口蹄疫の清浄性確認検査が終了したえびの市で27日、農家が自粛していた農作業を再開した。田植えに向けた準備で、例年より20日前後遅れての作業となったが、日常の生活を取り戻しつつある農家には笑顔も見られた。同市は最終的に検査結果で異常がなければ、6月4日午前0時に家畜移動・搬出制限区域が解除される。
作業を行ったのは、全114戸中25戸が畜産農家の上浦地区。同地区では「どこにウイルスがいるか分からない」として、住民が農作業の自粛を申し合わせていた。今回、(1)全戸が清浄性確認検査の対象となり、臨床検査で異常がなかった(2)普通期水稲の田植えが迫っている―ことから作業の再開を決めた。
地区内ではトラクターや草刈り機で牧草や、あぜ道の草を刈る姿が見られた。繁殖牛農家の田口正英区長(60)は「ようやく前向きに仕事ができる。まだ希望半分、心配半分だが、取りあえずこれが第一歩」と話していた。
(2010年5月28日付)
最終更新:2010年07月19日 04:52