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 宮崎県の家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」問題で、県は18日、同県川南、高鍋、新富の3町で新たに計15農家の牛と豚に感染した疑いがあると発表した。

 新富町での発生は初めて。これで同県での発生(疑い例も含む)は、えびの市と都農(つの)町を加えた1市4町の計126農場に拡大。家畜の殺処分頭数は10万頭を超え、11万4177頭に達した。

 発表によると、発生が確認されたのは牛を飼育している8農家と、豚を育てている7農家。15日から16日にかけて、農家や獣医師から宮崎家畜保健衛生所(宮崎市)に連絡があり、検体を動物衛生研究所国際重要伝染病研究チーム(東京都小平市)で調べた結果、計30頭の牛や豚で感染の疑いが確認された。今回の発生で、15農家が飼育する牛446頭、豚2万8008頭の計2万8454頭が殺処分される。

 新富町の発生農家は、1例目の同県都農町の農家から約17キロ離れている。新富町での感染確認に伴い県は18日、同町の発生農家を中心に、家畜の移動制限区域(半径10キロ圏)と、搬出制限区域(同20キロ)を設定する予定。移動制限区域内には、新たに宮崎市の一部が含まれることになる。

 一方、今回の農家すべてが、1例目の農家から南側にある。県は「1例目の発生農家から、発生地域が南下していることは否定できない」としている。

 ◆口蹄疫での殺処分=口蹄疫は、主に牛や豚、シカなどの偶蹄類の動物に感染する伝染病で、口やひづめなどに水疱(すいほう)ができるが、死亡率は高くない。しかし、感染すると肉質が落ちたり、乳量が減ったりするなどの問題があるうえ、感染力が非常に強い。このため、日本では家畜伝染病予防法で、感染した疑いのある家畜を殺処分することが義務づけられている。

(2010年5月18日11時44分 読売新聞)
5月 出荷制限 被害状況

最終更新:2010年07月17日 02:37