宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、政府の対策本部と県は22日、家畜の移動制限区域(発生地域から半径10キロ圏)内で殺処分に向けたワクチン接種を開始した。
初日のこの日は、豚農家10軒の計約2万2000頭の豚にワクチン接種を実施した。一方、感染が判明したエース級の種牛「忠富士(ただふじ)」は同日、殺処分された。
ワクチン接種は、まだ感染していない約16万5000頭が対象。豚の方が牛よりウイルスに感染しやすいため、豚の接種を先行させている。
一方、忠富士は、県家畜改良事業団(高鍋町)から、特例で移動制限区域外の西都(さいと)市の畜舎に移された主力級種牛6頭のうちの1頭。その際、密閉に近い状態のトラックの荷台で他の種牛と一緒に運ばれた。この時点で忠富士は感染していたとみられ、県は他の5頭にも感染した可能性があるとして少なくとも10日間の観察期間を設け、遺伝子検査を繰り返し行うことにした。
県は22日、忠富士以外にも新たに計22農場で感染疑いの牛や豚が見つかったと発表した。これで感染(疑い含む)頭数は181農場計13万6265頭となった。
最終更新:2010年07月19日 03:17