宮崎県でまん延してきた家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の問題で、同県は、唯一残っている宮崎市の発生農場を中心とする家畜の移動・搬出制限区域を27日午前0時に解除する。4月20日の発生確認から3カ月余りで県内全域の制限区域がなくなる。東国原英夫知事はそれに合わせて記者会見、発生地域の住民に不要不急の外出自粛などを求めてきた「非常事態宣言」の全面解除を発表する。
県は風評被害を抑えるため、県内で飼育されている90万頭超の牛・豚すべてについて目視で安全性検査を実施中。ウイルスが残存している恐れのある農場のふん尿処理が順調に終われば、8月27日にも正式に「終息宣言」をする予定だ。この間、畜産農家の消毒徹底や、一部で残す車両の消毒ポイントへの立ち寄りなどは引き続き求める。
5月18日に出された非常事態宣言に関しては、感染の沈静化傾向が見えてきた今月1日に、発生地域を除きイベント開催は認めるなど一部解除。しかし、同4日に新たな感染疑いが発覚した宮崎市では県立図書館や美術館、体育館など公共施設の閉鎖が続いていた。これらも27日に再開する。
口蹄疫は都農(つの)町で最初に確認され、川南(かわみなみ)町や都城市など計5市6町に拡大。防疫のため殺処分された家畜は28万8649頭(今月25日現在)に上った。
=2010/07/26付 西日本新聞夕刊=
最終更新:2010年07月27日 02:27