宮崎県で口蹄(こうてい)疫が広がっている影響で、黒毛和牛の肉用子牛の取引頭数が急減している。シェアの6割を占める九州で、子牛の競り市が中止や自粛に追い込まれているため。農畜産業振興機構によると、5月の全国取引頭数は前年同月の4割程度にとどまる見通し。一方、九州以外の市場に子牛買い付けを求める動きが出ており、取引価格の上昇懸念が強まっている。
同機構が20日までにまとめた今月の全国の子牛1頭当たりの平均価格は、前年比8.6%高い38万5562円になった。
九州から多くの子牛が全国の産地に供給されているが、口蹄疫の終息にめどが立たないため、子牛の飼養頭数が多い北海道や東北に代替候補地を探る動きが出てきた。全農岩手中央家畜市場が19~21日に開いた子牛の競りは、前年比13~22%(4万4000円~7万1000円)上昇した。「消費が伸びない中で急上昇しており、口蹄疫が影響している可能性が高い」(全農岩手)という。
食肉団体の関係者は「九州の競り再開にめどが立たなければ、各地で子牛価格の上昇が続くだろう」と予想する。
最終更新:2010年07月19日 02:44