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 家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の感染問題で、宮崎県の種牛の飼育施設でも感染の疑いがある牛が見つかったことを受け、熊本県内の種牛管理施設では、警戒を強めている。

 種牛は、高品質の子牛を得るため、雌牛に精液を提供する雄牛。肉用牛では2009年度末現在、全国で約1800頭が認定されている。

 熊本県合志市の県農業研究センター畜産研究所では、赤毛和種12頭、黒毛和種4頭の種牛を管理、年間約2万本の精液を生産している。赤毛和種ブランドの「くまもとあか牛」は、熊本を代表するブランド牛で、赤毛和種の種牛を管理しているのは、全国でも同研究所など数か所しかないという。

 牛舎や豚舎がある研究所内の畜産エリアでは、従来から設置している車両用の消毒設備に加え、職員が手作業で車の底部や車輪の内側に薬剤を吹き付けるなど消毒体制を強化。

 畜産エリアへの車両の出入りは、一部の飼料運搬車などに限定。関係職員約50人は、エリアから最大約1キロ離れた駐車場に車を止め通勤するなど、感染防止策を徹底している。

 同研究所の稲葉孝二所長は「県内にまで感染が拡大すれば、種牛を分散して管理することも検討しなければならないが、十分な機能を備えた施設は少なく、職員も不足しており、対応できるかどうか……」と懸念している。

(2010年5月18日16時45分 読売新聞)
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最終更新:2010年07月17日 02:43