読売新聞社に記事に飛ぶ (元記事控)


 都農町の畜産農家で飼育されている和牛3頭が家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した疑いがあることがわかり、県や関係自治体、JAの担当職員は20日、緊急の対策会議の開催や消毒作業などに追われた。畜産関係者は家畜の出荷への影響や、風評被害の広がりに不安を募らせる一方、県は「人に感染することはない。感染牛の肉や牛乳が市場に出回ることもない」として、消費者に冷静な対応を呼びかけている。

 緊急対策会議には、食肉加工業者やJA職員ら約40人が出席。県畜産課の担当者が経緯を説明し、発生地から半径10キロにある日向市美々津町などの2地点、半径20キロにある新富町三納代など2地点で、消毒を行うことを発表した。飼料運送車など畜産関係の車両が対象となる。

 ほかに、半径10キロ以内の移動制限の対象には、牛や豚だけでなく、排せつ物や死体、管理用具などを含むことを示し、区域内での新たな放牧も中止するよう求めた。

 会議に出席したミヤチク(都城市)は都農町と都城市高崎町に食肉処理工場を所有。このうち、都農町の工場では今年度、牛1万4880頭、豚18万7640頭の処理を計画しているが、県の指示で解体処理施設を一時的に閉鎖するという。同社の井手勝彦常務は「都農工場に出荷している農家が出荷先を失ってしまう。対策を練らないといけない」と、厳しい表情で語った。

 食肉加工後の骨などを処理する南国興産(同市)の担当者は「骨など副産物や死亡牛の搬送にも影響する。畜産全体への風評被害が心配だ」と話していた。

(2010年4月21日 読売新聞)



最終更新:2010年07月14日 05:22