高千穂町は、口蹄疫発生のため今月の競り市が中止になり、子牛を出荷できなかった畜産農家に対し、緊急飼養対策として1頭当たり1万2千円の支援金を交付する。28日にも同町畜産連絡協議会(冨高正男会長)に渡され、町内29地区の振興会を通じて順次各農家に届けられる。
競り市は12、13日に開かれる予定で、町内から385戸の640頭が出場リストに挙がっていた。しかし、口蹄疫問題は終息する気配を見せず、農家は子牛を出荷することができないでいる。このため、餌を与えて飼育を続けなければならず、町がその餌代を補てんして、農家の負担を軽減しようと実施する。
餌代は1日200円として60日分で算出。農家が申請する必要はなく、競り市の出場リストに挙がっていた子牛全頭を対象に交付される。総事業費は780万円で、専決処分で対応する。
同町農林振興課は「口蹄疫問題が長引き、飼養意欲が下がっている農家もある。農家にとって少額かもしれないが、少しでもやる気を持ってもらえれば」と話している。
日之影、五ケ瀬町も同様の支援を実施する方向で検討している。
(2010年5月28日付)
最終更新:2010年07月19日 05:05