503:愛する恋人を大嫌いな旧友に寝取られた件 選評:2022/09/18(日) 17:23:44 ID:wilhDgFs
タイトル 愛する恋人を大嫌いな旧友に寝取られた件 ~上司で恋人の強気な彼女
ブランド アトリエさくら
発売日 2022年 3月25日
定価 3,080円
ジャンル アドベンチャー
主人公、朝倉 若葉(あさくら わかば)が交際中の芳峯 夜宵(よしみね やよい)は
仕事ができて誰からも憧れられる才色兼備な女性だった。
そんな彼女へ熱烈なアプローチをした末にOKをもらった若葉は、
同棲生活を経てそこそこの幸せを掴んでいた。
ただ……彼にとって唯一誇れる強みは‘‘夜宵の彼氏’’であることしかなかった。
ある日、彼が所属する営業部に飛び込んできた大きな案件を若葉が担当することになるも、
取引先の相手は学生時代に自分をいじめてきた涼城 匠(すずき たくみ)であった。
営業に同行した夜宵のサポートもあり、交渉は成功……したかに思えたが、
後日、その商談は突然取り消しになってしまう。
落ち込む若葉、そんな彼氏のミスを見ていられない夜宵は
匠と直接交渉に臨むことになるのであった。
そんな中、匠は夜宵の本心――本当は頼られるよりも頼る女でいたい、
本当は彼氏に甘えたい──に気づいてしまうのであった。
そして夜宵の肉感的な肢体を見ながら匠の中に邪な疼きが湧き上がってくる。
俺が若葉の見ることの叶わない夜宵の本当の痴態を引き出してやろう、と。
登場人物
朝倉 若葉(あさくら わかば)
いじめられっ子ウジウジ主人公
物語の多くが夜宵の視点で進むため、主人公なのに影が薄く感情移入ができない
時々視点が移っては申し訳程度にNTR勃起するのが中盤までの彼の主な役割である
終盤になるといきなり物語に絡みだすが、とくに何もできずにあっさり間男に負ける
クソゲーの魔王のような役回り
芳峯 夜宵(よしみね やよい)
即堕ち不快系チョロイン 作中では夜宵の視点が一番多い
NTR作品において肉体は間男に堕ちているが、心は主人公の事が好きという葛藤はヒロインとして珍しくないが
夜宵の場合は身も心も間男に堕ちているが、結婚や妊娠は主人公としたいという稀有なキャラである
社会的地位や経済力も主人公より間男の方が上の為、主人公を好きだという描写が理解ができない
そのくせ主人公のことを思いながら、間男と協力して主人公の社内での立場を追い込む
間男が引く程の速さの即堕ちを見せ、理解不能な心理描写を縦横無尽にまき散らす狂戦士のような存在
涼城 匠(涼城 たくみ)
間男 取ってつけたようないじめっ子設定を除けば作中で一番の常識人
主人公と関わるたびに厳しい意見を浴びせてくるが基本的に正論
会社員としても間男役としても、しっかりと仕事をこなす万能キャラ
おまけに聖剣マジカルチンポまで持ってる勇者のような存在
なお名前のルビに漢字を使われている
CG数は差分無し20
ENDは2つ
問題点
立ち絵のクオリティが低い
関係性、キャラクター性が上っ面だけで説得力が無く、地の文に共感できない
登場人物の言動に納得できないシナリオ
取られて悔しくないヒロイン
アトリエさくらの作品において主人公とヒロインの馴れ初めを最初に
数行ほどで説明して終わりで感情移入がしにくいことはよくあるが
本作に関しては「この人は芳峯夜宵――先輩だけど、撲の恋人だ」の一行でほぼ終了する
あらすじで語られているような主人公がアプローチをしたエピソードも語られることなく本編に入る
また物語序盤は夜宵と涼城の視点で語られることが多いため、プレイしていて若葉を主人公と思えない
またヒロインの夜宵もあまりにも即堕ちするのでNTRとして盛り上がらず
涼城匠もいじめっ子であると説明があり、涼城自身もいじめていたと認めているが
具体的ないじめエピソードも無いため、主人公が一方的に逆恨みしてるようにしか見えない
そのくせそれだけ恨んでいる涼城をタイトルで旧友と表現するのは理解ができない
物語序盤
涼城が夜宵に商談を辞められたくなかったらチンコ舐めてと言い、それに対し夜宵が迷わずしゃぶりだすシーンでは
涼城の方が「本気にしたのかよ……」と引いていた。これが数少ない登場人物に対して共感できるシーンだった
なお夜宵はこの時点では浮気だと思っていない
またあらすじや地の文で優秀で仕事ができる上司であることが強調されている夜宵だが
プレイしていて有能さを感じることがなかった
優秀な営業部長にもかかわらず接待の仕方が想像もつかない、お酌なんて初体験というのはキャラとしての説得力に欠ける
物語中盤
主人公に浮気がバレ、もう会うのはやめろと言われるが
それでも涼城と会いヤリ続ける夜宵の心理描写に『もはや枕営業してるのとなんら変わりない』とあるが最初から枕営業でしかない
さらに『枕営業……昔はあんなに拒絶していたのに』と序盤に即フェラした人物とは思えない描写が飛び出した
なおこの状態でも私は若葉君と結婚したいと言い出す
悪い意味でのアトリエさくららしさが詰まったシーンだった
物語終盤
浮気を続ける涼城と夜宵
若葉の地味さも相まって涼城の方が主人公では?
夜宵が浮気を続けていると気づいた主人公は涼城を電話で呼び出し口論になるが
プレイヤーとしてはこの時点で涼城よりも夜宵の方がヘイトが溜まっているので、なんでそっち攻撃してるの感がある
なおこの口論では誤字を交えた涼城に敗北している
涼城の縁談を知り動揺する夜宵
彼氏と浮気相手を天秤にかけ速攻で涼城に抱いてくれと懇願しにいく
なおそれを察した主人公は涼城をただの浮気者と罵るが
プレイヤーとしては夜宵に言えとしか思えない
その後夜宵は若葉君の為と考え、涼城を自社に移籍させ若葉を部署から追い出す
最後は涼城との子供が欲しいと言いながらセックス
若葉と涼城二人と結婚したいという謎心理描写をしながら終了(スタッフロール無し)
まとめ
NTRは堕ちるまでの過程を描くものであって
堕ちた後を描くのならそれはただの浮気でしかない
身も心も涼城を好きになっておきながら最後まで主人公も好きと言うヒロインには
感情移入どころか理解不能である
影の薄い主人公に感情移入はしづらく
間男の涼城に感情移入しようにも、涼城が抱いているのは理解不能女だ
せめてヒロインを理解可能なキャラにすれば多少は楽しめただろう
最後にヒロインを寝取った涼城による夜宵の評価を置いておく