宮崎県都農(つの)町で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した疑いのある牛3頭が見つかった問題で、県は21日、都農町に隣接する川南町の畜産農家の牛6頭にも感染の疑いがあると発表した。県は同日中に6頭を含め、この農家が所有する65頭を薬殺処分する方針。
発表によると、農家で牛を診察した獣医師が20日、口蹄疫に似た症状の牛がいることを宮崎家畜保健衛生所(宮崎市)に連絡。家畜防疫員が乳用牛4頭と黒毛和牛2頭の舌や乳頭に潰瘍(かいよう)などの症状を確認した。
採取した検体を独立行政法人・動物衛生研究所国際重要伝染病研究チーム(東京都小平市)が遺伝子検査したところ、21日に陽性と判明した。
この農家は乳用牛37頭、黒毛和牛14頭、交雑牛14頭を飼育。県は農家周辺の通行を制限し、牛舎などを消毒している。
県は20日、感染の疑いが確認された繁殖用和牛3頭を飼育していた都農町の畜産農家から半径10キロ圏を移動制限区域とし、牛や豚を畜舎などから移動することを禁止し、同20キロ圏を搬出制限区域として地域外への搬出も禁じている。
川南町の農家は、都農町の農家から南に約3・4キロ離れている。新たな移動制限区域と搬出制限区域を設定するかどうかについては、県と国が協議して決定する。
県によると、2軒の農家は、それぞれ別の輸入代理店から購入した中国産の稲わらを餌に使っていた。わらは輸出前に薫蒸処理されているため、「感染源とは考えにくい」としている。
(2010年4月21日 読売新聞)
最終更新:2010年07月14日 05:24