2010.5.18 21:09
宮崎県内で猛威をふるう口蹄(こうてい)疫。県内への感染拡大を阻止しようと関係者は対応に追われる。畜産農家の緊張も高く、早くも消毒用消石灰が品薄という。動物園の羊コーナー入り口に消毒用マットが置かれるなど、影響は都市部にも広がっている。
県は宮崎県での発生が明らかになった翌日の4月21日から1週間かけて県内の全畜産農家1604戸に電話や実地調査で、異常がないことを確認した。
県畜産課によると、宮崎県からは3月以降、牛28頭が持ち込まれているが、全頭すでにウイルスへの感染から発症までの潜伏期間は過ぎており、現在は念のために経過観察を続けているという。
■24時間態勢で警戒
千葉県は畜産業産出額全国6位を誇る酪農県だ。戸数は少ないものの、大規模農家が多く、飼育頭数は牛約8万3千頭、豚約64万5千頭、羊やヤギなどが計約1千頭に上る。過去に口蹄疫の発生はないが、同課は「気の緩みが一番怖い。みんなが緊張感を持ち、早期発見、早期通報が何より重要」とし、畜産農家に農場周辺や畜舎内出入り時の消毒の徹底を呼びかけている。
万が一に備え、県内4カ所の家畜保健衛生所に24時間態勢で獣医が常駐して警戒しているほか、同課職員も休日返上で情報収集に奔走している。
■対策を急ぐ自治体
養豚をはじめとする畜産業が盛んな旭市では、口蹄疫の感染防止対策として、市が消毒用の消石灰1500袋(1袋20キロ入り)を購入し、先月30から今月1日にかけて市内畜産農家131戸に配布した。
市農水産課の担当者は「当初は1戸あたり10~15袋の消石灰を確保できたが、それ以降は全国で消石灰の需要が増えているため、手に入らない状況が続いている」と話している。
八千代市は酪農が主要産業で市内には乳牛約1千頭がいて、市農政課は監視を強めている。関係団体や酪農家に注意を呼びかけるという。
■「触れ合い」前に消毒
市川市動植物園では、口蹄疫に感染する可能性があるミニブタ、ヒツジ、ヤギがいる「なかよし広場」の入り口に消毒薬をしみこませたマットを置いた。
「広場」は動物に触れられる人気コーナーで、口蹄疫のウイルスが靴に付着して、持ち込まれるのを防ぐのが目的だ。
春は行楽シーズンで人の移動が多く、流行地を旅行した人が来園する可能性もあるとしている。
仮に関東地区で感染が確認されれば、「なかよし広場」の閉鎖などさらに強力な対策をとるという。
5月 対応 防疫関係
最終更新:2010年07月17日 03:05