東国原英夫知事は6日、口蹄疫対策の初動態勢について「迅速な対応ができなかった」との認識を示したうえで、今後の発生に備えた新しい法や指針の必要性を指摘した。被害を最小限に抑えきれなかった現実に「農家や地域住民、我々の向き合い方に甘さがあった」と述べた。
家畜伝染病予防法や防疫指針は、ウイルスを封じ込めるため、家畜のできるだけ早い殺処分と埋却を求めている。だが、現実には埋却地の確保や周辺住民の同意などに時間を要し、殺処分対象頭数の増加に処分が追いつかなかった。
定例会見で知事は「家伝法には忠実だった。ただ、疑似患畜が所見で発生しても、検体を動物衛生研究所(東京)に送らなければならなかった。農家には検査結果が分かるまで殺処分したくない気持ちもあった」などと振り返った。
今後に備えて「宮崎の経験や犠牲を無にしないため、もし起きたときには被害を最小限に食い止める防疫措置を行えるマニュアルが必要。次代に伝える義務がある」と述べた。【石田宗久】
毎日新聞 2010年7月7日 地方版
最終更新:2010年07月19日 03:24