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宮崎県の畜産業に大きなつめ跡を残した口蹄(こうてい)疫問題は、家畜の移動・搬出制限の全面解除によって、ようやく終息の方向が見えてきた。今後は復興対策が急務となるが、殺処分の対象となった牛や豚は計約29万頭と全体の約4分の1に達し、影響の長期化は避けられそうにない。
 被害が最も集中した川南町などを管轄するJA尾鈴の担当者は、畜産農家が本格的に家畜飼育を再開する時期について「年内はないと思う。来春くらいからを検討している」と話す。処分した家畜のふん尿処理が終わる見込みの8月末以降から畜産再開は可能だが、感染源・感染ルートの解明や家畜伝染病予防法の改正も視野に入れた再発防止策が示されない限り、「不安で再開できない」という声が大勢という。
 家畜が全滅状態となった尾鈴地域では、これを機に廃業を決断する畜産農家も。関係者の間では、県や国の施設が先行的に家畜の飼育を再開し、しばらく経過を観察する案が検討されている。
 宮崎県は口蹄疫対策の補正予算を既に5回編成。計592億円に上る事業費のうち、県の負担は67億円に上る見通し。県は財政調整基金を取り崩して対応する方針だが、復興対策への多額の支出も見込まれる。来年度以降の予算編成にも影響が及ぶため、国に一層の支援を求める考えだ。(2010/07/26-17:35)


最終更新:2010年07月27日 02:33