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県は28日、家畜の伝染病、口蹄疫(こうていえき)の被害からの復興に向けた全体スケジュールを発表した。今月中にワクチン接種分の殺処分・埋却を終え、移動・搬出制限区域の全面解除を来月16日に目指す。
県内では、今月24日にすべての感染確定・疑い例の殺処分が終わった。県は川南町など児湯地域の解除を来月16日に設定。さらに、昨日時点で残り約1万4千頭になったワクチン接種分の殺処分は今月30日までに終わらせる。
制限解除のための清浄性確認検査は、児湯地域の場合、移動制限区域内(発生農場から半径10キロ)の家畜がすべて殺処分されるため、畜舎の消毒などの防疫状況を確認する。解除後は3週間、週1回の消毒を繰り返し、その後に経営再開となる見込み。
ただ、再開は、残った糞尿(ふんにょう)にウイルスがいないことが前提になる。農林水産省の担当者は「かなり大量で、埋めるのは家畜より大変。地下水など環境への負荷も大きい」としている。
このため、同省と県は、堆肥(たいひ)化の方向で検討しているが、政府の現地対策本部は「(堆肥化の過程で糞尿の中からウイルスを消すには)一定期間が必要」と指摘する。
 こうしたことから、口蹄疫が多発した児湯地域では、移動・搬出制限解除から3週間後(8月上旬)に再開できるかは、不明だ。

2010年06月29日


最終更新:2010年07月03日 23:58