2010年7月27日 01:47
口蹄疫(こうていえき)問題の終息に向けて宮崎県内の家畜移動・搬出制限が27日に解除されるのを前に、鹿児島県は26日、口蹄疫対策本部会議を開き、県境地域の家畜全頭検査が終了後の8月初旬にも県内の消毒ポイントを撤去するとともに、年内に防疫演習をし、防疫マニュアルも作成する方針を明らかにした。伊藤祐一郎知事は、これまでの防疫活動を総括し「防疫態勢がすぐに整い、県内への侵入を防ぐことができた。市町村や関係者、県民に感謝したい」と述べた。
県管理の消毒ポイント8カ所は、宮崎県えびの市で口蹄疫が発生した4月28日に設置。7月18日までに延べ1万8千人が24時間態勢で延べ14万5千台を消毒した。市や町の自主消毒ポイント18カ所と車両消毒マット17カ所も順次撤去する。
一方、防疫演習は11月にも予定し、異常な家畜の鑑定から殺処分、埋却までの一連の作業を、実際に埋却用の穴も掘削して行う。防疫マニュアルは、県畜産課が今回の教訓や専門家の意見なども踏まえて、年内をめどに策定する。
県は同日、畜産や輸送などの関係団体を集めた緊急防疫対策会議も開催し、畜産関係者が集まる催しや会議の開催、宮崎県内の多発地域への立ち入りを、引き続き8月末まで自粛するように協力を求めた。
鹿児島県では韓国での口蹄疫発生を受け、宮崎県で発生する前の1月と4月に対策会議を開き、消毒剤の備蓄や関係者への周知を進めていた。伊藤知事は「この事前準備の効果も大きかった」と述べた。
=2010/07/27付 西日本新聞朝刊=
最終更新:2010年07月27日 23:46