宮崎県は20日、同県都農町の畜産農家で飼育されている和牛3頭が家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した疑いがある、と発表した。確認されれば、国内では2000年以来の発生となる。人には感染せず、感染牛の肉を食べても人体への影響はないとしている。
発表によると、いずれも繁殖用の雌。農家から9日、「口内にびらん(軽い潰瘍(かいよう))がある」と連絡があり、宮崎家畜保健衛生所(宮崎市)の獣医師が1頭の症状を確認。17日に別の2頭に同様の症状が出たため、1頭から口の中の粘膜を採取し、独立行政法人・動物衛生研究所による遺伝子検査で20日に陽性と判明した。感染の最終的な確認を進めている。
県は家畜伝染病予防法に基づき20日、防疫対策本部を設置し、同町と隣接する日向市、川南町の畜産農家に牛や豚の移動自粛を要請した。感染の疑いがある牛が見つかった農家で飼育されている全16頭は近く薬殺処分する。
国の指針では、発生地から原則半径10キロ以内を牛や豚を畜舎から動かせない移動制限区域、半径20キロ以内を区域外に移動できない搬出制限区域とするよう定めており、県は国と協議のうえ対応を決める。
(2010年4月20日 読売新聞)
最終更新:2010年07月14日 04:46