて・・・」
「どうして?あんなに仲が良かったじゃない?あの時の七五三のときなんか・・・・」
「うるさいっ!!!」
「ゆ、ゆーちゃん・・・・・」
「アイツは本当のお姉さんなんかじゃない、アイツはあの女が浮気して作った子供なんだよ!!」
「あ、あの女って?じゃあ、おばさんは!?ま、まさかゆーちゃんは?」
「そうよ、私は小早川家にもらわれてきた養女なの、だからアンタとは全く血の繋がりがないのよ・・・」
たしかにそうだ、今思えばゆいとゆたかは全然似ていない、髪の色、体力、知力、口元なんかこなたにそっくり
「悔しかった、あの女いつもゆいばかりかわいがって、私のことなんか眼中になかったよ、だから平気で私を泉家に・・・」
「ゆーちゃん・・・・でもどうして私達を、そんなに・・・」
「アンタが羨ましかったんだよ、私には本当の家族がないから、小さい頃に事故で両親が死んで、私は後遺症でこんな体に・・・」
「ゆーちゃん・・・・」
「だって、嫌なんだよ、私より苦労してない奴が私よりいい暮らしをしてるなんて、印税のおかげでアンタらはゆったりと暮らして・・」
一通り喋った後ゆたかは夜空をぼんやりと眺めていた、なにやらブツブツと何か喋っているようだったが、何だか聞こえずらい
「死んでよ・・・」
「な?」
「アンタは死ぬんだよ、ここで、この屋上から飛び降りて、ゆいと泉を殺した罪に耐えかねてね・・・・」
「さあ、飛び降りなよ、早く飛び降りなよ!!・・・どうしたの?恐ろしくなったのぉ?あははははは♪」
狂ったように叫ぶゆたかからはかつての面影は全く感じられない、まるで以前映画で見た悪役のように
「ゆーちゃん、あなたは最低の人間だよ・・・・・・いや、人間じゃないよ・・・」
「あーあ、ウザいなぁ、飛び降りる気が無いんだったら私が殺してあげるよ!!」
そしてハンドバッグを弄りだすと、なにやらキラリと光る物、そう、包丁だった、それをゆたかは握りなおすと
「死ねねぇええええええええええっ!!こなたぁああああああああああああああっっ!!!」
そのまま行けばこなたはゆたかに包丁で刺されるはずだった、だが・・・・
「きゃあっ!!」
「な、何ぃ?きゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!」
こなたが避けたせいでゆたかは屋上から下へ真っ逆さまになりそうになった、だが運よくゆたかは何かに掴まれた、それは意外な・・
「掴まってぇっ!!」
「な、なんで?アンタどうして!?は、放しなさいよ、殺せばいいじゃない、私はアンタの大事な人を二人も殺したんだよ!!」
「ゆーちゃんは死なせはしないよ、簡単にわね、私の苦しみ、それだけじゃない、アンタが殺したゆい姉さんとお父さんの苦しみ・・」
「・・・・・」
ゆたかは何も答えなかった、そのまま無言のまま再び屋上に引き釣り上げられる・・・その目には大量の涙を浮かべて・・・・
「ゆーちゃん、自首しなよ、今から行こう・・・・・」
「わかったよ、じゃあハンドバッグ拾うからちょっと待っててね・・・」
「いいよ・・・・・・」
ドスッ!!!!
何が起こった?有り得ない、後ろが今までに感じたことが無いような痛み、恐る恐る後ろを振り向けば、そこには
恐ろしい表情で獲物をしとめた時の喜ぶ狩人のような不気味な笑みを浮かべるゆたかだった・・・
「あ・・・・ぐ・・・ゆーちゃん、どうして?」
「あははははは♪ばーーーーか!推理ドラマみたいに私が改心して包丁をカランと床に落とすとでも思った?」
先ほどと違ってゆたかはゲラゲラと笑っている、そしてゆたかはハンドバッグを拾うと足早に去っていった、甲高い笑いを響かせながら・・
「あははは♪甘いな、私って・・・・」
幸い刺さったところは急所を大きく外れていた、さすがにゆたかは殺人においては素人、一発でこなたを殺せるわけが無い
「でも、もう私疲れたな、これから先、生きていくのに・・・・でもこの調子じゃなかなか死なないよね」
こなたは不安だったのだ、ゆたかに裏切られ、そうじろうは殺され、誰も頼れる人がいないのだ、しかも高校は中退したのだから
これから先ろくな就職先も、結婚相手も見つかるわけが無いのだ
「行こうかな、そろそろ・・・・・」
そしてこなたは震える足で最後の力を振り絞って、立ち上がり、そして・・・・・・・・コンクリートの地面から飛んだ
(私、どっちに行くんだろう?お父さんやお母さんに会えるといいな♪)
ドシャッ!!!
一週間後、学校に向かうため東武鉄道の駅にいた、次の電車が来るまでは時間がある、というわけで売店で新聞を買ったというわけだ
『作家の泉そうじろうさん殺害される、犯人の高校生の娘は飛び降り自殺』
「私のことは、書いてないみたいだね・・・」
ゆたかは最近楽しみが増えた、そう、この事件の報道を新聞やテレビ、2ちゃんねるでチェックすること・・・
テレビではみのもんたが親子の情のもつれが原因だと、今の日本はどうなってしまったのかを憂いていて
新聞では淡々と事件の情報を伝えている、もちろん加害少女(18)という風に名前は伏せているが・・・
2ちゃんねるではこなたをネタにしてみんなが笑っていた、しかも誰から聞いたか知らないがオタクきめぇとか書いてあって
「誰も知らないんだよね、私以外には・・・・だから誰も私を罪に問うことはできない・・・ふふふ♪」
『まもなく特急列車が通過します、危険ですので黄色い線の内側に下がってお待ちください・・・』
「なんだ、この駅を通過するやつか、普通列車に座れるといいな、この時間帯込んでるからね・・・」
そしてゆたかは新聞をたたみ、鞄を持ち上げ次の電車に乗り込む準備を整えた次の瞬間
ドンッ!!
「きゃああああっ!!」
ゆたかはホームに転落、電車はあと数メートルでゆたかを・・・しかし体が動かない、体を線路で強く打ったせいだろうか
「い、いや、死にたくない・・・・た、助けて・・・誰か助けて・・・・・・」
ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
最終更新:2022年05月03日 09:21